俺もクズだが悪いのはお前らだ!

レオナール D

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第3章 南海冒険編

35.昼の戦い、夜の戦い


 獅子王船団の襲撃から1週間。
 俺はブルートスの港町に滞在して、復興する町を眺める日々を送っていた。

 結果だけ言うのであれば、獅子王船団との戦いはこちら側の大勝利に終わった。
 総督府を襲撃してきた海賊はほとんどが討ち取られるか捕縛され、200隻の海賊船の半数が海の藻屑に変えられた。

 生き残った海賊は海に逃がしてしまったが・・・どうやら彼らも無事では済まなかったらしい。
 あの襲撃の次の日に、大きな嵐が島を襲ったからだ。
 滅多にない規模の嵐は襲撃を乗り切ったばかりの港町にも軽くない被害をもたらしており、沖にいた海賊船が無事ですまなかったことは想像に難くなかった。
 連日、嵐の襲撃を受けたらしい海賊船の残骸が港には流れ着いていた。

「嵐が来る・・・そういえば、そんなことをスーが言ってたな」

 アレキサンドライト島でのスーとの会話を思い出しながら、俺は滞在している宿の窓から顔を出した。
 窓の外では照りつける太陽の下を大勢の人間が忙しそうに行き来しており、木材や石などが次々と港に向けて運ばれている。

 この町では今、サファイア王国中から人が集まって復旧作業が進められていた。
 敵国の征服という最悪の事態こそ免れたものの、受けた被害は小さくない。
 特に港の損傷は激しかった。
 敵船の砲撃によって港周辺の建物の半分は崩れている。
 おまけに、自爆によって沈められた獅子王船団の残骸があちこちにあって、うかつに船を出入りさせればすぐに座礁してしまうだろう。

 戦いが終わった直後は無数の屍が浮かぶ地獄絵図のようになっていた港であったが、その地獄を作り出したのが一人の少女であることを知る者は少なかった。

「別に用事もないし、さっさとこの町を出たいところなんだが・・・やれやれ、長い休暇になりそうだな」

 南国の島国での長期休暇。
 言葉だけを聞けば愉快なバカンスのように聞こえるが、今のこの町は暢気に観光を楽しめるような雰囲気ではない。

 うかつに町へ踏み出せば、知らない奴からは復旧作業を手伝うように頼まれ、知っている奴からは町を守ったお礼だと強引に酒を勧められてしまうだろう。

「酒は嫌いじゃないんだが、酔っ払いの男を相手にするなんて御免だな」

 酒は自分のペースで、ゆっくりと楽しむにかぎる。横にいるのが美女であればなお良い。
 俺はグラスを手に取って、ボトルから酒を注いだ。果実からつくられた酒は、南国生まれの俺にとっては懐かしい香りがする。
 子供の頃から飲んでいた故郷の味といってもいい酒を口に含み、存分に味わってから喉に流し込んだ。

「余計な長期滞在を強いられちまったな。まあ、収穫がなかったわけでもないけどな」

 今回の戦いでの最大の功労者は、表向きは警備隊の隊長であるランディということになっている。
 しかし、あの戦いで指揮を執った者達は俺が作戦立案をした事を知っている。
 スーの能力のことは話していないが、俺達が海賊船の大半を潰したことも報告してあるため、報酬をたっぷりといただくことができた。

 特に、奪った海賊船の一隻をもらえたことは大きいだろう。
 100人は乗れるだろう大型の船には『国滅ぼし』と呼ばれていた兵器をはじめ、多くの物資が積まれていた。
 動かすのには人手がいるが、港の復旧が終わったら食料と水を補充してすぐにでも出港することができるだろう。

「それまでは焦らず、休暇を楽しむしかないか・・・・・・ところで」

 俺は空になったグラスに再び酒を注ぎながら、背後のベッドへと視線を向けた。

「んっ・・・くうん・・・。この・・・負けません・・・!」

「はむ・・・んっ・・・ちゅうちゅう・・・」

「・・・いつまでやってんだよ、お前ら」

 俺はベッドで絡み合っている二人の少女に呆れて言葉をかける。
 ベッドではサクヤとスーの二人が、裸の身体を激しく絡めあっていた。
 美少女といっても差しつかえのない二人の同性愛行為はなんとも煽情的で、その手の趣味がない男であっても興奮せずにはいられないものであった。
 しかし、そんな倒錯的な媚態も半日も続けられれば、さすがに冷静になって呆れが勝ってしまう。

「くっ・・・ディンギル様の第一のしもべとして、ここは負けるわけにはいきません!」

「レロレロ・・・よくわかりませんけど、ご主人様の奴隷は私ですよ?」

 事のきっかけは、いつの間にか俺の奴隷になっていたスーに対して、サクヤが謎の対抗心を抱いたことである。
 戦いが終わって落ち着いた頃合いを見計らい、サクヤはスーへと夜の戦いを挑んだ。
 俺の愛人の筆頭格であるサクヤにとっては、新参者にちょっとお灸をすえてやろうくらいの気持ちだったのかもしれない。
 しかし、その目論見はスーの思わぬタフさによって覆されることになった。

「くうっ・・・このっ! そろそろ、倒れてください・・・!」

「はむっ・・れろ・・・・・・私はぜんぜん大丈夫ですよ?」

「ううっ・・・この化け物っ!」

 夜のテクニックは13歳の頃から俺の愛人を務めているサクヤのほうが、遥かに上である。
 しかし、スーは異常な体力を発揮してサクヤの攻めをすべて受け切り、後半は攻守が逆転していた。
 今は、小柄なサクヤの身体にスーがまたがって、きめ細かい肌をペロペロと舐めまわしていた。

「ぺろ、ぺろ・・・女性同士で、こういう事をすることがあるんですね。ご主人様と一緒にいると、新しい経験ばっかりです・・・」

「たぶん、その経験は一生しなくていいと思うぞ・・・」

「ううっ・・・そこは、ダメです・・・」

 普段は無表情なサクヤが珍しく涙目になっていた。
 それでも降参をしないあたり、彼女の意地がうかがえる光景であった。

「・・・いい加減に、助けてやるか。新入りに負けるってのも可哀そうだしな」

 俺はやれやれと肩をすくめて、グラスに入った酒を飲みほした。
 テーブルにグラスを置いて立ち上がり、ベッドに忍び寄ってスーの裸体へと手を伸ばした。

「あんっ・・・ご主人様?」

「そろそろ、お預けも飽きてきた。俺も混ぜてもらうぞ」

「ひゃあっ!」

 俺はもう少しで勝利をつかめたはずのスーの肌を撫でまわし、健康的な少女の身体を存分にむさぼった。

 昼となく、夜となく、開かれた饗宴は、港の復興が終わるまでさらに1週間は続けられるのであった。

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