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第14話
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『タロウはあーしのこと嫌いなんだって』
自動車の往来も少なく、落葉以外に歩行者が見当たらない平日の昼前。紫外線の暑さを感じながら歩く彼の耳には、久川の声が張り付いている。
春久は久川を嫌っている。春久は命を落とすかもしれない仕事の前日にわざわざ彼女に会いに来た。その行動のどこに、嫌いなんて感情が介在する余地があるというのだ。
どういうつもりで彼女を嫌っているなんて告白をしたのか。落葉のなかに答えがあるはずもなく、行き場のない疑問は宙を漂うばかり。
なぜ?
管理者側が欲しているのは彼女の恋人だ。彼女にとっても急に現れた異性より、同じ立場として色んな感情を共有した彼のほうが好感を持てるはず。相手が落葉である必要性なんて微塵もない。久川に付き合いのある異性がいる事実を、天音は一度も落葉に話さなかった。あえて隠しているように感じたから、密かに落葉は尋ねたのだ。既に結婚候補がいるなら、自分を里に連れてきた理由は別にある。そう考えていたのに、落葉の予想は全くの見当違いだった。
やはり自分を連れてきた理由が結婚候補だとしても、なぜ春久について事前に共有しなかったのか知りたい。はぐらかされるかもしれないが、それはそれでいい。また新たな疑念が生まれるから、次はそこから切り込める。
思考に老ける落葉の視界の左端に、里で唯一の学校が見えた。建物を囲う最近塗り直したらしい灰色の金網が側溝に沿って続いているが、子供でも昇れる高さしかなく、侵入防止というよりボールの類の道路への飛び出し防止を目的としているようだ。校庭に子供の姿はない。遠目に見ても老けている二人の男女が、校舎のそばの花壇で談笑していた。
足を止めずに三階建ての校舎を眺める。一階と二階の教室の窓に、生徒達の横顔を確認できた。表情は朗らかだ。耳を澄ませば笑い声もかすかに聞こえる。
正門の奥にある校舎の三階部分に巨大なアナログ時計があった。時刻は九時の手前を示していて、合点がいった。まだ生徒達はホームルームの時間なのだ。だからワイガヤしていても厳しく咎められていない。
――普通の学校だ。
生徒数が少なく、小学生中学生高校生が同じ校舎に通っている以外はありきたり。
在籍する生徒が誰かの身代わりになって突然来れなくなる。そんな出来事が稀にあるけれども、他に学校生活に特筆すべき点はない。高校三年生になっても進路相談は行われず、誰もが社会での自分の役目を理解している達観した子供ばかりだが、学校にいる間は里の外にいる同年代の子供と変わらない。
普通の生徒が通う普通の学校。落葉は正門の前で立ち止まり、門から広がる校庭と校舎、青空を観察する。別段、学校に用があったわけではない。散歩のコースとしてたまたま選んだだけ。
たまたま、久川と春久の辞めた学校を見たくなった。
「何をされているんですか?」
斜め後ろから聞こえた声が自分に向けられているとわかり、思わず落葉は苦笑する。おそらく不審者だと思われたのだ。学校の前なんかをうろついていたから。
振り返ると華奢な女性が訝しげな眼差しを向けていた。落葉のように派手ではないが、パンツスタイルのスーツを着込んでいる。ジャケットまで着ているあたりも格好が一致していた。紫外線の熱が落葉の額に汗を滲ませているように、その女性もまた生え際がじんわりと湿っている。
「警察の方ですか?」
それほど不思議な確認ではないはずだが、女性は不可解な様子で首を傾げた。
「ここには警察なんていませんよ」
言った直後に閃いたらしく、女性は少し間抜けな表情を見せる。
「もしかして柊落葉さんですか? 一週間前に入った」
「ああ……つまり、あなたも管理者なんですね」
視線に混ざっていた敵意を取り除き、女性は相槌を打つ。
「高井といいます。柊さんは久川さんのサポートを担当されているんでしたよね?」
「ええ、そうです。一週間も経つのに自宅と彼女の家の周りと商業区以外はほとんど歩いていなかったので、少し散歩のお時間をいただいて見て回っているんですよ」
「熱心なんですね」
嫌味のある言い方にも聞こえそうだが、感情が篭っていなかった。こう言われたら、こう答える。まるで機械のような無機質な声色で、落葉には彼女の心境が掴めない。
「高井さんはここで何をされているんですか?」
「警備です。里には警察がいないから、治安を守るのも管理者の仕事だと説明を受けませんでしたか?」
「そういえば初日に聞きました。いけませんね。先ほどの確認は癖というか、これまでの常識だと学校の前で声をかける人は大抵警察だと思い込んでいましたので」
「慣れるまではもう少し時間がかかりそうですね。ここは特殊ですから」
「高井さんはパトロールを?」
「いえ、私の仕事は〝ソコ〟の見張りです」
顎で示された場所には変哲のない一軒家が建っている。学校の金網とは道路を隔てた反対側だ。広い庭は芝生で埋め尽くされ、植物を育てているわけでもなければ、子供のための遊具が置かれてもいない。二階建ての住居は外観も新築と遜色なく、人が住んでいる気配が希薄だ。
「見張りが必要なほど大事なものでもあるんですか?」
「考えてみてください。私たちにとって大事なものは一つだけのはずです」
「一つ……であれば、そのなかに?」
「いまは誰もいません」
感情が希薄なのに、含みを持たせて質問を誘う会話の運び方にチグハグさを感じる。喋りづらい相手だ。落葉は早々に失礼したかった。反面、彼女から知らない情報を聞き出したい欲も捨てきれない。
影武者を閉じ込める制度があるなど、落葉には初耳だった。
「そういうことですか。高井さんのおかげで、謎がひとつ解けました」
「謎といいますと?」
「里のなかって外の世界とは違うことが多いじゃないですか。警察だっていないわけですし。でも、ボクにとって一番わからなかったのは影武者関係です。依頼があれば命を差し出す覚悟を誰もが持っています。それはいいでしょう。未来があるべき子供たちに役目を押し付けてしまう心苦しさはありますが、立派な生き方だとも感じます」
ですが、と落葉は一呼吸を置く。
「いくら素晴らしく価値のある命の使い方と説いても、納得できずに逃げ出してしまう人がいてもおかしくはありません。むしろ自然です。何百年も綿々と受け継がれてきた影武者の歴史の一部――この時代においても、数十人も影武者がいれば一人くらいは反旗を翻しそうなものです。なのに、脱走した人を、あるいは脱走しようとして失敗した人をどうするかは聞いていませんでした」
「そうでしたか。ですが、おわかりでしょう?」
「ええ、そうですね」
落葉が喋り終える寸前、脱走者を閉じ込める牢屋の玄関が開いた。
『いまは誰もいない』とは嘘だったのか。反射的に生まれた疑念は、しかし一瞬で消え失せた。
建物から出てきたのは影武者ではなかった。ネクタイを首元まで絞めた真面目そうな男だ。年齢は三十過ぎくらいか。多くのストレスを乗り越えてきた顔つきだった。きっと真面目だから、人より苦労が多いのだ。その事実を知っても、真面目であるがゆえに生き方は変えられない。そんなことを日常的に懊悩していそうな男は、やはり落葉の同僚であった。
「柊落葉さんですね」
名乗ってもいないのに名前を知られていても、もはや驚きはしない。落葉は相手の名前を知らないが、興味もない。彼の名前を知って利益があるわけでもない。
「そうですが、なにか?」
「お知らせしておきたいことが。私も今しがた天音さんからの電話で知ったんですが、庭先に柊さんがいるから知らせてやれと言われまして」
首を回して、付近の電柱に視線を巡らす。電線より少し低い位置に太陽光を反射するレンズを見つけ、落葉は事情を察した。脱走者を監禁する場所ならば監視カメラぐらい置くものだ。いまもまだ、天音はカメラが中継する映像越しに見ているかもしれない。
注意だろうか。あまり久川のそばを離れるな、妙なことを吹き込むなよ、とか。それとも落葉がどこにいるかを把握していると脅したいのか。もしも怪しい行動をとれば、然るべく対処できると。であれば、注意ではなく警告か。
「春久小太郎さんが、派遣先の国で亡くなりました」
あまりに見当違いの想像を巡らせていたせいで、男の報告を理解するまでに五秒ほど要した。虫の羽音や風の吹く音、遠くで子供が騒ぐ声がごちゃまぜになった雑音にしか聞こえなかった男の声を、落葉の脳が五秒間をかけて意味のある言葉に変換した。
一週間前に務めを果たすべく出発した春久が亡くなったと言った。
久川を嫌っていた彼が死んだと、目の前の男は確かにそう言ったのだ。
自動車の往来も少なく、落葉以外に歩行者が見当たらない平日の昼前。紫外線の暑さを感じながら歩く彼の耳には、久川の声が張り付いている。
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どういうつもりで彼女を嫌っているなんて告白をしたのか。落葉のなかに答えがあるはずもなく、行き場のない疑問は宙を漂うばかり。
なぜ?
管理者側が欲しているのは彼女の恋人だ。彼女にとっても急に現れた異性より、同じ立場として色んな感情を共有した彼のほうが好感を持てるはず。相手が落葉である必要性なんて微塵もない。久川に付き合いのある異性がいる事実を、天音は一度も落葉に話さなかった。あえて隠しているように感じたから、密かに落葉は尋ねたのだ。既に結婚候補がいるなら、自分を里に連れてきた理由は別にある。そう考えていたのに、落葉の予想は全くの見当違いだった。
やはり自分を連れてきた理由が結婚候補だとしても、なぜ春久について事前に共有しなかったのか知りたい。はぐらかされるかもしれないが、それはそれでいい。また新たな疑念が生まれるから、次はそこから切り込める。
思考に老ける落葉の視界の左端に、里で唯一の学校が見えた。建物を囲う最近塗り直したらしい灰色の金網が側溝に沿って続いているが、子供でも昇れる高さしかなく、侵入防止というよりボールの類の道路への飛び出し防止を目的としているようだ。校庭に子供の姿はない。遠目に見ても老けている二人の男女が、校舎のそばの花壇で談笑していた。
足を止めずに三階建ての校舎を眺める。一階と二階の教室の窓に、生徒達の横顔を確認できた。表情は朗らかだ。耳を澄ませば笑い声もかすかに聞こえる。
正門の奥にある校舎の三階部分に巨大なアナログ時計があった。時刻は九時の手前を示していて、合点がいった。まだ生徒達はホームルームの時間なのだ。だからワイガヤしていても厳しく咎められていない。
――普通の学校だ。
生徒数が少なく、小学生中学生高校生が同じ校舎に通っている以外はありきたり。
在籍する生徒が誰かの身代わりになって突然来れなくなる。そんな出来事が稀にあるけれども、他に学校生活に特筆すべき点はない。高校三年生になっても進路相談は行われず、誰もが社会での自分の役目を理解している達観した子供ばかりだが、学校にいる間は里の外にいる同年代の子供と変わらない。
普通の生徒が通う普通の学校。落葉は正門の前で立ち止まり、門から広がる校庭と校舎、青空を観察する。別段、学校に用があったわけではない。散歩のコースとしてたまたま選んだだけ。
たまたま、久川と春久の辞めた学校を見たくなった。
「何をされているんですか?」
斜め後ろから聞こえた声が自分に向けられているとわかり、思わず落葉は苦笑する。おそらく不審者だと思われたのだ。学校の前なんかをうろついていたから。
振り返ると華奢な女性が訝しげな眼差しを向けていた。落葉のように派手ではないが、パンツスタイルのスーツを着込んでいる。ジャケットまで着ているあたりも格好が一致していた。紫外線の熱が落葉の額に汗を滲ませているように、その女性もまた生え際がじんわりと湿っている。
「警察の方ですか?」
それほど不思議な確認ではないはずだが、女性は不可解な様子で首を傾げた。
「ここには警察なんていませんよ」
言った直後に閃いたらしく、女性は少し間抜けな表情を見せる。
「もしかして柊落葉さんですか? 一週間前に入った」
「ああ……つまり、あなたも管理者なんですね」
視線に混ざっていた敵意を取り除き、女性は相槌を打つ。
「高井といいます。柊さんは久川さんのサポートを担当されているんでしたよね?」
「ええ、そうです。一週間も経つのに自宅と彼女の家の周りと商業区以外はほとんど歩いていなかったので、少し散歩のお時間をいただいて見て回っているんですよ」
「熱心なんですね」
嫌味のある言い方にも聞こえそうだが、感情が篭っていなかった。こう言われたら、こう答える。まるで機械のような無機質な声色で、落葉には彼女の心境が掴めない。
「高井さんはここで何をされているんですか?」
「警備です。里には警察がいないから、治安を守るのも管理者の仕事だと説明を受けませんでしたか?」
「そういえば初日に聞きました。いけませんね。先ほどの確認は癖というか、これまでの常識だと学校の前で声をかける人は大抵警察だと思い込んでいましたので」
「慣れるまではもう少し時間がかかりそうですね。ここは特殊ですから」
「高井さんはパトロールを?」
「いえ、私の仕事は〝ソコ〟の見張りです」
顎で示された場所には変哲のない一軒家が建っている。学校の金網とは道路を隔てた反対側だ。広い庭は芝生で埋め尽くされ、植物を育てているわけでもなければ、子供のための遊具が置かれてもいない。二階建ての住居は外観も新築と遜色なく、人が住んでいる気配が希薄だ。
「見張りが必要なほど大事なものでもあるんですか?」
「考えてみてください。私たちにとって大事なものは一つだけのはずです」
「一つ……であれば、そのなかに?」
「いまは誰もいません」
感情が希薄なのに、含みを持たせて質問を誘う会話の運び方にチグハグさを感じる。喋りづらい相手だ。落葉は早々に失礼したかった。反面、彼女から知らない情報を聞き出したい欲も捨てきれない。
影武者を閉じ込める制度があるなど、落葉には初耳だった。
「そういうことですか。高井さんのおかげで、謎がひとつ解けました」
「謎といいますと?」
「里のなかって外の世界とは違うことが多いじゃないですか。警察だっていないわけですし。でも、ボクにとって一番わからなかったのは影武者関係です。依頼があれば命を差し出す覚悟を誰もが持っています。それはいいでしょう。未来があるべき子供たちに役目を押し付けてしまう心苦しさはありますが、立派な生き方だとも感じます」
ですが、と落葉は一呼吸を置く。
「いくら素晴らしく価値のある命の使い方と説いても、納得できずに逃げ出してしまう人がいてもおかしくはありません。むしろ自然です。何百年も綿々と受け継がれてきた影武者の歴史の一部――この時代においても、数十人も影武者がいれば一人くらいは反旗を翻しそうなものです。なのに、脱走した人を、あるいは脱走しようとして失敗した人をどうするかは聞いていませんでした」
「そうでしたか。ですが、おわかりでしょう?」
「ええ、そうですね」
落葉が喋り終える寸前、脱走者を閉じ込める牢屋の玄関が開いた。
『いまは誰もいない』とは嘘だったのか。反射的に生まれた疑念は、しかし一瞬で消え失せた。
建物から出てきたのは影武者ではなかった。ネクタイを首元まで絞めた真面目そうな男だ。年齢は三十過ぎくらいか。多くのストレスを乗り越えてきた顔つきだった。きっと真面目だから、人より苦労が多いのだ。その事実を知っても、真面目であるがゆえに生き方は変えられない。そんなことを日常的に懊悩していそうな男は、やはり落葉の同僚であった。
「柊落葉さんですね」
名乗ってもいないのに名前を知られていても、もはや驚きはしない。落葉は相手の名前を知らないが、興味もない。彼の名前を知って利益があるわけでもない。
「そうですが、なにか?」
「お知らせしておきたいことが。私も今しがた天音さんからの電話で知ったんですが、庭先に柊さんがいるから知らせてやれと言われまして」
首を回して、付近の電柱に視線を巡らす。電線より少し低い位置に太陽光を反射するレンズを見つけ、落葉は事情を察した。脱走者を監禁する場所ならば監視カメラぐらい置くものだ。いまもまだ、天音はカメラが中継する映像越しに見ているかもしれない。
注意だろうか。あまり久川のそばを離れるな、妙なことを吹き込むなよ、とか。それとも落葉がどこにいるかを把握していると脅したいのか。もしも怪しい行動をとれば、然るべく対処できると。であれば、注意ではなく警告か。
「春久小太郎さんが、派遣先の国で亡くなりました」
あまりに見当違いの想像を巡らせていたせいで、男の報告を理解するまでに五秒ほど要した。虫の羽音や風の吹く音、遠くで子供が騒ぐ声がごちゃまぜになった雑音にしか聞こえなかった男の声を、落葉の脳が五秒間をかけて意味のある言葉に変換した。
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