『え?みんな弱すぎない?』現代では俺の魔法は古代魔法で最強でした!100年前の勇者パーティーの魔法使いがまた世界を救う

さかいおさむ

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第三章 エルフの森

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 村では三体の大蛇が暴れまわっていた。

「……あんなにデカイなんて」
 ミルリーフはゾッとした。
 想像していたよりはるかに大きい大蛇だったのだ。体長は20メートルほどで、ヘビというより恐竜のような見た目だ。
 無人の民家を踏み潰し、畑を荒らしていた。倒壊した民家からは火も出ている。

「……ひどいわ。獣人たちの村をこんなにするなんて……許さない!」
 ミルリーフは剣を握りしめヘビに斬りかかる。

『カンッ!』
「くっ……コイツ、ヘビのくせになんて硬い体してるのよ!?」
 しかし、ヘビの皮膚は鉄のように硬く、深く斬り込む事ができない。


「お、お姉ちゃん、大丈夫かな?」
「うーん、ありゃなかなか防御力の高そうなモンスターだな。まあお手並み拝見ってとこだな」

 村を見渡せる、小高い丘からアルカンタラと少年はミルリーフの戦いをこっそりと見ていた。

 ミルリーフの攻撃に気づいたヘビは長い尻尾を振り回し、ミルリーフを追い払う。

「半端な攻撃じゃ効かないみたいね……」
 ミルリーフは剣を持つ手に力を込める。そして、強く地面を踏みしめ、ヘビに斬りかかる。

「そりゃッ!」
 ミルリーフの剣はヘビの体を一直線に切り裂いた。

「やった……私の剣はモンスターにも通用するわ!」
 はじめて剣でのモンスター討伐にミルリーフは喜んだ。

 その時、ミルリーフは背後に迫るもう一体のモンスターに気づいていなかった。
 一瞬の隙にミルリーフの体にヘビの体が巻き付かれる。

「うぅ……しまった……!」
 丸太のような太いヘビに締め付けられるミルリーフ。


「た、大変だ! お姉ちゃんやられちゃうよ! なんとかしてよ!」
 少年はアルカンタラにすがりつく。

「……ったく、アイツは。慣れない剣ばっかりに頼りやがって……分かってねぇな……」
 アルカンタラは舌打ちをした。

「おい、ミルリーフ! お前の武器は剣だけじゃねぇだろ! バカかッ!」

「うぅ、アルカンタラ!? なによ……コッソリ見てたのね……ムカつくわね。剣だけじゃ無いって……あっ!」
 アルカンタラの怒声でミルリーフは冷静になった。

『ドンッ!』
 次の瞬間、ミルリーフを巻きつけていたヘビの体が爆発をした。

「な、なに……!? いきなり爆発した……?」
 少年は目をパチクリさせる。

「ふふ、そうだ。お前の持ち味は剣だけじゃねぇだろ。アゼリ譲りの魔法もあんだろ?」
 アルカンタラはニヤリと笑う。

 煙が晴れ、爆発で粉々になったモンスターの残骸の中央に立つミルリーフの姿が。
「そうだわ……私には剣だけじゃない、魔法もあるんだ……」
 ミルリーフの表情が変わった。一際体の大きい、最後の一体のモンスターに駆け寄る。
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