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プロローグ
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しおりを挟む「俺と付き合わない?九条 麗華さん」
「...」
いやいやいや、何のご冗談でしょうか。
昼休みの中庭で、しかもこんなに人の大勢いる中で告白するなんて、振りにくいじゃないか、と言うか振られるのは想定外なのか?
だとしたら自意識過剰過ぎてキモイ。
普通にキモイ。
今こうして居るうちにも「俺は美形だし、スポーツも出来る勉強だって学年上位で眉目秀麗、文武両道なのさ!」と背筋が凍るような事を永遠と言っている。
その上周りから「白石頑張れ!」と言う声が聞こえてくる。
この男を応援しないで欲しい。
「ごめんなさい、貴方の好意は嬉しいけれど、お付き合いは出来ないの。」
そう申し訳なさそうな顔で言った。
まぁ、申し訳無いとか一ミリも思ってないけど。
だって、こいつ性格悪いんだもん、今回の告白だって私をアクセサリー気分で連れ歩きたいだけだって私は知っている。
「白石くんお友達からという事で良いかしら?」
「まぁ、仕方ないか、友達からという事で良いよ、麗華ちゃん」
キモイ!
いきなりちゃん付けは流石に止めて欲しい。
さっきまでのフルネーム&さん付けはどこに行った、この人は私の背筋を凍らせる天才か?
公開処刑(告白)も終わって、麗華は親友の美穂とお弁当を食べる為に教室へ帰った。
ガラガラガラ
ザワザワ
おぉ、あからさまにザワザワ言ってる、さっきの告白見てたんだろうな。
「美穂さん、昼食を頂きましょう」
『また振った?』(小声)
『振ったよ、美穂見てたの?』
この子、伊集院 美穂とは幼稚園の頃からの幼馴染みだ。
『見てた』
『どこで見てたの?』
『屋上』
『いや、見え無くない?と言うか、聞こえ無いでしょ。』
『聞こえる、面白かった。』
人が告白されているのを見て面白かったというコメントはどうかと思う。
そして私達は日常会話に戻った。
『漫画、良かった。』
『え?あぁ、異世界系も面白かったでしょ?』
『麗華は刺されて死にそう。』
『おぉ、酷くない?』
美穂酷くない?
私、泣くよ?
『てか、早くお弁当食べよ、白石のせいで遅くなったから。』
『白石って言うの?』
『多分、周りに応援されてたから。』
『ふぅーん』
本当に聞こえてたのか聞きたくなったが、多分あまり私と自分以外には興味が無いから聞いていなかったのだろう。
あれから数時間が経ち、授業も終わり、美穂と二人で家に帰っている。
「良いの?」
「迎えのこと言ってる?」
「ん」
「今更過ぎでしょ、高校入ってから毎日一緒に歩いて帰ってるよね?」
と話していると突然足元のコンクリートが無くなった。
そう、本当に突然だ。
「は?えっ、ちょっ何か、落ちてる落ちてる‼」
「長いね」
そう言う問題ではないと思うが確かにそれはそうだ、道の下が空洞な場合もあるが、それにしてももう下に着いてもおかしくない、と言うか、着いてないとおかしい。
そしてさっきから無性に眠くなってきた。
「眠い」
「いや寝るな、私も眠いけど、死ぬでしょうが!」
「寝ても寝なくても死ぬときは死ぬ、それが運命」
「美穂運命とか信じて無いでしょ‼」
「寝る」
「あーもう、分かった、私も寝る。」
そう言いながら、仲良く二人とも空中で寝ましたとさ。
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