8 / 17
村人Mと勇者の認識
「…誤報だぁ?」
「そうだ。全部浮かれて調子に乗ったバカ共のでっち上げだ。」
「だってよぉ…ネットじゃ皆…」
「情報に踊らされてんな!!直に自分の目で確かめた物が真実だ…そうだろ?」
シリルは頭がいい。
コイツのゆう事にゃあ、いつも間違いがねえ。
俺りゃあ力なら誰にも負けねえ自信があるんだけどよ…
その分頭の方は…少々残念なんだそうだ。
まぁ、そりゃ別にいいじゃねえか。
俺りぁ元々肉体労働担当なんだからよ。
後衛の魔導士のシリルが作戦考えて指示出して、前衛の斧闘士の俺が自慢のグレートアックス(大斧)ぶん回して、ついでにオマケがウロチョロすりゃあ向かうとこ敵無しだw
仕事(討伐)の内容によっちゃあ他に人員増やしたパーティー組んだりもするが、基本このメンバーで大陸中を回ってる。
今までずっとこれでやってきた。
そんでこれからもずっとそうだ。
だからシリルのゆう通りにしてりゃあ間違いねぇって、そうゆう事だ。
『自分の目で』ねぇ…改めてシリルの膝の上で黄昏れるMに視線を移す。
どこか遠くを見るような気だるげな瞳に半開きの唇。
白いシーツから伸びる日に焼けてねえ白いナマ足。
その下は当然マッパな訳で…どう見ても誘ってるようにしか見えねえ…
…ゴクリ…
「この脳筋のケダモノ野郎が!!」
ガスっ!!
ドタバタ、バタバタ、バターン
「おい、聞いたかぁ!?」
シリルに一発お見舞いされたタイミングで、けたたましい足音と共に煩ぇ野郎が飛び込んで来やがった。
「んだよアイザ?朝っぱらから騒々しいぞ。」
コイツがついでのオマケでウロチョロ用員のアイザだ。
「あ?テメェに言われたか無いわ!!ってそれどころじゃねえ!!勇者ネット見たか!?あのMが……って、Mぅぅう!?」
シリルの膝の上の人物に気付いたアイザは、大袈裟に仰け反ると…
次の瞬間にゃあもうMの真正面に回りこんでやがった。
ったく、こんな事で俊足使うなって。
「うわ~~~v本物見たの初めてだわ。マジ感激Vv俺、アイザ。よろしくなっMちゃんVv」
そう言うなり、アイザがMの顎を掴んで顔を近付けた直後…
「ぐああああぁぁ!!」
…奴の顔面にゃあ、シリルのアイアンクロ―がガッチリと決まっていた。
おいおい、シリル…それ本気だろ?アイザの頭蓋骨からミシミシ音がすんぞ…
「…んだよ…お前等だけズリィぞぉ。俺にも少しぐらい…」
やっとシリルのアイアンクロ―から逃れたアイザは、半泣きで俺達に文句をゆう。
「俺は何もしてない。」
「俺も…あ~まぁ…ヤってはねえな。うん。」
「嘘つけ!!見るからに事後じゃねえか!!3人で楽しんだんだろ?何で俺も呼んでくんねえんだよぉ~!!」
ああ…言われてみりゃあ…確かに。
今この部屋には半裸の俺と…ベッドに腰掛けたシリルの膝の上に…………素肌にシーツを巻いただけのM。
…だよな。普通はそう思っちまうよな…だけどもよ…
「ヤってねえ。残念ながら未遂だ。」
俺が素直に自己申告すりゃあ…
「…今から?今からかっ!?vV」
途端にワクワクした目で俺を見るアイザ。
ああ…がっついて舞い上がっちまった男ってのは、端から見るとこんなにも格好悪りぃモンなのか…
ちいと前の自分を見てるようで、微妙な気持ちになってきやがった。
アイザのセリフに、Mが微かにビクついたのが目の端に映る。
「今からかも何も、ヤ・ら・な・い。分かったか?」
そんなMを宥めるように、シリルがしっかりと抱き寄せた。
「え~~~っ何でだよ?せっかくMが居るってえのに!!」
だが、んな事にすら気付かねえアイザは、口を尖らせてぶーぶー言ってやがる…が…
……………………………………
………………………………………………………
………………?…良く考えてみたら何かおかしい事に気が付いた。
「いいか?Mは物じゃねえ1人の意思ある人間だ。分かるな?同意が無い限りただの暴力だろうが。」
シリルがバカに言い聞かせるようにゆっくりと話すが…声質がワントーン落ちてきやがった。
こりゃそろそろヤベェか。
…しかし…そうか…まぁ、そりゃそうだよな?普通はよ。
俺もさっきまではアイザと同じでM=ヤるって事しか考えて無かったが…
シリルが分かったか?と、アイザを横目で睨むが、Mを前に欲望が先立っちまってる奴には通用しねえ。
「だってそいつはあの【魅惑の泉】だろ?Mだってきっと期待してんじゃねえか?なぁ!俺結構上手いんだ、絶対アンタを満足…ぶふぉっ!!」
あ~あ~バカが床に沈められちまいやがった。
………だが…この目の前のバカは俺だ。
さっき迄の俺自身だ…
思い返してみりゃあ…Mは確かに「嫌だ!」って言ってた。
真っ赤な顔に涙目の上目遣いは、誘ってるようにしか見え無かったが…
微々たるモンだったが、確かに抵抗もしてた…かな?
攻撃力0の猫パンチ程度だったが…
………あれ、マジだったのか?演技じゃなく?
俺達の間じゃあ、Mって言ったら“無理ヤリプレイ”が好きな淫乱で男好きな子猫ちゃんだ。
幾多の男を翻弄して悦に入る、小悪魔で魅力的な【男殺しのM】だ。
男だったら一度は遊ばれてみてえ~!って思うだろ?
テメェのビッグマグナムでヒィヒィ言わしてみてえだろ?
「ああ~んv他の誰より凄い~~んvV」って言わしてみたくなるだろ?
・・・でもよ?実際のとこ俺りゃあ、マジでレイプしなきゃなんねぇ程餓えちゃいねえ。
今は特に緊急時でもねえしな。
飽くまでそうゆうプレイとしてお互い楽しむんならともかく、流石にマジレイプは無いだろ?
………このバカ(アイザ)見てて何だか目ぇ覚めてきたぜ。
『情報に踊らされてんな!!
直に自分の目で確かめた物が真実だ…そうだろ?』
シリルがさっき言ってた言葉が、今頃脳みそに染みてきやがった。
おうシリル。俺の残念な頭でもやっと分かってきたぜ。真実ってヤツがよ。
こりゃあ、あれだ。集団意識の中での洗脳って奴だ。
情報社会ってのは便利な反面怖えもんなんだな…
「それでお前は何しに来たんだよ?」
シリルが床に沈んだアイザの後頭部を、足でグリグリしながら聞き返した。
そういやぁ、さっきこいつぁMがどうのって言ってたな?
「ぐっ…ぐぇぇ…」
「おいおいシリル。先ずぁ足どかしてやんな。んで、Mがどうしたってよ?」
「ゼェゼェ…ああっ!そうだM!!アンタ鋼の勇者のモンになったってホントか!?」
「「!!」」
「あ…うん、昨日誘拐されてきた…」
「………ゆ、誘拐だぁ!?」
「そりゃ明らかに協定違反じゃねえか!!」
「M!…何があったか順を追って詳しく話してみろ?」
「え~と…一昨日の昼、村の女の子達とお茶してたらギルが来て…そのまま外に連れ出されて…」
「女の子達ぃ!?おいおいMは女もイケるクチかぁ?」
ゴツ!!
「だあって聞いてろ!…そんで?」
「その後…森に連れてかれて………その…襲われて…」
「ktkr!!ソコんとこもっと詳しく!!Wktk!!」
ガイン!!
「…気にせず続けてくれ。」
「あ…と、途中で気ぃ失ったみたいで…気が付いたら自宅の風呂で………そこでもまた…襲われて…」
「イテテ…浴槽プレイか無茶すんな~wのぼせんだろ?マニアックなのはいいけど、せめて場所は選べよ。」
ゴイン!!ゲイン!!
「俺が選んでる訳じゃないから!!てか…いつも無理やりだし…所構わずな奴多いし…」
「ツゥ~~~!!タタタ…でもアンタもそんなプレイを楽しんでるんじゃないの?皆アンタを喜ばせようって超必死だよ?」
「………俺はノーマルなストレートだ!!野郎に掘られて喜ぶ趣味はねえっ!!(泣)」
ビシッ
………………………………………………………
………………………………………………………
………………………………………………………
…あれ…空気凍ったか…?皆さん固まっておりますが?
だがここは最も大事なとこだから、声を大にして言わせてもらいたい!!
元々俺にはソッチのケは1mmも無いっ!!
そもそも何故皆さんの中では、俺がゲイである事が前提なんでしょうか?
この際全世界に向けて叫びたい!!
―――――――― 俺は女の子が大好きだ~~~!! ――――――――
それから何とか復活した皆さんとさっきの話の続きで…
その後ベッドで更に襲われた事、記憶は飛び飛びで最後に憶えているのは空が明るくなってきたあたりまで…次に目が覚めたら馬上だった事等々…
赤裸々なゴニョゴニョはカットして簡潔に話した。
途中「絶倫だなっ!!」だの「鬼畜か!?」だのと茶々を入れてたアイザって奴は、その都度二人にどつかれてたが…
学ばないと言うか…めげないと言うか…
とにかく突っ込み気質で、やたらと丈夫な奴だって事は良く分かった。
「ふ~Mの話を聞く限りじゃ、完全に協定違反だなぁこりゃあ。」
「事実なら神殿の規定違反にもなってるぞ。神殿に連絡してMの保護を頼むか…」
シリルが何も無い空間に手を翳すと、目の前に半透明の緑色の薄い板が現れた!!
えっ、えっ、なにソレ?初めて見た!!…すていたす画面?…なにソレ?
「え~~~っもったいねえ!!」
アイザって奴が端でブーブー言ってるが、今俺の目はシリルの手元に釘付けだ。
空中に浮かんだ淡く発光する四角く薄い板。
シリルが指を動かす度に、画面が目まぐるしく変わる。
シリルは何やら板の上で指をポチポチしていたが…
「…ああ、本当だ。ここには昨夜の日付で『Mは本日付けで鋼の勇者の旅の同行者となった。尚これは本人たっての希望であり、泉の意思に拠る所在の変更は例え神殿であろうと制約することは出来ない。』って書いてある。」
「念の為に聞くがMおめえ…鋼の野郎と一緒に行くっつったのか?」
ブンブンブブブブン!!
とんでもないっ!!俺は頭がもげんばかりに首を横に振る。
「………なぁM。だったら俺と一緒に来ねえ?俺…目一杯大事にするし!!…それにアンタ何か…ほっとけねえっつうか…」
アイザがガシッと俺の手を握って力説するが…
「どさくさに紛れて口説いてンじゃねえ!!」
すかさずゲイリーの拳骨が脳天に落とされた。
これはアレか?どつき漫才ってヤツか?
何だかんだでいいコンビだ。
「そうだ。私の者を勝手に口説くのは止めて貰おう。」
ほのぼのお笑い劇場と化したシリルの部屋に、絶対零度の声が響いた。
いやに聞き覚えがある声に、瞬時に体が硬直する。
ギギギギギ…と、本能で拒否する首を無理ヤリ回して振り向けば…
……………………………出たぁぁぁぁぁ~~~っ!!
そこには鋼の勇者こと諸悪の根源ギルが立っていた。
シリルが俺を抱えたまま素早く立ち上がると、魔王よりも凶悪な空気を纏ったギルが真っ直ぐこちらに歩を進めて来る。
「…M…戻るぞ…」
地の底から這い上がってくるような、怨念の篭った低い声。
ゴゴゴゴゴゴ…って効果音が聞こえてくるのは俺だけですか?
よく分からんが最早ヤツの機嫌の悪さはMAXだ。したがって危険度もMAXだ。
………あ…コレ、何か俺…終わったか?本日でM終了?
思わずシリルの服を掴んだ手に力が入った。
「ちょおっと待ったあぁぁぁぁぁ!!」
「流石にこいつぁあ見逃せねえな!!」
シリルが俺を抱え直すと同時に、アイザとゲイリーが俺達の前に出る。
「シリル行けっ!!Mを連れて逃げろ!!」
「ゲイリ「熊ぁ!?」」
「ここは俺が引き受けた!!」
「ちょ…俺スルー!?せめて俺達って言って!!」
アイザの訴えはまるっと無視の方向で、ゲイリーは亜空間から愛斧グレートアックスを取り出すと鋼の勇者ギルに向い不敵に笑った。
「ここから先は一歩も通さねえっ!!」
く~~~~~っ!!今の俺、最っ高~~~~~~~~にカッコイイぜっ!!
こりゃいくらMがノンケでも、俺に惚れちまうんじゃねえ?
……………………………にしても…クマって何だ?
日常によくある洗脳。『皆の認識は世の常識』と言う怖い構図。
「そうだ。全部浮かれて調子に乗ったバカ共のでっち上げだ。」
「だってよぉ…ネットじゃ皆…」
「情報に踊らされてんな!!直に自分の目で確かめた物が真実だ…そうだろ?」
シリルは頭がいい。
コイツのゆう事にゃあ、いつも間違いがねえ。
俺りゃあ力なら誰にも負けねえ自信があるんだけどよ…
その分頭の方は…少々残念なんだそうだ。
まぁ、そりゃ別にいいじゃねえか。
俺りぁ元々肉体労働担当なんだからよ。
後衛の魔導士のシリルが作戦考えて指示出して、前衛の斧闘士の俺が自慢のグレートアックス(大斧)ぶん回して、ついでにオマケがウロチョロすりゃあ向かうとこ敵無しだw
仕事(討伐)の内容によっちゃあ他に人員増やしたパーティー組んだりもするが、基本このメンバーで大陸中を回ってる。
今までずっとこれでやってきた。
そんでこれからもずっとそうだ。
だからシリルのゆう通りにしてりゃあ間違いねぇって、そうゆう事だ。
『自分の目で』ねぇ…改めてシリルの膝の上で黄昏れるMに視線を移す。
どこか遠くを見るような気だるげな瞳に半開きの唇。
白いシーツから伸びる日に焼けてねえ白いナマ足。
その下は当然マッパな訳で…どう見ても誘ってるようにしか見えねえ…
…ゴクリ…
「この脳筋のケダモノ野郎が!!」
ガスっ!!
ドタバタ、バタバタ、バターン
「おい、聞いたかぁ!?」
シリルに一発お見舞いされたタイミングで、けたたましい足音と共に煩ぇ野郎が飛び込んで来やがった。
「んだよアイザ?朝っぱらから騒々しいぞ。」
コイツがついでのオマケでウロチョロ用員のアイザだ。
「あ?テメェに言われたか無いわ!!ってそれどころじゃねえ!!勇者ネット見たか!?あのMが……って、Mぅぅう!?」
シリルの膝の上の人物に気付いたアイザは、大袈裟に仰け反ると…
次の瞬間にゃあもうMの真正面に回りこんでやがった。
ったく、こんな事で俊足使うなって。
「うわ~~~v本物見たの初めてだわ。マジ感激Vv俺、アイザ。よろしくなっMちゃんVv」
そう言うなり、アイザがMの顎を掴んで顔を近付けた直後…
「ぐああああぁぁ!!」
…奴の顔面にゃあ、シリルのアイアンクロ―がガッチリと決まっていた。
おいおい、シリル…それ本気だろ?アイザの頭蓋骨からミシミシ音がすんぞ…
「…んだよ…お前等だけズリィぞぉ。俺にも少しぐらい…」
やっとシリルのアイアンクロ―から逃れたアイザは、半泣きで俺達に文句をゆう。
「俺は何もしてない。」
「俺も…あ~まぁ…ヤってはねえな。うん。」
「嘘つけ!!見るからに事後じゃねえか!!3人で楽しんだんだろ?何で俺も呼んでくんねえんだよぉ~!!」
ああ…言われてみりゃあ…確かに。
今この部屋には半裸の俺と…ベッドに腰掛けたシリルの膝の上に…………素肌にシーツを巻いただけのM。
…だよな。普通はそう思っちまうよな…だけどもよ…
「ヤってねえ。残念ながら未遂だ。」
俺が素直に自己申告すりゃあ…
「…今から?今からかっ!?vV」
途端にワクワクした目で俺を見るアイザ。
ああ…がっついて舞い上がっちまった男ってのは、端から見るとこんなにも格好悪りぃモンなのか…
ちいと前の自分を見てるようで、微妙な気持ちになってきやがった。
アイザのセリフに、Mが微かにビクついたのが目の端に映る。
「今からかも何も、ヤ・ら・な・い。分かったか?」
そんなMを宥めるように、シリルがしっかりと抱き寄せた。
「え~~~っ何でだよ?せっかくMが居るってえのに!!」
だが、んな事にすら気付かねえアイザは、口を尖らせてぶーぶー言ってやがる…が…
……………………………………
………………………………………………………
………………?…良く考えてみたら何かおかしい事に気が付いた。
「いいか?Mは物じゃねえ1人の意思ある人間だ。分かるな?同意が無い限りただの暴力だろうが。」
シリルがバカに言い聞かせるようにゆっくりと話すが…声質がワントーン落ちてきやがった。
こりゃそろそろヤベェか。
…しかし…そうか…まぁ、そりゃそうだよな?普通はよ。
俺もさっきまではアイザと同じでM=ヤるって事しか考えて無かったが…
シリルが分かったか?と、アイザを横目で睨むが、Mを前に欲望が先立っちまってる奴には通用しねえ。
「だってそいつはあの【魅惑の泉】だろ?Mだってきっと期待してんじゃねえか?なぁ!俺結構上手いんだ、絶対アンタを満足…ぶふぉっ!!」
あ~あ~バカが床に沈められちまいやがった。
………だが…この目の前のバカは俺だ。
さっき迄の俺自身だ…
思い返してみりゃあ…Mは確かに「嫌だ!」って言ってた。
真っ赤な顔に涙目の上目遣いは、誘ってるようにしか見え無かったが…
微々たるモンだったが、確かに抵抗もしてた…かな?
攻撃力0の猫パンチ程度だったが…
………あれ、マジだったのか?演技じゃなく?
俺達の間じゃあ、Mって言ったら“無理ヤリプレイ”が好きな淫乱で男好きな子猫ちゃんだ。
幾多の男を翻弄して悦に入る、小悪魔で魅力的な【男殺しのM】だ。
男だったら一度は遊ばれてみてえ~!って思うだろ?
テメェのビッグマグナムでヒィヒィ言わしてみてえだろ?
「ああ~んv他の誰より凄い~~んvV」って言わしてみたくなるだろ?
・・・でもよ?実際のとこ俺りゃあ、マジでレイプしなきゃなんねぇ程餓えちゃいねえ。
今は特に緊急時でもねえしな。
飽くまでそうゆうプレイとしてお互い楽しむんならともかく、流石にマジレイプは無いだろ?
………このバカ(アイザ)見てて何だか目ぇ覚めてきたぜ。
『情報に踊らされてんな!!
直に自分の目で確かめた物が真実だ…そうだろ?』
シリルがさっき言ってた言葉が、今頃脳みそに染みてきやがった。
おうシリル。俺の残念な頭でもやっと分かってきたぜ。真実ってヤツがよ。
こりゃあ、あれだ。集団意識の中での洗脳って奴だ。
情報社会ってのは便利な反面怖えもんなんだな…
「それでお前は何しに来たんだよ?」
シリルが床に沈んだアイザの後頭部を、足でグリグリしながら聞き返した。
そういやぁ、さっきこいつぁMがどうのって言ってたな?
「ぐっ…ぐぇぇ…」
「おいおいシリル。先ずぁ足どかしてやんな。んで、Mがどうしたってよ?」
「ゼェゼェ…ああっ!そうだM!!アンタ鋼の勇者のモンになったってホントか!?」
「「!!」」
「あ…うん、昨日誘拐されてきた…」
「………ゆ、誘拐だぁ!?」
「そりゃ明らかに協定違反じゃねえか!!」
「M!…何があったか順を追って詳しく話してみろ?」
「え~と…一昨日の昼、村の女の子達とお茶してたらギルが来て…そのまま外に連れ出されて…」
「女の子達ぃ!?おいおいMは女もイケるクチかぁ?」
ゴツ!!
「だあって聞いてろ!…そんで?」
「その後…森に連れてかれて………その…襲われて…」
「ktkr!!ソコんとこもっと詳しく!!Wktk!!」
ガイン!!
「…気にせず続けてくれ。」
「あ…と、途中で気ぃ失ったみたいで…気が付いたら自宅の風呂で………そこでもまた…襲われて…」
「イテテ…浴槽プレイか無茶すんな~wのぼせんだろ?マニアックなのはいいけど、せめて場所は選べよ。」
ゴイン!!ゲイン!!
「俺が選んでる訳じゃないから!!てか…いつも無理やりだし…所構わずな奴多いし…」
「ツゥ~~~!!タタタ…でもアンタもそんなプレイを楽しんでるんじゃないの?皆アンタを喜ばせようって超必死だよ?」
「………俺はノーマルなストレートだ!!野郎に掘られて喜ぶ趣味はねえっ!!(泣)」
ビシッ
………………………………………………………
………………………………………………………
………………………………………………………
…あれ…空気凍ったか…?皆さん固まっておりますが?
だがここは最も大事なとこだから、声を大にして言わせてもらいたい!!
元々俺にはソッチのケは1mmも無いっ!!
そもそも何故皆さんの中では、俺がゲイである事が前提なんでしょうか?
この際全世界に向けて叫びたい!!
―――――――― 俺は女の子が大好きだ~~~!! ――――――――
それから何とか復活した皆さんとさっきの話の続きで…
その後ベッドで更に襲われた事、記憶は飛び飛びで最後に憶えているのは空が明るくなってきたあたりまで…次に目が覚めたら馬上だった事等々…
赤裸々なゴニョゴニョはカットして簡潔に話した。
途中「絶倫だなっ!!」だの「鬼畜か!?」だのと茶々を入れてたアイザって奴は、その都度二人にどつかれてたが…
学ばないと言うか…めげないと言うか…
とにかく突っ込み気質で、やたらと丈夫な奴だって事は良く分かった。
「ふ~Mの話を聞く限りじゃ、完全に協定違反だなぁこりゃあ。」
「事実なら神殿の規定違反にもなってるぞ。神殿に連絡してMの保護を頼むか…」
シリルが何も無い空間に手を翳すと、目の前に半透明の緑色の薄い板が現れた!!
えっ、えっ、なにソレ?初めて見た!!…すていたす画面?…なにソレ?
「え~~~っもったいねえ!!」
アイザって奴が端でブーブー言ってるが、今俺の目はシリルの手元に釘付けだ。
空中に浮かんだ淡く発光する四角く薄い板。
シリルが指を動かす度に、画面が目まぐるしく変わる。
シリルは何やら板の上で指をポチポチしていたが…
「…ああ、本当だ。ここには昨夜の日付で『Mは本日付けで鋼の勇者の旅の同行者となった。尚これは本人たっての希望であり、泉の意思に拠る所在の変更は例え神殿であろうと制約することは出来ない。』って書いてある。」
「念の為に聞くがMおめえ…鋼の野郎と一緒に行くっつったのか?」
ブンブンブブブブン!!
とんでもないっ!!俺は頭がもげんばかりに首を横に振る。
「………なぁM。だったら俺と一緒に来ねえ?俺…目一杯大事にするし!!…それにアンタ何か…ほっとけねえっつうか…」
アイザがガシッと俺の手を握って力説するが…
「どさくさに紛れて口説いてンじゃねえ!!」
すかさずゲイリーの拳骨が脳天に落とされた。
これはアレか?どつき漫才ってヤツか?
何だかんだでいいコンビだ。
「そうだ。私の者を勝手に口説くのは止めて貰おう。」
ほのぼのお笑い劇場と化したシリルの部屋に、絶対零度の声が響いた。
いやに聞き覚えがある声に、瞬時に体が硬直する。
ギギギギギ…と、本能で拒否する首を無理ヤリ回して振り向けば…
……………………………出たぁぁぁぁぁ~~~っ!!
そこには鋼の勇者こと諸悪の根源ギルが立っていた。
シリルが俺を抱えたまま素早く立ち上がると、魔王よりも凶悪な空気を纏ったギルが真っ直ぐこちらに歩を進めて来る。
「…M…戻るぞ…」
地の底から這い上がってくるような、怨念の篭った低い声。
ゴゴゴゴゴゴ…って効果音が聞こえてくるのは俺だけですか?
よく分からんが最早ヤツの機嫌の悪さはMAXだ。したがって危険度もMAXだ。
………あ…コレ、何か俺…終わったか?本日でM終了?
思わずシリルの服を掴んだ手に力が入った。
「ちょおっと待ったあぁぁぁぁぁ!!」
「流石にこいつぁあ見逃せねえな!!」
シリルが俺を抱え直すと同時に、アイザとゲイリーが俺達の前に出る。
「シリル行けっ!!Mを連れて逃げろ!!」
「ゲイリ「熊ぁ!?」」
「ここは俺が引き受けた!!」
「ちょ…俺スルー!?せめて俺達って言って!!」
アイザの訴えはまるっと無視の方向で、ゲイリーは亜空間から愛斧グレートアックスを取り出すと鋼の勇者ギルに向い不敵に笑った。
「ここから先は一歩も通さねえっ!!」
く~~~~~っ!!今の俺、最っ高~~~~~~~~にカッコイイぜっ!!
こりゃいくらMがノンケでも、俺に惚れちまうんじゃねえ?
……………………………にしても…クマって何だ?
日常によくある洗脳。『皆の認識は世の常識』と言う怖い構図。
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
悪役令息に転生したらしいけど、何の悪役令息かわからないから好きにヤリチン生活ガンガンしよう!
ミクリ21 (新)
BL
ヤリチンの江住黒江は刺されて死んで、神を怒らせて悪役令息のクロエ・ユリアスに転生されてしまった………らしい。
らしいというのは、何の悪役令息かわからないからだ。
なので、クロエはヤリチン生活をガンガンいこうと決めたのだった。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
サッカー部の先輩・ハヤトの声が密かに大好きなミノル。
彼を誘い家に泊まってもらった翌朝、目覚ましが鳴った。
……あ。
音声アラームを先輩の声にしているのがバレた。
しかもボイスレコーダーでこっそり録音していたことも白状することに。
やばい、どうしよう。