【まずは自己紹介】

ガネード

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【まずは自己紹介】

 高校2年の赤谷潤子(あかたに じゅんこ)は、憧れの七星(ななぼし)シリウスと出会う。
「七星シリウスさんですよね?」
「そうだけど。それ、元芸名ね」
「大ファンだったんです!わたし、ご当地アイドル目指してて!」
握手を交わす赤谷と七星。
「ファンだった事は嬉しいけれど、今は、七星青空(ななほし あおぞら)だから」
「七星青空って素敵ですよね。虹って感じで」
「虹?」
「青空に輝く七つ星。流星なら虹です」
「面白い発想ね」
「あの!わたしと友達になって下さい!」
未だ、自己紹介していない赤谷。
「有難い申し出だけど、お断りするわ」
「そんなぁ!絵馬に運命の出会いをお願いしたら、シリウスさんが転校してきて、これは運命だと思ったのにぃ!」
「運命じゃなくて、残念ね。それじゃ、失礼するわ」
「ちょっと、待ったー!」
そこに現れたのは、藍原光太(あいはら こうた)。赤谷の先輩にして協力者。
「七星さん、是非、我々と一緒に活動して欲しい!」
「えー!?」
叫んだのは、赤谷だった。
「驚く事ではない。七星さんが加われば、百人力だ!」
「残念だけど、お断りするわ」
藍原も、自己紹介していなかった。

 3日連続で、赤谷と藍原が七星の前に現れた。
「君は、もう、いばら道や、けもの道のような芸能に未練はないのか?」
「そうね。都会では通用しなかったし」
藍原の問いに、素直に答える七星。
「では、我々と組んで、その先へ挑もうじゃないか?」
「なに?この子と組めと言うの?」
「違う。僕も出る!」
「「はぁ?」」
女生徒、2人、ハモってしまった。
「正式には、後4人探して、7人で出る!」
「どういう事?」
「我々は、偶然にも、赤青藍の虹色の名を持っている。だから、後4人だ!」
思考中の女生徒、2人。
「つまり、後、橙黄緑紫の名を集めて、虹でも作るの?」
「その通り!名案だろう!」
「いやぁ、そこは、わたしも同意しかねるよ」
女生徒、2人、悲観的だった。
「何故だ?一等星より虹色の方が素敵だろう!?」
「烏合の衆なら意味ないわよ?」
「大丈夫かも!七色の虹を見付けられる、七星青空さんがいるもの!」
赤谷の言葉に、七星は呆れていた。
「貴方達に、諦めるという文字はないの?」
「藍原光太に」
「赤谷潤子に」
「「諦めるという文字はない!」」
ここで、初めて、自己紹介する2人。
「そう。わたしも、諦める事を諦めたわ。よろしくね」
「「やったー!!」」
こうして、赤藍に青が加わった。

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