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第3章 南海冒険編
51.神の呪いと延ばされた決着
「この、があああああああ!」
ドレークの胴体に巨大な鉄塊が突き刺さる。
至近距離から火薬によって撃ち出された鉄塊を、恐るべきことにドレークはその場に踏みとどまって受け止めて見せた。
「ぐおああああアアアアアアアアッ!」
「おおっ!?」
そして、そのままタックルしてくる人間を投げ飛ばすように砲弾を弾き飛ばす。
弾かれた砲弾は勢いをわずかに落としながらも王宮の壁にぶつかって、荘厳な大理石の壁に大きな穴を開けた。
「うわー・・・化け物じゃん。俺様ちゃん、来るんじゃなかったかも・・・」
「今からでも、逃げるカ? スロウス」
ロウとシャオマオが呆然とつぶやく。
空虚なその声に、俺は牙を剥いて笑い返した。
「いーや、ファインプレイだぜ!」
「ぐっ・・・」
俺は砲弾を弾き飛ばした姿勢のまま、ふらついているドレークへと斬りかかった。
さすがの不死の怪物であったが、あの破壊兵器の衝撃には無傷ではいられなかったようだ。
砲弾を弾いた左手は肘から先が明後日の方向に折れ曲がっており、内臓にも損傷があるのか口からは血の泡が流れ出ていた。
斬るならば、今である。
「はああああああああっ!!」
「く・・・この、舐めるなあああああああああっ!」
最上段から振り下ろされた渾身の一撃を、ドレークが右手の剣で受け止める。
魔具の力によってブーストされた俺の力と、不死身の魔人の力がぶつかり合って拮抗する。
激しい二つの力の衝突に、固い床に大きなヒビが入った。
「斬、れ、ろおおおおおおおおおおっ!!」
「ぐ、がああああああああああっ!」
先に限界が来たのは俺でもドレークでもなく、ドレークの右手に握られた大剣であった。
黒鋼の大剣が中ほどで砕け散り、とうとう斬撃が不死の肉体を捉える。
「【無敵鉄鋼】!」
「ぐ、がはあっ!」
浅黒く日焼けしたドレークの身体が斜めに切り裂かれた。
骨を断ち内臓まで達するほどの斬撃によって、滝のような鮮血が吹き散らされる。
「おおっ! 殺ったか!」
「ディンギル様!」
背後でロウが喝采する声が聞こえる。
意識を取り戻したのか、サクヤも感極まった声を上げている。
しかし――
「があああああああああ!」
「ふぐっ・・・!」
身体を血で赤く染めたドレークが蹴りを放ってくる。
全身全霊の一撃によって隙だらけになっていた俺は避けることもできず、まともに食らって後方へ吹き飛ばされる。
「ぐっ・・・・・・まだ、こんなに動けるのかよ! いったい、どうやったら死にやがる!」
「ご主人様っ! 大丈夫ですか!」
「ガウッ!」
床に転がった俺にスーが慌てて駆け寄ってくる。
彼女を護衛するかのようにガルムがドレークの前に立ちふさがり、犬歯を剥き出しにして威嚇する。
一方、魔法の力を断ち切る魔剣によって切り裂かれたドレークは、いっこうに治癒する様子のない胸の傷から血を流し続けていた。
吹き飛ばされた俺に追撃もせず、目の前に立ちふさがるガルムを構うこともせず、己の傷口を凝視している。
「かはっ・・・はあ・・・はあ・・・はは、あはっ、ひははははははっ!」
やがて、その唇が三日月形に歪んで笑い声が漏れ出した。
「ああっ・・・素晴らしい! これが死神の刃か! かつてない命の危機を、不死なる命が終わりに近づいているのを感じる・・・! 何という甘美で麗しい感覚か! あははは、ハハハハハハハッ!!」
目の前の男は明らかに死に体である。あと一撃、攻撃を叩きこめば確実に倒せる。
にもかかわらず、俺は笑い続けるドレークのことを魅入られたように見つめてしまう。
他の者達も同様で、言葉を失って血まみれの男を見続けていた。
そのまましばらく狂ったように笑うドレークであったが、やがて何かのスイッチが切り替わったかのように哄笑を止めた。
「・・・・・・ああ、クソめがっ! 良い所だっていうのに、水を差しやがって!」
先ほどまでの笑顔はどこに行ってしまったのだろうか。
ドレークは世にも忌々しそうな表情を浮かべて、この世の全てを呪うように怨嗟の言葉を吐きだした。
「狂える神よ、呪わしき神よ! またも邪魔をするのか! ようやく、ようやくだというのに・・・!」
「なんだ・・・?」
突然、始められた一人芝居に俺は呆然と声を漏らす。
ドレークは驚いて固まる俺へと、表情が抜け落ちた顔を向けてきた。
「なあ、俺の運命よ。お前はひょっとして、グレイス・ドラコ・オマリの近親者か?」
「一応、母親だが・・・」
「そうか、通りでな」
突然の話題転換に俺はいぶかし気に眉をひそめるが、ついつい勢いに呑まれて答えてしまった。
俺の答えを聞いて、ドレークは納得したように何度も頷いた。
「俺が最も愛し、そして憎んだ女の子供が俺を殺しに来るのか・・・運命とはどれほど気まぐれで数奇なことをするのやら」
「何の話をしてやがる、お前はオフクロの・・・」
「悪いが、今日はここでお開きだ。私はここで逃げさせてもらおう」
砕け散った大剣を床に投げつけて、ドレークは一方的に言い捨てた。
「こんなに楽しいのは千年ぶりだが・・・忌まわしい神の呪いは、私がここで斃れることを許してはいないようだ。決着の場所を変えさせてもらおう」
「馬鹿が。そのケガで逃げられると思ってるのかよ。俺達を舐めるなよ?」
俺は眼光を鋭くしてドレークを睨みつける。
聞きたいことは山ほどあるが、確実に言えることは一つ。
この男はここで殺す。再戦の機会など与えてやるものか!
「ふっ、そう言ってくれるなよ。不本意なのは私も同じなのだ。許されるのであれば、ここで君に殺されたいのだがな」
ドレークは困ったように肩をすくめて懐に手を入れる。
胸元の傷からはいまだ血が流れ続けており、どうして死んでいないのか不思議なくらいである。
「我が愛しい死神にして、呪われし血脈を継ぐ者よ。決着の場所は我らが故郷、アトランティスにて君を待つ!」
「あ、待ちやがれ!」
ドレークが懐から取り出した物を床に投げつけて、踵を返す。
慌てて追撃を試みる俺であったが、床に投げられた物の正体に気づいて足を止めた。
「こいつは、まさか・・・!」
「これが一品物だと言った覚えはないぞ。さらばだ!」
ドレークは砲弾によって開けられた大穴から外に飛び出し、怪我人とは思えない速度で駆けていく。
床に投げられたのは先ほどガルムが出てきた【紅瓢封魔】。それも一つではなく、三つも転がっていた。
すでに開けられたロケットの口から赤い煙が噴き出し、巨大な蛇と炎をまとう怪鳥、白い体毛の大猿が姿を現わす。
「ギャアアアアアアアアアッ!」
「グビイイイイイイイイイッ!」
「ちっ・・・鬱陶しい!」
俺は襲いかかってくる大蛇を蹴り飛ばし、大猿の爪を剣で受け止める。上方からは怪鳥の鉤爪が迫ってくるが、後方へと飛んでかわす。
「みんな、ダメ! 大人しくして!」
スーが慌てて怪物を説得するが、すでに時は遅い。
ドレークの姿は闇に呑まれて消え失せており、もはや追撃することは困難となっていた。
ドレークの胴体に巨大な鉄塊が突き刺さる。
至近距離から火薬によって撃ち出された鉄塊を、恐るべきことにドレークはその場に踏みとどまって受け止めて見せた。
「ぐおああああアアアアアアアアッ!」
「おおっ!?」
そして、そのままタックルしてくる人間を投げ飛ばすように砲弾を弾き飛ばす。
弾かれた砲弾は勢いをわずかに落としながらも王宮の壁にぶつかって、荘厳な大理石の壁に大きな穴を開けた。
「うわー・・・化け物じゃん。俺様ちゃん、来るんじゃなかったかも・・・」
「今からでも、逃げるカ? スロウス」
ロウとシャオマオが呆然とつぶやく。
空虚なその声に、俺は牙を剥いて笑い返した。
「いーや、ファインプレイだぜ!」
「ぐっ・・・」
俺は砲弾を弾き飛ばした姿勢のまま、ふらついているドレークへと斬りかかった。
さすがの不死の怪物であったが、あの破壊兵器の衝撃には無傷ではいられなかったようだ。
砲弾を弾いた左手は肘から先が明後日の方向に折れ曲がっており、内臓にも損傷があるのか口からは血の泡が流れ出ていた。
斬るならば、今である。
「はああああああああっ!!」
「く・・・この、舐めるなあああああああああっ!」
最上段から振り下ろされた渾身の一撃を、ドレークが右手の剣で受け止める。
魔具の力によってブーストされた俺の力と、不死身の魔人の力がぶつかり合って拮抗する。
激しい二つの力の衝突に、固い床に大きなヒビが入った。
「斬、れ、ろおおおおおおおおおおっ!!」
「ぐ、がああああああああああっ!」
先に限界が来たのは俺でもドレークでもなく、ドレークの右手に握られた大剣であった。
黒鋼の大剣が中ほどで砕け散り、とうとう斬撃が不死の肉体を捉える。
「【無敵鉄鋼】!」
「ぐ、がはあっ!」
浅黒く日焼けしたドレークの身体が斜めに切り裂かれた。
骨を断ち内臓まで達するほどの斬撃によって、滝のような鮮血が吹き散らされる。
「おおっ! 殺ったか!」
「ディンギル様!」
背後でロウが喝采する声が聞こえる。
意識を取り戻したのか、サクヤも感極まった声を上げている。
しかし――
「があああああああああ!」
「ふぐっ・・・!」
身体を血で赤く染めたドレークが蹴りを放ってくる。
全身全霊の一撃によって隙だらけになっていた俺は避けることもできず、まともに食らって後方へ吹き飛ばされる。
「ぐっ・・・・・・まだ、こんなに動けるのかよ! いったい、どうやったら死にやがる!」
「ご主人様っ! 大丈夫ですか!」
「ガウッ!」
床に転がった俺にスーが慌てて駆け寄ってくる。
彼女を護衛するかのようにガルムがドレークの前に立ちふさがり、犬歯を剥き出しにして威嚇する。
一方、魔法の力を断ち切る魔剣によって切り裂かれたドレークは、いっこうに治癒する様子のない胸の傷から血を流し続けていた。
吹き飛ばされた俺に追撃もせず、目の前に立ちふさがるガルムを構うこともせず、己の傷口を凝視している。
「かはっ・・・はあ・・・はあ・・・はは、あはっ、ひははははははっ!」
やがて、その唇が三日月形に歪んで笑い声が漏れ出した。
「ああっ・・・素晴らしい! これが死神の刃か! かつてない命の危機を、不死なる命が終わりに近づいているのを感じる・・・! 何という甘美で麗しい感覚か! あははは、ハハハハハハハッ!!」
目の前の男は明らかに死に体である。あと一撃、攻撃を叩きこめば確実に倒せる。
にもかかわらず、俺は笑い続けるドレークのことを魅入られたように見つめてしまう。
他の者達も同様で、言葉を失って血まみれの男を見続けていた。
そのまましばらく狂ったように笑うドレークであったが、やがて何かのスイッチが切り替わったかのように哄笑を止めた。
「・・・・・・ああ、クソめがっ! 良い所だっていうのに、水を差しやがって!」
先ほどまでの笑顔はどこに行ってしまったのだろうか。
ドレークは世にも忌々しそうな表情を浮かべて、この世の全てを呪うように怨嗟の言葉を吐きだした。
「狂える神よ、呪わしき神よ! またも邪魔をするのか! ようやく、ようやくだというのに・・・!」
「なんだ・・・?」
突然、始められた一人芝居に俺は呆然と声を漏らす。
ドレークは驚いて固まる俺へと、表情が抜け落ちた顔を向けてきた。
「なあ、俺の運命よ。お前はひょっとして、グレイス・ドラコ・オマリの近親者か?」
「一応、母親だが・・・」
「そうか、通りでな」
突然の話題転換に俺はいぶかし気に眉をひそめるが、ついつい勢いに呑まれて答えてしまった。
俺の答えを聞いて、ドレークは納得したように何度も頷いた。
「俺が最も愛し、そして憎んだ女の子供が俺を殺しに来るのか・・・運命とはどれほど気まぐれで数奇なことをするのやら」
「何の話をしてやがる、お前はオフクロの・・・」
「悪いが、今日はここでお開きだ。私はここで逃げさせてもらおう」
砕け散った大剣を床に投げつけて、ドレークは一方的に言い捨てた。
「こんなに楽しいのは千年ぶりだが・・・忌まわしい神の呪いは、私がここで斃れることを許してはいないようだ。決着の場所を変えさせてもらおう」
「馬鹿が。そのケガで逃げられると思ってるのかよ。俺達を舐めるなよ?」
俺は眼光を鋭くしてドレークを睨みつける。
聞きたいことは山ほどあるが、確実に言えることは一つ。
この男はここで殺す。再戦の機会など与えてやるものか!
「ふっ、そう言ってくれるなよ。不本意なのは私も同じなのだ。許されるのであれば、ここで君に殺されたいのだがな」
ドレークは困ったように肩をすくめて懐に手を入れる。
胸元の傷からはいまだ血が流れ続けており、どうして死んでいないのか不思議なくらいである。
「我が愛しい死神にして、呪われし血脈を継ぐ者よ。決着の場所は我らが故郷、アトランティスにて君を待つ!」
「あ、待ちやがれ!」
ドレークが懐から取り出した物を床に投げつけて、踵を返す。
慌てて追撃を試みる俺であったが、床に投げられた物の正体に気づいて足を止めた。
「こいつは、まさか・・・!」
「これが一品物だと言った覚えはないぞ。さらばだ!」
ドレークは砲弾によって開けられた大穴から外に飛び出し、怪我人とは思えない速度で駆けていく。
床に投げられたのは先ほどガルムが出てきた【紅瓢封魔】。それも一つではなく、三つも転がっていた。
すでに開けられたロケットの口から赤い煙が噴き出し、巨大な蛇と炎をまとう怪鳥、白い体毛の大猿が姿を現わす。
「ギャアアアアアアアアアッ!」
「グビイイイイイイイイイッ!」
「ちっ・・・鬱陶しい!」
俺は襲いかかってくる大蛇を蹴り飛ばし、大猿の爪を剣で受け止める。上方からは怪鳥の鉤爪が迫ってくるが、後方へと飛んでかわす。
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