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第5話 監禁されてしまいました

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あれから一週間たった。
 私がどうなったかと言うと…ハッキリ言おう!
 …監禁されてます。
 理由は私が彼の羽を見たから。

 「絶対誰にも言わないから!!」

 「信用できるか人間」

 どうもこの世界では翼のある人、翼人は心ない人間に翼をもがれ、その羽は高値で売られるという酷い扱いを受けているらしい。
 おまけに翼人は見目も良いので翼をもいだ後、凌辱され奴隷商人に売られて弄ばれ、必要が無くなれば殺されてしまう。

 そんな理由から、彼ら翼人が人間が大嫌いなのは分かった。
 私に翼があることを知らないから、信用できないのも理解できる。
 だけど、断崖絶壁の岩山の頂上まで普通の人間に登れるか!!
 私を自由にしてくれても問題ないはずだ!!
 女神何か無視して、何処かの町でひっそりと普通の暮らしをするんだー!!

 「…私の純潔奪ったくせに」

 「それはお前が悪い」

 ……なぜだ~!!!!理不尽だ~!!!!

 「とにかく、この部屋から出ることは許さない。お前に侍女を一人付けてやる。必要な物はそいつに言え」

 「私を人里に捨てて下さい」

 「お前を一生この部屋から出す気はない」

 ……顔良いのに、性格最悪だー!!!!

 そう、彼…ヒスイは物言いが冷たい。わざわざ人が傷付くような言い方をする。昼間は!!
 たまに夜、やって来て私の体を弄ぶ。
 その時は、人が変わったかのように甘い言葉を囁く。情事の時だけ私を酔わせる為なのか、愛されていると錯覚しそうなほど甘い。
 まるで恋人にでもなったかのように…だが、しか~し甘いのはそういう時だけで、たまに昼間来るときは酷い言い様。
 喧嘩売りに来てるんですか?何がしたいんですか?私をイライラさせて怒らせて楽しいですか?

 そして現在、部屋に閉じ込められてます。
 部屋から出られないのを除けば、トイレもお風呂もでっかいベッドもあって綺麗な部屋なので、文句はないです。
 敢えて言うなら喋る相手がいないこと。
 名前も知らない侍女さんは、私が何を言っても答えてくれない。
 必要な物、欲しい物を言えば用意してくれるけれど…それだけ。
 ヒスイも私の部屋には、たまに気紛れに訪れて、(大概夜)体だけ弄んでいく。
 昼間に来たと思えば喧嘩ばかり…

 正直に言おう…寂しいです。
 人恋しいです。

 「はぁ~この窓から飛べたらなぁ」

 ……羽があるのに飛べないって…

 窓の外はもう見飽きた。
 それでもすることもないので、ぼんやり眺めることが多くなった。
 見えるのは空と岩山だけ…

 ……飛べないなら練習すればいいのよね?

 「そうよ!!どうせ誰も来ないんだから練習すればいいのよ!!」

 斯くして、いつでも逃げられるように、羽ばたきの練習が行われた。

 「翼周りの筋肉が足りないのよね!!…たぶん!!」

 一日の殆どを羽ばたきの練習に使った。
 初めは数回羽ばたくだけで息切れして、どんだけ体力無いんだ~と心の中で叫んだ。
 だけど、飛ぶ練習をしている時だけ寂しいのを忘れられた。
 ただひたすら羽ばたき続けていれば、余計なことを考えずに済むから…




 そして一ヶ月が過ぎた。
 いまだに飛べない…正確には、短時間なら何とか浮くことは出来るようになった。
 だけど、このまま飛び出せば確実に死ぬ自信がある。

 ……飛べるようになるまでに、寂しくて死にそう

 そして私はまた彼に抱かれる。

 「…可愛いな」

 「はぁ…あ…ん」

 ……だからそう言うこといわないで。

 「アンジュ…」

 ……そんな顔して名前を呼ばないで…二週間も放っといたくせに…

 二週間ぶりに顔を見せたと思ったら、押し倒された。
 私は貴方の性欲処理ですか!?

 ……寂しい…よぉ

 事が終われば、ヒスイはさっさと出ていってしまうのだが、この日は違った。

 「アンジュ…俺の可愛い小鳥」

 ……???なっなんで?もっかいするの?お断りしていいですか?

 ヒスイは終わってからも、キスして抱きしめたり、私の頭を撫でたりするので、正直困った。
 私を見る目が、恋人を見るようで…優しくて、泣きそうになる。

 ……恋人にするようなスキンシップは、勘違いしてしまいそうなのでやめてほしいです。どうせまた来なくなるのだから…

 その通り、ヒスイはそれからまた来なくなった。
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