『え?みんな弱すぎない?』現代では俺の魔法は古代魔法で最強でした!100年前の勇者パーティーの魔法使いがまた世界を救う

さかいおさむ

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第三章 エルフの森

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「お兄ちゃん! なんで助けに行かないんだよっ! くそ……ぼ、僕が行く!」
 少年は恐怖に震えながら、ミルリーフの元に走りっていく。

「おいおい、待て! ったく、これだからガキは……
 まあしょうがねぇか……」
 アルカンタラは人差し指を一本、モンスターに向ける。

「この勝負は剣がまともなら、ミルリーフは最初の一撃で勝ってたからな……今回はあの勇者さんに良い思いさせてやるかな?」

 襲いかかるモンスター、ミルリーフは最後の力を込め、剣を振り下ろす。

「うおおぉぉ!」

 その時、アルカンタラの人差し指から細い衝撃波が放たれる。超高速の衝撃波にその場の誰も気づかない。
 モンスターの尻尾を衝撃波が貫く。なにが起こったか分からないモンスターは身をよじる。

「くらえぇえ!」
 動きが一瞬止まったモンスターの顔面にミルリーフは剣を突き立てる。

 モンスターは叫び声を上げ、その場にうずくまる。

「はぁはぁ……や、やった……やった……わ……」
 ミルリーフも力尽き、倒れ込んだ。

「お姉ちゃん! 大丈夫!?」
 少年は慌ててミルリーフに駆け寄る。

「はぁはぁ……だ、大丈夫……よ。よかった……これで……みんな村に戻れるわね……」
「うぅ……あ、ありがとう……お姉ちゃん!」
 少年はミルリーフに抱きつき大泣きする。

「ったく、死にかけてんじゃねぇかよ」
 アルカンタラはニヤニヤと笑いながらミルリーフに言う。

「……アルカンタラ、ふん! なんか剣の調子が悪かったのよ」
「ああ、オッサンの剣もいい剣なんだけどな。それでもダメか……」
 アルカンタラは小さくつぶやいた。ミルリーフの剣の力が想像以上で並みの剣では武器自体が耐えられないようだ。

「……ん?」
 少年はモンスターの体に空いた小さな穴に気づいた。

「……あれ? この穴はなんだろ――――」
 アルカンタラは慌てて少年の口を塞ぐ。

「ん、どうしたの? なんか言った?」ミルリーフは少年を見る。

「いや! なんでもねぇよ? なんでもねぇよなッ!?」
 アルカンタラは口を抑えたまま少年を睨みつける。

 少年はアルカンタラのあまりの迫力に黙って頭をブンブン上下させる。

「変なの。でも……よかったわ。剣で初めてモンスターを倒せた! ふふふ、魔法も前より成長しているみたいだし……アルカンタラを越す日もそう遠く無いかも知らないわねぇ!」
 ミルリーフは得意げにアルカンタラにいちべつをくれる。

「て、てめぇ……ずいぶん生意気になりやったな……」
「ふっ! 私の戦いを見なかったのかしら?」
「うるせぇ! ぶっ飛ばすぞ!」

 そんな2人の喧嘩を見て、少年だけはモンスターの体に空いた穴の秘密に気づいた。
 怖そうなアルカンタラだけど、不器用な優しさを持った男だと分かり、少年は尊敬の眼差しで見ていた。

「お兄ちゃん……カッケェ……男だ……」
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