悪役王子はその溺愛に気付かない

桜音

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貴方を幸せにしたいと思った日。

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昨日のことのように思い出せる。



第一王子であるユリア様の学友として選ばれた私に近づく者は大抵下心があった。
裏で悪口しか言ってないくせに、厚顔無恥にもほどがある……。
周りに嫌気が差していた時に天使もといカーロ様に出会った。

『あ、あの。どうやったら、貴方みたいにお兄様のお役に立てるようになりますか!?』

そう恥ずかしそうに言う彼。
この国は貴方や貴方の母親の幸せや希望全部奪っのに、それでも、それでも、国を思うのですか?






あぁ、この方を幸せにしてあげたい。
それははじめての恋の始まり。
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