Hate or Fate?

たきかわ由里

文字の大きさ
93 / 233

23-6

しおりを挟む
 そこから続く、各メンバーからのベルノワールに入ってどんな印象か、とか、好きな曲はどれ、なんかの質問。宵闇からの質問は「好きなアーティストは?」だった。「本間大嗣さん」って答えた後の沈黙は筆舌に尽くしがたい。ツイッターで本間さんの素晴らしさを語ってやるしかねぇな。
 綺悧が、俺がいろんなアーティストのサポートをやってることも伝えてくれる。ツイッターでその情報もツイートするから、フォローして下さいね、とも。上手い具合にフォロワー増に繋がるようにしたな。
 俺の話題が終わると、ライブの告知。Monster's Foolish Nightと来月の2days。
「夕、布団入ってもいか?」
「は?」
 何を突然言い出したか、この男は。
「冷えないか?」
「あー、ちょっと肌寒いな」
「布団かぶる」
 そう言って、宵闇は布団に潜り込む。お前、俺んち来るの2回目だぞ。ま、俺は初回であいつのベッド陣取ったし、いいか。許そう。
 綺悧は慣れた感じで進行を務める。実際に収録してる時は何とも思わなかったけど、客観的にこうやって聞くとまた感じが違うな。綺悧は素の可愛いキャラを程よく生かして明るいトークでやってる。
 朱雨はそれに茶々を入れる役。礼華は2人から振られると、穏やかに答える。
 宵闇は、あんまり話さない。大事なところだけ押さえる感じだ。
 なかなかバランスいいな。俺の立ち位置はこんな感じでいいのかな。右も左もわからなかったから、今回は聞かれることにだけ答えてたけど。そのうち、メンバーともっと近付ければ、自然に立ち位置も決まるだろう。
「夕、寒くないか?」
 宵闇が俺の服の裾をひっぱる。寒がりだな、こいつ。俺はビール呑んだからそこまで寒くはない。けど、ちょっと足元冷えるな。靴下脱ぐんじゃなかった。
「足冷えて来たわ」
「入れよ」
「こたつかよ」
 宵闇にデコピンして、俺も足をこたつ…じゃない、ベッドにつっこむ。
 ライブの告知が済むと、リリース情報。シングルの発売日は11月6日。それにくっ付いて、インストアイベント東名阪の強行軍のお知らせ。
「この日程キツいよなぁ。東京はいいけど、大阪名古屋同日って」
 大阪は10時開始、名古屋は16時開始だ。かなりハードな一日になりそうだ。ただでさえ、ファンとのコミュニケーションなんかしたことなんかないから、この2日でだいぶ消耗する予感がする。
「そこしか日程取れなかったからな」
「まぁ、俺んとこなんかそんなファン来ないよな」
 インストアイベントの内容は、一部がトークライブ、二部がチェキ&サイン会だ。各地限定された人数しか入場できないし、二部はメンバー一人しか選べない設定だから、他のメンバーよりは楽に違いない。
「どうだろうな? お前、綺麗だから」
「き…」
 綺麗? 俺が? 知らん。でも、顔ファンを差別する気はないよ。そういう部分が大きいジャンルでもあるし、そこから俺のプレイを好きになってくれたり、俺を通して音楽そのものを好きになってくれるかもしれないしな。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

三十六日間の忘れ物

香澄 翔
ライト文芸
三月六日。その日、僕は事故にあった――らしい。 そして三十六日間の記憶をなくしてしまった。 なくしてしまった記憶に、でも日常の記憶なんて少しくらい失っても何もないと思っていた。 記憶を失ったまま幼なじみの美優に告白され、僕は彼女に「はい」と答えた。 楽しい恋人関係が始まったそのとき。 僕は失った記憶の中で出会った少女のことを思いだす―― そして僕はその子に恋をしていたと…… 友希が出会った少女は今どこにいるのか。どうして友希は事故にあったのか。そもそも起きた事故とは何だったのか。 この作品は少しだけ不思議な一人の少年の切ない恋の物語です。 イラストはいもねこ様よりいただきました。ありがとうございます! 第5回ライト文芸大賞で奨励賞をいただきました。 応援してくださった皆様、そして選考してくださった編集部の方々、本当にありがとうございました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

神様の住まう街

あさの紅茶
キャラ文芸
花屋で働く望月葵《もちづきあおい》。 彼氏との久しぶりのデートでケンカをして、山奥に置き去りにされてしまった。 真っ暗で行き場をなくした葵の前に、神社が現れ…… 葵と神様の、ちょっと不思議で優しい出会いのお話です。ゆっくりと時間をかけて、いろんな神様に出会っていきます。そしてついに、葵の他にも神様が見える人と出会い―― ※日本神話の神様と似たようなお名前が出てきますが、まったく関係ありません。お名前お借りしたりもじったりしております。神様ありがとうございます。

椿の国の後宮のはなし

犬噛 クロ
キャラ文芸
架空の国の後宮物語。 若き皇帝と、彼に囚われた娘の話です。 有力政治家の娘・羽村 雪樹(はねむら せつじゅ)は「男子」だと性別を間違われたまま、自国の皇帝・蓮と固い絆で結ばれていた。 しかしとうとう少女であることを気づかれてしまった雪樹は、蓮に乱暴された挙句、後宮に幽閉されてしまう。 幼なじみとして慕っていた青年からの裏切りに、雪樹は混乱し、蓮に憎しみを抱き、そして……? あまり暗くなり過ぎない後宮物語。 雪樹と蓮、ふたりの関係がどう変化していくのか見守っていただければ嬉しいです。 ※2017年完結作品をタイトルとカテゴリを変更+全面改稿しております。

視える僕らのシェアハウス

橘しづき
ホラー
 安藤花音は、ごく普通のOLだった。だが25歳の誕生日を境に、急におかしなものが見え始める。    電車に飛び込んでバラバラになる男性、やせ細った子供の姿、どれもこの世のものではない者たち。家の中にまで入ってくるそれらに、花音は仕事にも行けず追い詰められていた。    ある日、駅のホームで電車を待っていると、霊に引き込まれそうになってしまう。そこを、見知らぬ男性が間一髪で救ってくれる。彼は花音の話を聞いて名刺を一枚手渡す。 『月乃庭 管理人 竜崎奏多』      不思議なルームシェアが、始まる。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました

専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。

処理中です...