104 / 108
連載
159.四人の番人(三階層・手前)
「俺の名前は『悠久機関』、ジョイ・カーベス」
「僕の名前は『陽キャ道化』、ワイニート」
「私の名前は『人外鬼畜』、サクラバイナミ」
「拙者の名前は『鬼殺菩薩』、ヴィン=ラ」
「「「「お前の命を頂戴する(します)(でござる)!」」」」
「うわあ、濃い人達が出てきたよ」
次の階層にやってきたウータ達であったが、目の前に立ちふさがったのは四人の男女である。
年齢、人種、服装、髪や瞳の色……あらゆる点がバラバラだ。
共通しているのは、四人が四人とも感情が抜けきったような死んだ目をしていることだけである。
「さっきの子……『バンビ部隊』の人と同じ目をしているね。もしかして、この城で流行っているのかな?」
「『万人舞台』ですよ、ウータさん」
『あんな心のないガラス玉のような目が流行したら終わりですね……』
平常運転のウータに、ステラと和葉が控えめにツッコミを入れた。
「君達が番人ってことで良いのかな? このカギ、持ってる?」
「「「「…………」」」」
四人は無言。
しかし、服の懐やポケットから『万人舞台』から奪ったのと同じ鍵を取り出してウータに見せつける。
「うんうん。良かったよー。それじゃあ貰えるかな?」
「「「「…………」」」」
四人はやはり無言。鍵を再び仕舞った。
それは事実上の宣戦布告である。この状況なので元より他に可能性などないが……ウータと戦うつもりであるらしい。
「俺様が持っている一万の命。吹き消せるものならやってみやがれ!」
「僕はどんな環境にも適応して進化することができる。アンタにも適応してあげるよ」
「私は相手の能力をコピーすることができる。どんな魔法も異能も私のものにして見せるわ」
「究極にして無敵なる確殺の一撃……とくとご覧あれ」
「『悠久機関』」
「『陽キャ道化』」
「『人外鬼畜』」
「『鬼殺菩薩』」
「「「「発動!!!!!」」」」
四人の番人が能力を発動させた。
人間の蒐集を趣味としている『風』の女神エア……彼女が長い年月をかけて集めてきた異能者たちがウータめがけて襲いかかってくる。
『神にすら届く』……エアがそう称した異能がウータめがけて炸裂した。
「塵になーれ」
そして……消えた。一瞬だった。
四人の異能者が塵となって地面に散らばった。
「え……終わりですか?」
『ウータさん……』
ステラと和葉が唖然とした様子で声を漏らした。
彼らは明らかな強敵だったはず。
『万人舞台』にだってそれなりに手こずっていたはずなのに、彼と同格であろう四人を瞬殺してしまった。
「ええっと、嘘ですよね? ここから復活してくるとか、そういう話ですよね?」
「いやあ、死んじゃった人は生き返らないんじゃないかな。当たり前じゃん」
「ウータさんに常識を語られるとモヤッとしますね……実際、どうしてそんな簡単に倒せたんですか?」
「コツを掴んだからね。わりと簡単だったよー?」
ウータが何でもない事のように言う。
「最初に出てきた増える人だけどさ。不思議な力を使ってきて『花散ウータ』としての僕じゃ消しきれなかったんだ。でも、邪神としての僕を出したら簡単に倒せた。つまり、そういうことなんだよ」
「そ、そういうこと……?」
「うんうん。三人の神様を食べて器を強化したからできたことだよねー。やっぱり、努力と健康的な食事は大事ってことで」
ウータの説明は最初から最後まで意味不明。
ステラの疑問は深まる一方であり、何一つ望む答えは得られなかった。
「……和葉さん、今の言葉わかりましたか?」
『わかりません……でも、ウータさんですからね。それくらいできて当然です』
「そうでしたね……ウータさんですものね」
ステラと和葉が顔を見合わせて苦笑いになる。
『ウータだから』で不思議な現象が解決してしまえるのは少しおかしい気もする。
それはともかくとして……全ての鍵を集めることに成功した。
ウータが塵の山から鍵を探し出すと……目の前に光り輝く扉のようなものが出現する。
「ああ、どうやらこの先にいるみたいだねー」
「ウータさん。もしかしてワナなんじゃ……」
「そうだね。でも、この向こうに女神がいるのは間違いないよ。竜哉たちの気配もするね」
『私の身体も向こうにあるみたいです……』
つまり、罠であったにせよ飛び込まないわけにはいかない。
三人は意を決して、光の扉の向こうに足を踏み入れた。
「あら、ビックリ。本当に来ちゃったのねー。驚いたわー」
光の向こう側、そこは大樹の頂上だった。
緑の葉で生い茂った足場。その向こうに背中からトンボのような羽を生やした緑髪の女性の姿がある。
『風』を司る女神エアの顕現であった。
「予想通り……いや、素直に予想以上と言うべきかしらねー。アハハハ、あの子たちに殺されていたら楽に死ねたのに本当にかわいそ」
「塵になれ」
「う」
初手で挨拶もなしに攻撃。
ウータがエアの眼前に転移して頭部を掴んで、彼女の身体を塵に変えたのだった。
「僕の名前は『陽キャ道化』、ワイニート」
「私の名前は『人外鬼畜』、サクラバイナミ」
「拙者の名前は『鬼殺菩薩』、ヴィン=ラ」
「「「「お前の命を頂戴する(します)(でござる)!」」」」
「うわあ、濃い人達が出てきたよ」
次の階層にやってきたウータ達であったが、目の前に立ちふさがったのは四人の男女である。
年齢、人種、服装、髪や瞳の色……あらゆる点がバラバラだ。
共通しているのは、四人が四人とも感情が抜けきったような死んだ目をしていることだけである。
「さっきの子……『バンビ部隊』の人と同じ目をしているね。もしかして、この城で流行っているのかな?」
「『万人舞台』ですよ、ウータさん」
『あんな心のないガラス玉のような目が流行したら終わりですね……』
平常運転のウータに、ステラと和葉が控えめにツッコミを入れた。
「君達が番人ってことで良いのかな? このカギ、持ってる?」
「「「「…………」」」」
四人は無言。
しかし、服の懐やポケットから『万人舞台』から奪ったのと同じ鍵を取り出してウータに見せつける。
「うんうん。良かったよー。それじゃあ貰えるかな?」
「「「「…………」」」」
四人はやはり無言。鍵を再び仕舞った。
それは事実上の宣戦布告である。この状況なので元より他に可能性などないが……ウータと戦うつもりであるらしい。
「俺様が持っている一万の命。吹き消せるものならやってみやがれ!」
「僕はどんな環境にも適応して進化することができる。アンタにも適応してあげるよ」
「私は相手の能力をコピーすることができる。どんな魔法も異能も私のものにして見せるわ」
「究極にして無敵なる確殺の一撃……とくとご覧あれ」
「『悠久機関』」
「『陽キャ道化』」
「『人外鬼畜』」
「『鬼殺菩薩』」
「「「「発動!!!!!」」」」
四人の番人が能力を発動させた。
人間の蒐集を趣味としている『風』の女神エア……彼女が長い年月をかけて集めてきた異能者たちがウータめがけて襲いかかってくる。
『神にすら届く』……エアがそう称した異能がウータめがけて炸裂した。
「塵になーれ」
そして……消えた。一瞬だった。
四人の異能者が塵となって地面に散らばった。
「え……終わりですか?」
『ウータさん……』
ステラと和葉が唖然とした様子で声を漏らした。
彼らは明らかな強敵だったはず。
『万人舞台』にだってそれなりに手こずっていたはずなのに、彼と同格であろう四人を瞬殺してしまった。
「ええっと、嘘ですよね? ここから復活してくるとか、そういう話ですよね?」
「いやあ、死んじゃった人は生き返らないんじゃないかな。当たり前じゃん」
「ウータさんに常識を語られるとモヤッとしますね……実際、どうしてそんな簡単に倒せたんですか?」
「コツを掴んだからね。わりと簡単だったよー?」
ウータが何でもない事のように言う。
「最初に出てきた増える人だけどさ。不思議な力を使ってきて『花散ウータ』としての僕じゃ消しきれなかったんだ。でも、邪神としての僕を出したら簡単に倒せた。つまり、そういうことなんだよ」
「そ、そういうこと……?」
「うんうん。三人の神様を食べて器を強化したからできたことだよねー。やっぱり、努力と健康的な食事は大事ってことで」
ウータの説明は最初から最後まで意味不明。
ステラの疑問は深まる一方であり、何一つ望む答えは得られなかった。
「……和葉さん、今の言葉わかりましたか?」
『わかりません……でも、ウータさんですからね。それくらいできて当然です』
「そうでしたね……ウータさんですものね」
ステラと和葉が顔を見合わせて苦笑いになる。
『ウータだから』で不思議な現象が解決してしまえるのは少しおかしい気もする。
それはともかくとして……全ての鍵を集めることに成功した。
ウータが塵の山から鍵を探し出すと……目の前に光り輝く扉のようなものが出現する。
「ああ、どうやらこの先にいるみたいだねー」
「ウータさん。もしかしてワナなんじゃ……」
「そうだね。でも、この向こうに女神がいるのは間違いないよ。竜哉たちの気配もするね」
『私の身体も向こうにあるみたいです……』
つまり、罠であったにせよ飛び込まないわけにはいかない。
三人は意を決して、光の扉の向こうに足を踏み入れた。
「あら、ビックリ。本当に来ちゃったのねー。驚いたわー」
光の向こう側、そこは大樹の頂上だった。
緑の葉で生い茂った足場。その向こうに背中からトンボのような羽を生やした緑髪の女性の姿がある。
『風』を司る女神エアの顕現であった。
「予想通り……いや、素直に予想以上と言うべきかしらねー。アハハハ、あの子たちに殺されていたら楽に死ねたのに本当にかわいそ」
「塵になれ」
「う」
初手で挨拶もなしに攻撃。
ウータがエアの眼前に転移して頭部を掴んで、彼女の身体を塵に変えたのだった。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
「お前は無能だ」と追放した勇者パーティ、俺が抜けた3秒後に全滅したらしい
夏見ナイ
ファンタジー
【荷物持ち】のアッシュは、勇者パーティで「無能」と罵られ、ダンジョン攻略の直前に追放されてしまう。だが彼がいなくなった3秒後、勇者パーティは罠と奇襲で一瞬にして全滅した。
彼らは知らなかったのだ。アッシュのスキル【運命肩代わり】が、パーティに降りかかる全ての不運や即死攻撃を、彼の些細なドジに変換して無効化していたことを。
そんなこととは露知らず、念願の自由を手にしたアッシュは辺境の村で穏やかなスローライフを開始。心優しいエルフやドワーフの仲間にも恵まれ、幸せな日々を送る。
しかし、勇者を失った王国に魔族と内通する宰相の陰謀が迫る。大切な居場所を守るため、無能と蔑まれた男は、その規格外の“幸運”で理不尽な運命に立ち向かう!
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。
よくある聖女追放ものです。