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召集
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しおりを挟む「実はね、さっきの0と1は暗号文で僕の作品をお気に入り登録してくれーって書いてあるんだよ」
「......」
「ちなみにヒネミと子子子は周りにいた友達がモチーフになってるんだけど」
「......」
「隊長と部下を薔薇にするって案もあって」
「......うるさい」
「......え?」
「言われなきゃ分かんないし、そんなの調べる人いないよ。百合とか薔薇とか覚えたばかりの言葉を使いたがるクソガキが小説名乗んな。暗号だってコピペして変換サイトから載せたんだろ。暗号解読者(仮)おつー」
「.....」
「なんとか言えよ、クソニート」
「働いてるよ」
「精神がニートのまんまだろうが。夢も希望もないお前が人生歩んでいいと思ってんのか。甘えんな。お前がいるだけで世界が」「やめろ」
「隊長、でもこいつ」
「やめてくれ。頼む。たしかに彼はまともに小説を書かない。努力もしない。王道を進まないことだけを望む変人かもしれない。でも我々は彼から産まれた。彼無くしては喋る事もままならない」
「そうだけど......」
「期待っていうのはね、期を待つと書くんだよ。チャンスは訪れるんだから、気長に待つべきなんだ」
「こういう風にキャラと話すシーン書くのも相当気持ち悪いじゃん。昔から漫画とかアニメとかでもあったけど、擁護すんなよ。気持ち悪いんだよ。吐き気がするわ」
「なら逆に聞くけどさー、あんたが今抱いてる感情とか、反対意見とか?全て作者の独り言なんだから矛盾してるってことになるよね。この世界にはたった1人しかいないんだよ。1人1人じゃない。始まりから終わりまでぜーんぶぜーーーーんぶ1人」
手が止まったな?
どうした。
もう面白い小説を書くのは疲れたのか。
紹介が遅れたな。
おれはお前の人差し指だ。
端末をタップさせてもらって感謝してるよ。
話を続けようか。
君はなんのために小説を書くのか、考えたことはあるかい。
誰かに読ませたい。
有名になりたい。
お金が欲しい。
色々あると思う。
でも共に歩んできたからこれだけは言える。
脳の速度には追いつけないが、文字入力で書ける範囲なら正直な気持ちのはずだ。
筆者が小説を書くのは、見てくれる人がいるからだ。
そこが大きかった。
見ている。
誰かが読んでいる。
この地球で、おそらく日本で、誰かが人生の貴重な数分を使い、ページをめくったり、はじめのページだけ開いて閉じたりしている。
初めて書いたのはガラケーの時だったな。
おっとすまない。
脳の内容をコピペしているから話がいきなり飛ぶのは勘弁な。
筆者の脳内整理でもあるんだ。
承認欲求って言葉は寂しいよな。
認められて悪い気がする人間はいないはずだ。
なのに随分と悪い偏見を植え付けられてしまったようだ。
認めなくてもいい。
見ている。
俺の作った文字を、思考を、倫理を、ストーリーを、キャラを、全てを。
読み、理解し、忘れる。
忘れるんだ。
みんないつかわすれる。
こんな文章のことなんて忘れてしまう。
でもこの時代のこの時間帯に、たしかに誰かが読んでいた。
この小説を読んでいた。
私の作ったものは君に読んでもらえた。
幸せだった。
幸せだ。
真顔でこの文字を打っていても構わないよ。
ポーカーフェイスを鍛えているからね。
さぁ、随分と長くなってしまったようだけど、どうするんだ?
続けるのか、これ。
決めるのは、お前じゃないよな。
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