【完結】地味子は腹黒王子に溺愛され同居中。〜学校一のイケメンが私にだけ見せる本当の顔〜

綴詩翠

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自覚と恐怖、そしてあふれるほどの愛してる。

皇兄

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皇兄


───────────────









時は過ぎ……




「優羽久しぶり~!夏休み中に3回会ったけど……最後にあってからは2週間くらい?もう2学期だね~」




「ふふ、そうだね、詩乃ちゃんおはようっ」




そう、2学期がやってきた。




1学期は無事、首席のまま終えることができ、夏休みは、聖那さんはもちろん、詩乃ちゃんや牙央くんともショッピングへ行ったりしてとても楽しい日々を過ごせた。




でも教室を見渡すと、1学期にAクラスじゃなかった子が何人かいる。




誰かクラス落ちちゃったんだ……。




本当に成績で全てが決まるんだと実感し、改めて気を引きしめる。




「おはよ~優羽っ。ああこの安定の可愛さ癒される~、ねっ弓波?……って、コイツどうしたの」




落ち込んだ様子の牙央くんを見て、詩乃ちゃんが尋ねてくる。




実は、昨日のお夕飯が牙央くんの大好物の春巻きだったんだけど、やっぱり聖那さんと取り合いになっちゃって、いつもみたいにじゃんけんをしたら……




牙央くんが負けてしまったのだ。




相当落ち込んでて、朝になったら機嫌が直るかと思ってたんだけど……私の思っている以上にショックだったみたい。




でも、毎日お夕飯を一緒に食べてるって言ったら、聖那さんと一緒に住んでいることもバレちゃうかもだし……。




「えっ、えっと……お、お気に入りのハンカチを無くしちゃったみたいで……」




「えっ、そんなことで落ち込んでるの?」




牙央くんごめんねっ、詩乃ちゃんに変な印象持たれちゃったみたい……。




牙央くんに耳打ちで、




「今度牙央くんにだけ作ってあげるから、機嫌直して!」




と言ったら、牙央くんがバッと顔を上げた。




すると牙央くんはとても満足そうな顔をしていた。




機嫌直ったみたい、よかった。




ほっと胸を撫で下ろす。




「あれ、なんか機嫌戻ったじゃん。今優羽なんて言ったの?」




「え?え~っと……」




咄嗟に言い訳が思いつかず戸惑っていると。




「はは~ん?私には言えない、と……もしかして2人……へぇ、ふ~ん?」




「し、詩乃ちゃん?違うからね?」




「何が違うの?私まだ何も言ってないんだけどな~」




詩乃ちゃんがニヤニヤとこちらを見てくる。




絶対何か誤解してるよ~……。




私は牙央くんに助けを求める。




「違うよね、牙央くんっ?ねっ?」




でも、牙央くんもこの状況を楽しんでいて。




「何が違うんだ?俺も優羽のこと好きだぞ?」




「なっ……」




そんなこと言ったらさっき私が好きって言ったみたいじゃん!




「私好きなんて言ってないよ!俺“も”って何、も~って!」




「ははっ」




「優羽顔赤くしちゃって可愛い~」




そこで気がつく。




はっ………2人にからかわれたっ。




私が恥ずかしさにわなわなしていると、廊下の方が何やら賑やか。




あ、これは……。




教室のドアの方に目を向けると、そこには聖那さんの姿が。




やっぱり。




「小戸森優羽チャンに会いに来たんだけど……あ、いたいた」




聖那さんはそう言って手招きしてくる。




牙央くんは隣で舌打ちをしている。




生徒会長モードの聖那さん、久しぶりに見たな……。




そう思う気持ちと、目立つことはやめて欲しいな……という気持ちが心の中で混ざる。




でも、聖那さんは歩いてるだけで目立っちゃうから仕方ないか……。




「聖那さん、どうしたんですか?」




「今日生徒会室に1回来てもらうことになったから、それを伝えておこうと思って。ああ、ただの見学だから安心して?」




見学……生徒会室、見てみたい!




「はい!あ、でも……私前の食堂の時、失礼な態度とっちゃいましたよね?生徒会の方に悪い印象持たれてないといいんですけど……」




これは本当に心配。




男性恐怖症のせいとは言え、挨拶もなしにその場を去ったのは失礼だったかなと、ずっと気にしていた。




「そのことなら大丈夫だよ、あの時のことは仕方なかったんだから。それに、みんな優羽チャンが男性恐怖症ってことは把握しているから」




久々のちゃん呼び……って、




やっぱり眩しいっ。




聖那さんの後ろから光が見える。




でも、見慣れてしまったからか、私は“家”にいる時の聖那さんの方がいいな、と最近は思っている。




とりあえず、生徒会の方に悪い印象を持たれていないのなら一安心。




「じゃあ、16時半前に迎えに来るから、待っててね」




聖那さんはそう言って微笑む。




それを見ていた女子生徒がキャー!と声を上げる。




実際、私も心の中で叫んでいた。




その笑顔、ずるいです……っ




あの笑みに惚れない子なんて、いないよ……。




……あれ、待って。




私、今……何を思って……。




ボンッと顔が熱くなる。




「あれ、優羽チャン?大丈夫?」




「あっ、だ、大丈夫ですっ。なので、私、戻りますね……!」




そう逃げるように言って、牙央くんたちの元へと戻った。




すると、私が聖那さんと話していたことが気に食わなかったのか、牙央くんの機嫌がまた悪くなっちゃって、キスしたら直るって言ってくるから詩乃ちゃんの後ろに隠れていた……っていうのは、聖那さんには秘密。




────────




そして、約束の時間の16時半前に、聖那さんは教室を訪れた。




「優羽チャン、行こっか」




「はい」




最近、教室の中や廊下を歩いていて、気になることがある。




私への陰口が増えてきた気がする。




『なんであんな子が神代くんとつるんでるの?』


『見て、弓波くんとも歩いてるんだけど。もしかして見せつけ?』


『私の方が可愛くない?なんで神代くんはあの子なんかに……』




っていう声があるんだけど……




いや、本当に、私もそう思う。




ただでさえ地味な私をもっと地味な姿にしたのに、なんで好きとか愛してるとか……私より可愛い子、もっといるよ?




きっと聖那さんの甘い言葉は、本気じゃないんだろうな。




だって、出会って1日で好きだなんて、そんな奇跡みたいなこと、私に起こるわけない。




会ったのは初めてじゃないみたいな言い方を前してたけど、私覚えてないし……。




そう自分で思い、胸が痛む。




分かりきっていることなのに、もしそれが本当ならって、思ってしまう。




この感情の名前はとっくに気づいているけど、私なんかが……とはっきり口に出すのが怖い。




牙央くんだって……おかしいよ。




みんな、どうしちゃったの……?




そう思っていると、生徒会室に到着した。




わぁ……豪華な扉……。




どこの豪邸かと思ってしまうくらい存在感のある大きな扉。




ここが、生徒会室……。




「優羽、入るぞ」




いつの間にか、“聖那さんはいつもの”口調に戻っていた。




聖那さんによって扉が開けられる。




中には、現生徒会の方たちが。




各自仕事をしているようで、その姿は気品にあふれていた。




でも、1人だけソファに寝転がっている人が。




「お前ら、一旦仕事やめろ」




聖那さんが会長らしく声をかける。




すると、生徒会の方々はサッと手を止める。




……そういえば、聖那さん今、いつもの口調で話したような……?




生徒会の方たちは、聖那さんの“コッチの顔”のこと、知ってたんだ……。




「来たみたいだな」




「うわ~、いかにもガリ勉って感じの子だね~」




「こんにちは」




うわ、個性あるなぁ。




みなさん整った顔立ちだから見惚れてしまっていると、聖那さんが肘でクイッと突いてきた。




あっ、挨拶しないと!




「こ、こんにちはっ。初めまして……じゃないですよね、1年Aクラスの首席、小戸森優羽ですっ。今日は皆さんの見学をさせていただきます、よろしくお願い
しますっ」




ちょっとだけ噛んじゃった……。




「そんなに緊張しないでも大丈夫よ。あ、マカロンあるんだけど、食べる?」




すごく優しく声をかけてくれたのは、会計の皇惺蘭先輩。




えっ、マカロンがあるの!?




と思わず目を輝かせる。




その様子を見ていた先輩は、私に手招きをしてくれる。




マカロンにつられ、先輩の元へ向かう。




「はい、あ~んっ」




先輩にあ~んで食べさせてもらう。




「んんっ……わっ、すっごく美味しいですっ!」




「でしょ~?私もここのお店のマカロン、すごく好きなの」




……あ、そういえば。




「あの……皇先輩って、双子ですよね?名前って、どうお呼びしたら……?」




そう聞くと、先輩はああ!とでも言うように手をポンッと叩いて。




「そうだった、じゃあ私のことは惺蘭でいいよ。兄のことは瑠依で!」




「はい……!」




惺蘭先輩と、瑠依先輩。




心の中でそう呟く。




今顔が見える方は全員食堂にいた人と一緒だから、あのソファで寝てるのが瑠依先輩かな?




「優羽、お前……」




聖那さんが口を開く。









「そこいて大丈夫なのか……?」




そこって……




周りを見渡すと、男の人が1人、2人……4人!?




慌てて聖那さんの元へ駆け寄る。




「やっぱり無理じゃねぇか。マカロンにつられるな、周りをちゃんと見ろ」




「はい、ごめんなさい……」




その様子を疎ましく見ていた人がいたとは、その時の私は気づかなかった。




「ああ……えっと、小戸森さん?来てくれたばっかりで申し訳ないんだけど……私たち学園長に呼ばれているの。少しだけそこの瑠依と待っててもらってもいい?」




寝ている瑠依先輩を指さしながらそう言ったのは副会長の成川先輩。




「優羽、無理はしなくていい」




聖那さんは心配してくれている。




瑠依先輩と2人きり……ちょっと不安だけど、寝てるし……きっと大丈夫!




「はいっ、私は全然大丈夫ですよ」




「ごめんなさい、では行ってくるわね」




そうして、聖那さんを含めた6人の生徒会の方が生徒会室を出ていった。




「「…………」」




生徒会室に流れる沈黙。




これからどうして待ってようかな……。




生徒会室を見て回ってもいいかな、と思っていると、瑠依先輩が目を覚ました。




お、おおお起き!?




予想外の出来事に体が固まる。




「……ん、あんた、誰」




シュンっと瞬間移動でもしたかのようなスピードで距離を置き、瑠依先輩の質問に答える。




「あああのっ、ここ小戸森優羽と申しますっ。生徒会の皆さんの見学に来ましたっ」




私声震えすぎ……っ




でも、瑠依先輩はそのことに疑問を持たなかったみたいで。




「……そう」




とだけ言って、立ち上がる。




どこに行くのかな、と見ていると、生徒会室の奥の部屋へ向かっているようだった。




着いていってもいいかな……。




恐怖心を持ちながらも、奥に何があるのか気になって、後をつける。




瑠依先輩が部屋に入ってから中を覗くと、そこにはグランドピアノがあった。




瑠依先輩が美しい音色を奏でる。




わっ……すごい……!




すっかり聞き惚れていると、いつの間にか演奏は終わっていて、瑠依先輩に覗いていることがバレた。




「……あんた、何してんの」




気づけば瑠依先輩は私の目の前にいて。




「わあっ!?え、えっと……ピアノがお上手で、と、とっても感動しました!瑠依先輩は、音楽が大好きなんだなと……」




なぜか、この時は恐怖心がなかった。




瑠依先輩は、私の言葉に目を見開く。




どうしたのかな……?




「俺が、音楽が大好き?」




「?はい……ピアノの音色を聞いていたらすぐに分かりました。ああ、この音は多分、音楽が大好きな人にしか弾けないなって」




音楽に詳しいわけじゃないけど、それだけは分かった。




すると、瑠依先輩は少しだけ笑い、私の目の前にしゃがんで言った。




「………あんた、面白いね」




その時もなぜか、体は震えなかった。




無気力だから動きがゆっくりで、男の人らしくない、とか?




それは失礼かな……いや、それよりも。




「……え、面白い、ですか?」




「うん」




どこが面白かったんだろう……?




ずっと考えていると、瑠依先輩がワケを話してくれた。




「俺には、感情がほとんどないんだ。好きなものだって何も無い」




感情がないって……それに好きなものが何も無い?




じゃあ、さっきのピアノは?




色々な疑問が頭に浮かぶ。




「勉強だって、俺家が結構金持ちだから惺蘭に悪い成績はとるなって言われてやってたら、いつの間にか生徒会に入ってた」




いつの間にか生徒会って、すごくない?




天性のものなのかな、と少し羨ましく思う。




無表情で話を続ける瑠依先輩。




でも、一瞬悲しそうに見えた?




そう思っていたら、瑠依先輩は言った。




「そんな俺を、みんなは気味悪がって避ける。あんたにも逃げられると思ってた。実際さっき、すごい早く逃げたし。でも、それは違った。俺のピアノを聞いて、感動したって言ってくれた。今までそんな人、生徒会以外に1人もいなかったのに」




瑠依先輩が、気味悪い……?




「気味悪くなんて、ありません!むしろ、瑠依先輩は好きなものを美しく人に見てもらうことが出来る、すごい方だと思いますっ!」




「!……やっぱり、面白い」




そして、だいぶ間を置いて瑠依先輩はこう言った。




「俺……作曲家になる」




「えっ、急ですね……!?でも、すっごく似合ってると思いますっ」




そこで私は、聖那さんたちと同じように瑠依先輩のことも怖いと思っていないことに気がつく。




牙央くんに聖那さん、そして瑠依先輩。




世の中、悪い男の人ばかりじゃない。




たくさんのいい人が、こんなにも近くにいる。




と、男性恐怖症に対して少し前向きになる。




前を向こうとしているのは瑠依先輩も一緒。




「俺に音楽が好きだって気づかせてくれて、夢を見つけてくれてありがとう、優羽」




「っ!………いいえ、前を向けたのは瑠依先輩自身の力ですよ。作曲家っていう夢、応援しますっ!」




「うん、ありがとう」




瑠依先輩と仲良くなれたところで、聖那さん達が帰ってきた。




「あれ、瑠依起きたんだ!おはよう~」




小野瀬先輩が可愛らしく言う。




「え、瑠依が人と話すなんて、めずらし」




妹の惺蘭先輩は驚いている。




人と話すこと自体が珍しいの!?




そのことに驚いていると、聖那さんがこっちへ向かってくる。




「優羽、瑠依のこと怖くねぇの?てか距離近い」




そう言って私を引き寄せる。




っ……急な不意打ちは心臓に悪い……。




それにこんなに人目のあるところで、しかも生徒会の方の前でこんなことをされては、とても恥ずかしい。




早く帰りたいと思っていると。




「なんで。付き合ってるわけじゃないんでしょ?俺と話してたっていいじゃん」




私の手を掴んで瑠依先輩が聖那さんに対抗する。




いや、待って瑠依先輩。




付き合ってるって、そんなわけないのに……周りからはそんな風に見えてるの!?




恥ずかし過ぎて死んじゃいそう……。




聖那さんは瑠依先輩の手を私の手から引き離して。




「まだ付き合ってないだけ。だろ?」




こっちに同意を求められても……!




返答に困っていると、瑠依先輩がまた私の手を掴んで言った。




「ほら、聖那が無理やり言わせようとするから、優羽困ってる。やめてあげなよそういうの、嫌われるよ」




「無理やりなんかじゃねぇ。てか手え離せ」




「やだ」




2人が睨み合う。




ああ、この聖那さんと牙央くんの言い合い感。




これ以上言い合いの相手見つけないでいいですよ、聖那さんっ。




「瑠依先輩も聖那さんも、やめてくださいっ」




「瑠依先輩?」




あ~っ、名前呼びに反応しちゃった……今日もこれから聖那さんの機嫌直しが始まる……。




詩乃ちゃん、助けてっ!




そう思ってしまうくらい、新学期早々、大波乱の予感です……!?



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