16 / 38
十六、港町食べ歩き~ニナと一緒
しおりを挟む
「さあさあ勉強の続きよ!」
私が促すとニナは照れながらも続けてくれる。
「えっと……シレーネは港町なので、異国の人や商人たちのおかげで賑わって見えるんだと思います。いろんな国の文化が混ざり合っていますから」
「つまりいろんな国の食べ物も集まっているのね」
結局私の発想は食べ物よりになってしまうけれど、ここでならいろんな国の料理が食べられるという解釈でいいのよね?
「そうですね。いろんな国の料理が食べられますよ」
ニナは私の望んだ答えをくれた。
私、本当に素晴らしい旦那様に見つけてもらえたのね。生まれ変わってこんなに素敵な旦那様に巡り会えるなんて!
「はあ……」
「奥様、お疲れですか?」
「失礼、誤解させてしまったわね。あちこちからいい香りがするなと思っていたのよ」
ソースの香、油の香。肉汁に、油が跳ねる音。ここに美味しいものがあるよと手招きされているみたいだ。
「ちょっ、ちょっとニナ! あ、あれ、あれって、あの人が食べているの、イカの串焼き!?」
確認を取りつつも私はすでに確信していた。イカのフォルムは特徴的だ。それを串に刺し、こんがりと表面を焼いたもの。見間違えるはずがないと私の記憶が訴えている。
「なんて美味しそうなものを売っているのよ!」
私は興奮気味にニナの腕をひっぱった。そんな私よりも年下のニナの方がよほど大人っぽく見えただろう。
「この辺りには屋台も多いですからね」
「そうなの!?」
「急ぐ人も多いので、手軽に食べられる料理は人気なんです」
「後学のためにも堪能して帰らないといけないわね!」
「ふふっ、何から召し上がりますか?」
広い通りに差し掛かると左右共に屋台がひしめき合っている。品揃えを目で追うと、ニナの言う通り手軽に食べられるものが多いという印象だ。
「イカの串焼き、買ってきましょうか?」
「そうね……」
私は歩きながら真剣に屋台の顔ぶれを眺めた。
串に刺さった肉やソーセージはこんがりと焼き上げられ、数種類の鍋に汲み分けられたスープ。魚を串に刺して丸々と焼き上げた店もある。片手でも食べられそうなパンに麺類、カットされたフルーツにアルコール。それにデザートの類……
物凄く迷うっ!!
そして自らの胃袋と熱い議論を交わした結果。
「イカも物凄く食べたいけれど、まずはスープから攻めることにするわ! さあニナ、貴女のお勧めはどの店かしら!?」
「こちらです!」
さすが地元住民。私が案内された屋台には複数の大鍋が待ち構えていた。
透明な液体に刻んだ野菜と肉団子を浮かべたもの。こってりとした脂っぽさを感じる茶色い液体。カレーのようなとろみを持つ鍋と、選択肢は多い。
そんな中でも私の視線を惹きつけて止まないのが赤い液体のスープだった。少し辛そうな色ではあるが、ぴりっと辛そうな香りが心を掴んで離さない。
そばに用意されているベンチにニナと並んで座り、食事をとることにする。
そこで問題が一つ。スープとにらめっこする私の懸念をニナは正確に言い当てた。
「奥様、そう気をはらなくても大丈夫ですよ。見てください!」
ニナが促す先には豪快にスープをすする子どもたちがいて、微笑ましい気持ちになった。
「ここではあれが普通なんです。自由に美味しく食べること、それが一番なんですよ」
そう教えられて育ってきたのだとニナは言う。私はその一員になれたことを喜びながら、いただきますと口にした。
魚からだしをとっているスープはほんのりと辛いアレンジだ。具材にされている白身魚を食べることでより味に深みも増す。刻んで添えられている野菜の緑も美しく、一口サイズに切られた肉からも旨味が溢れ出している。
「ど、どうですか!?」
「美味しいわ!」
「良かったです! それ、この辺りの家庭では有名な味付けなんですよ。一度にたくさん作れて便利で、雪の降る日にはどの家でも食べるんです」
「身体が温まりそうですものね。あら、魚とお肉のスープだと思っていたけれど、きのこまで入っているのね」
「具材には特に決まりがなくて、何を入れるかでその家庭の個性が出ます。あ、この中に麺を足すのも人気の食べ方なんですよ」
「この中に麺……」
つまりラーメンのようなものかしら? 麺料理も発展しているなんて凄いことだわ!
ぜひ試してみたいと思いながらも今日は止めておくことにする。他にもまだまだ食べてみたいものはたくさんあるのだ。スープだけで満腹にしてしまうのは勿体ない。
「さてと、次はいよいよお肉を探しに行くわよ!」
「それなら私にお勧めがありますよ!」
そう言って人ごみに消えていくニナを、私はサプライズも面白そうだと思いながら見送った。
町並みを眺めながらベンチに座っていると、町の様子がのんびりと観察出来る。軽装に身を包み足早に歩く人たちは船乗りだろう。ゆっくりとした足並みで歩く男女は観光だろうか。平和な町だと、そんな印象を受けた。
「奥様! お待たせしました」
「ありがとう――って、それは!」
早くもニナが手に持つそれに視線が向いてしまう。
串にささった厚みのあるベーコンからは懐かい肉の香りがしていた。
「本日仕入れた食材を気分で串に刺したお勧めの串焼きです!」
物凄く運頼りのお勧め品だなと感じたのはさておき。
「一番上の赤い野菜はトマト?」
「はい。甘くて美味しいですよ」
それはトマトの赤が映える、見た目も可愛らしい串焼きだった。
上から順にトマト、肉厚のベーコン、イモ、そしてベーコン、トマト、さらにベーコンと続く。
可愛らしくも主成分は肉で構成されているそれを、一つずつ食材について確認していくと、前世で使われていたものと変わらないようで安心する。
「どうやら私たちはとても運がいいようね。これもかじっていいのかしら?」
「もちろんです。イデット様は禁止されるかもしれませんけど、私は奥様の味方ですよ」
「ニナを選んで正解だったわね。いただきます!」
我慢出来ずにかぶりついたトマトが口の中で弾け、甘みが広がる。
こんがりと焼き色のついたベーコンはおそらく塩コショウで味をつけ焼いたもの。食べやすく切り分けられてはいるが、ボリュームもたっぷりだ。イモは噛むとほろりと崩れる絶妙な茹で加減。もう一度ベーコンを堪能し、最後に甘いトマトを味わう。
「ごちそうさまでした」
「どうでしたか?」
「幸せよ」
率直な感想を伝えるとニナは喜んでくれる。自分の生まれ育った町が褒められたことが嬉しいそうだ。
「次は何を召し上がりますか?」
「そうね……。ニナが良ければ、もう少し散策してみない? 食後の運動も兼ねて。私、こんな風に賑やかな町を歩くなんて久しぶりで、楽しくなってきてしまったわ」
「わかりました! 奥様は、どこか行ってみたいお店はありますか? 好きな物や、興味のある物とか、私も奥様のことが知りたいです」
「私が意見を出すと全部食べ物のお店になってしまうと思うのよね。ニナたちは、年頃の女の子はどういった場所に行くのが好きなの?」
「そうですね……人気のカフェや、可愛い雑貨のお店を見て回ったりしますよ。あ、広場の方に行ってみませんか!? 綺麗な花時計があるんです。それに最近、人気の占い師がいるらしいんですよ! 運が良ければ見つかるらしいんですけど、謎めいた雰囲気もあって、仕事仲間の間でも噂になっているんです」
「今日の私たちは運が良いみたいだし、もしかしたら見つかるかもしれないわね」
ニナの女子力の高い提案のおかげで退屈することはないだろう。楽しみだと告げて私たちは広場を目指した。友人と並んでの町歩き。それは仕事とお店巡りばかりしていた私にとっては久しぶりの感覚で、とても心がわくわくするものだった。
私が促すとニナは照れながらも続けてくれる。
「えっと……シレーネは港町なので、異国の人や商人たちのおかげで賑わって見えるんだと思います。いろんな国の文化が混ざり合っていますから」
「つまりいろんな国の食べ物も集まっているのね」
結局私の発想は食べ物よりになってしまうけれど、ここでならいろんな国の料理が食べられるという解釈でいいのよね?
「そうですね。いろんな国の料理が食べられますよ」
ニナは私の望んだ答えをくれた。
私、本当に素晴らしい旦那様に見つけてもらえたのね。生まれ変わってこんなに素敵な旦那様に巡り会えるなんて!
「はあ……」
「奥様、お疲れですか?」
「失礼、誤解させてしまったわね。あちこちからいい香りがするなと思っていたのよ」
ソースの香、油の香。肉汁に、油が跳ねる音。ここに美味しいものがあるよと手招きされているみたいだ。
「ちょっ、ちょっとニナ! あ、あれ、あれって、あの人が食べているの、イカの串焼き!?」
確認を取りつつも私はすでに確信していた。イカのフォルムは特徴的だ。それを串に刺し、こんがりと表面を焼いたもの。見間違えるはずがないと私の記憶が訴えている。
「なんて美味しそうなものを売っているのよ!」
私は興奮気味にニナの腕をひっぱった。そんな私よりも年下のニナの方がよほど大人っぽく見えただろう。
「この辺りには屋台も多いですからね」
「そうなの!?」
「急ぐ人も多いので、手軽に食べられる料理は人気なんです」
「後学のためにも堪能して帰らないといけないわね!」
「ふふっ、何から召し上がりますか?」
広い通りに差し掛かると左右共に屋台がひしめき合っている。品揃えを目で追うと、ニナの言う通り手軽に食べられるものが多いという印象だ。
「イカの串焼き、買ってきましょうか?」
「そうね……」
私は歩きながら真剣に屋台の顔ぶれを眺めた。
串に刺さった肉やソーセージはこんがりと焼き上げられ、数種類の鍋に汲み分けられたスープ。魚を串に刺して丸々と焼き上げた店もある。片手でも食べられそうなパンに麺類、カットされたフルーツにアルコール。それにデザートの類……
物凄く迷うっ!!
そして自らの胃袋と熱い議論を交わした結果。
「イカも物凄く食べたいけれど、まずはスープから攻めることにするわ! さあニナ、貴女のお勧めはどの店かしら!?」
「こちらです!」
さすが地元住民。私が案内された屋台には複数の大鍋が待ち構えていた。
透明な液体に刻んだ野菜と肉団子を浮かべたもの。こってりとした脂っぽさを感じる茶色い液体。カレーのようなとろみを持つ鍋と、選択肢は多い。
そんな中でも私の視線を惹きつけて止まないのが赤い液体のスープだった。少し辛そうな色ではあるが、ぴりっと辛そうな香りが心を掴んで離さない。
そばに用意されているベンチにニナと並んで座り、食事をとることにする。
そこで問題が一つ。スープとにらめっこする私の懸念をニナは正確に言い当てた。
「奥様、そう気をはらなくても大丈夫ですよ。見てください!」
ニナが促す先には豪快にスープをすする子どもたちがいて、微笑ましい気持ちになった。
「ここではあれが普通なんです。自由に美味しく食べること、それが一番なんですよ」
そう教えられて育ってきたのだとニナは言う。私はその一員になれたことを喜びながら、いただきますと口にした。
魚からだしをとっているスープはほんのりと辛いアレンジだ。具材にされている白身魚を食べることでより味に深みも増す。刻んで添えられている野菜の緑も美しく、一口サイズに切られた肉からも旨味が溢れ出している。
「ど、どうですか!?」
「美味しいわ!」
「良かったです! それ、この辺りの家庭では有名な味付けなんですよ。一度にたくさん作れて便利で、雪の降る日にはどの家でも食べるんです」
「身体が温まりそうですものね。あら、魚とお肉のスープだと思っていたけれど、きのこまで入っているのね」
「具材には特に決まりがなくて、何を入れるかでその家庭の個性が出ます。あ、この中に麺を足すのも人気の食べ方なんですよ」
「この中に麺……」
つまりラーメンのようなものかしら? 麺料理も発展しているなんて凄いことだわ!
ぜひ試してみたいと思いながらも今日は止めておくことにする。他にもまだまだ食べてみたいものはたくさんあるのだ。スープだけで満腹にしてしまうのは勿体ない。
「さてと、次はいよいよお肉を探しに行くわよ!」
「それなら私にお勧めがありますよ!」
そう言って人ごみに消えていくニナを、私はサプライズも面白そうだと思いながら見送った。
町並みを眺めながらベンチに座っていると、町の様子がのんびりと観察出来る。軽装に身を包み足早に歩く人たちは船乗りだろう。ゆっくりとした足並みで歩く男女は観光だろうか。平和な町だと、そんな印象を受けた。
「奥様! お待たせしました」
「ありがとう――って、それは!」
早くもニナが手に持つそれに視線が向いてしまう。
串にささった厚みのあるベーコンからは懐かい肉の香りがしていた。
「本日仕入れた食材を気分で串に刺したお勧めの串焼きです!」
物凄く運頼りのお勧め品だなと感じたのはさておき。
「一番上の赤い野菜はトマト?」
「はい。甘くて美味しいですよ」
それはトマトの赤が映える、見た目も可愛らしい串焼きだった。
上から順にトマト、肉厚のベーコン、イモ、そしてベーコン、トマト、さらにベーコンと続く。
可愛らしくも主成分は肉で構成されているそれを、一つずつ食材について確認していくと、前世で使われていたものと変わらないようで安心する。
「どうやら私たちはとても運がいいようね。これもかじっていいのかしら?」
「もちろんです。イデット様は禁止されるかもしれませんけど、私は奥様の味方ですよ」
「ニナを選んで正解だったわね。いただきます!」
我慢出来ずにかぶりついたトマトが口の中で弾け、甘みが広がる。
こんがりと焼き色のついたベーコンはおそらく塩コショウで味をつけ焼いたもの。食べやすく切り分けられてはいるが、ボリュームもたっぷりだ。イモは噛むとほろりと崩れる絶妙な茹で加減。もう一度ベーコンを堪能し、最後に甘いトマトを味わう。
「ごちそうさまでした」
「どうでしたか?」
「幸せよ」
率直な感想を伝えるとニナは喜んでくれる。自分の生まれ育った町が褒められたことが嬉しいそうだ。
「次は何を召し上がりますか?」
「そうね……。ニナが良ければ、もう少し散策してみない? 食後の運動も兼ねて。私、こんな風に賑やかな町を歩くなんて久しぶりで、楽しくなってきてしまったわ」
「わかりました! 奥様は、どこか行ってみたいお店はありますか? 好きな物や、興味のある物とか、私も奥様のことが知りたいです」
「私が意見を出すと全部食べ物のお店になってしまうと思うのよね。ニナたちは、年頃の女の子はどういった場所に行くのが好きなの?」
「そうですね……人気のカフェや、可愛い雑貨のお店を見て回ったりしますよ。あ、広場の方に行ってみませんか!? 綺麗な花時計があるんです。それに最近、人気の占い師がいるらしいんですよ! 運が良ければ見つかるらしいんですけど、謎めいた雰囲気もあって、仕事仲間の間でも噂になっているんです」
「今日の私たちは運が良いみたいだし、もしかしたら見つかるかもしれないわね」
ニナの女子力の高い提案のおかげで退屈することはないだろう。楽しみだと告げて私たちは広場を目指した。友人と並んでの町歩き。それは仕事とお店巡りばかりしていた私にとっては久しぶりの感覚で、とても心がわくわくするものだった。
0
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームのヒロインに転生したのに、ストーリーが始まる前になぜかウチの従者が全部終わらせてたんですが
侑子
恋愛
十歳の時、自分が乙女ゲームのヒロインに転生していたと気づいたアリス。幼なじみで従者のジェイドと準備をしながら、ハッピーエンドを目指してゲームスタートの魔法学園入学までの日々を過ごす。
しかし、いざ入学してみれば、攻略対象たちはなぜか皆他の令嬢たちとラブラブで、アリスの入る隙間はこれっぽっちもない。
「どうして!? 一体どうしてなの~!?」
いつの間にか従者に外堀を埋められ、乙女ゲームが始まらないようにされていたヒロインのお話。
枯れ専モブ令嬢のはずが…どうしてこうなった!
宵森みなと
恋愛
気づけば異世界。しかもモブ美少女な伯爵令嬢に転生していたわたくし。
静かに余生——いえ、学園生活を送る予定でしたのに、魔法暴発事件で隠していた全属性持ちがバレてしまい、なぜか王子に目をつけられ、魔法師団から訓練指導、さらには騎士団長にも出会ってしまうという急展開。
……団長様方、どうしてそんなに推せるお顔をしていらっしゃるのですか?
枯れ専なわたくしの理性がもちません——と思いつつ、学園生活を謳歌しつつ魔法の訓練や騎士団での治療の手助けと
忙しい日々。残念ながらお子様には興味がありませんとヒロイン(自称)の取り巻きへの塩対応に、怒らせると意外に強烈パンチの言葉を話すモブ令嬢(自称)
これは、恋と使命のはざまで悩む“ちんまり美少女令嬢”が、騎士団と王都を巻き込みながら心を育てていく、
――枯れ専ヒロインのほんわか異世界成長ラブファンタジーです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!
鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……!
前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。
正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。
そして、気づけば違う世界に転生!
けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ!
私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……?
前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー!
※第15回恋愛大賞にエントリーしてます!
開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです!
よろしくお願いします!!
美人同僚のおまけとして異世界召喚された私、無能扱いされ王城から追い出される。私の才能を見出してくれた辺境伯様と一緒に田舎でのんびりスローライ
さら
恋愛
美人な同僚の“おまけ”として異世界に召喚された私。けれど、無能だと笑われ王城から追い出されてしまう――。
絶望していた私を拾ってくれたのは、冷徹と噂される辺境伯様でした。
荒れ果てた村で彼の隣に立ちながら、料理を作り、子供たちに針仕事を教え、少しずつ居場所を見つけていく私。
優しい言葉をかけてくれる領民たち、そして、時折見せる辺境伯様の微笑みに、胸がときめいていく……。
華やかな王都で「無能」と追放された女が、辺境で自分の価値を見つけ、誰よりも大切に愛される――。
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる