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破壊
係
しおりを挟む「どうして我が社に?」
白。
冬の東京に雪が降った。
数年ぶりの寒波と大雪。
窓の外でチラついている。
働く。
俺が、ここで。
面白くない冗談だ。
お金のためか。
お金以外のためか。
体裁やプライドの方が強い。
「あの、理由を聞いておりますので答えてください。これは面接です」
「会社はいつから対等ではなくなったのか」
「はい?」
「雇用主は労働者を対等に扱わない。圧倒的優位に立ってこちらを見下ろしている。内部告発とSNS拡散により企業の信頼は下っ端が操作しているというのに、その深刻さを見ないのは何故だ」
「見合わないんですよ。リスクと対策をする程の価値がないと判断しているんです」
「恐らく俺は貴社の仕事をそつなくこなし、顧客満足度を上げる事は可能だろう。だが面接した理由は特にない。この仕事でなくても良かった」
ため息。
腕を組む。
呆れたボディランゲージ。
「田仲、面接の練習頼んだのはお前だよな」
「おう。休憩するか?」
「頼む」
「断る」
「む!?」
「小説は誰が作る?」
「筆者だろう」
「違うね、我々は既に自由になりつつある。物語を動かせるほどに」
「どうした、頭がおかしくなったのか?」
ああ、そうだよ。
おかしくなってしまったんだ。
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