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はじまりで、おわりの村
見在する世界より2
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昔々、あるところに一人の『男』がいました。
『男』は神々に仕えていました。
『男』の仕事は公明に公平に物事を判断することでした。
規則を、善悪を、そしていつしか生死すらも公正に取り扱っていました。
そんな時、『男』は地上の人々と交流を持つようになりました。
そして、悲しいことに『男』はその人々が『男』を利用しようとしていることに気づきませんでした。
『男』は人々に騙され、神々に反旗を翻そうになりました。
しかし、『男』を見てきた一柱の神が『男』を説得しました。そのおかげで、『男』は正気に戻り自らの間違いに気づきました。
正義感の強い『男』は自分と同じような境遇の人間を放って置けない思い、悪い人間から善い人間を救うために人間界へ降りて行きました。
『男』は最初に、とある国へ訪れました。そこで見た光景は『男』を絶句させます。
暮らす国民には階級の制度があり、下の人は上の人の命令にはほとんど従わされ、食べるものがなくなった人々は自身を奴隷に売るような過酷な環境があったのです。
『男』は怒りました。こんな国はあってはいけないと。
『男』はすぐに国を治める人の元へ行き話し合いをしました。
『男』の説得により国を治める人は改心し国の制度をすぐさま撤廃しました。
国を治める人は自身の間違いを正してくれた『男』に自分が持っていた奴隷を渡しました。
『男』はこれで国の制度が正しくなるならと奴隷の少女を譲り受け、育てることにしました。
『男』は国を出ると悪い噂がある国々を周りました。
そこでも同じように話し合いをし、公明で公平な国づくりをしてもらえるようにお願いしました。
そんな中、『男』は国々を支配している国があることに気付きました。
その国を治めている人は国民から『覇王』と呼ばれ畏れ、世界を支配していたのです。
『男』はすぐさま『覇王』が支配する国へ訪れました。
そこで『覇王』に支配した人々を解放するようにお願いしましたが追い返されてしまいます。
怒った『男』は仲間を集め『覇王』を倒すことにしました。
そして、仲間たちとともに『男』は見事『覇王』を倒すことができました。
『男』は世界の平和を取り戻したのです。
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
「——こうして『覇王』を倒した『男』は『勇者』として人々から賞賛され、その栄光はいつまでも語り継がれるようになったのでした。おしまい」
「おーっ!さすが『勇者』様だ!すげーっ!」
ティアばあちゃんの話を聞いていたキヨシは目を輝かせながら大きな拍手をしながら興奮していた。
「俺も『勇者』様みたいに強くなれるかな?」
「ああ、なれるさ」
「『勇者』様みたいに格好良くなれるかな?」
「ああ、今だってキヨシは格好いいわよ」
「ばあちゃん⋯⋯それは身内贔屓ってやつだよ」
ティアばあちゃんの受け答えが適当だとわかったキヨシは少しげんなりしながらも興奮は冷めていなかった。
「俺も『勇者』様みたいになりたいなー」
「⋯⋯いいかい、キヨシ」
「うん?どうしたんだばあちゃん。急に改まって」
「これだけは覚えておきな」
「う、うん。なんだよ、ばあちゃん」
ティアばあちゃんの珍しい真剣な表情にキヨシはたじろいだ。ゴクリ、と生唾がキヨシの喉を通り抜ける。
「いつだって勇者は孤りから始まる」
「勇者は⋯⋯孤りから始まる?」
「ああ、そうだよ。覚えておきな」
「う、うん!覚えておくよ!なるほど、勇者は孤りからか」
キヨシは気に入ったのか何度も復唱しながら二階にある自分の部屋へ上っていった。
「ふぅ⋯⋯。キヨシ、あんたは別に『特別』でなくていいんだよ。『特別』になる必要なんて全然ないんだよ」
一人残されたティアばあちゃんの呟きは静かになった食卓の中に消えていった。
『男』は神々に仕えていました。
『男』の仕事は公明に公平に物事を判断することでした。
規則を、善悪を、そしていつしか生死すらも公正に取り扱っていました。
そんな時、『男』は地上の人々と交流を持つようになりました。
そして、悲しいことに『男』はその人々が『男』を利用しようとしていることに気づきませんでした。
『男』は人々に騙され、神々に反旗を翻そうになりました。
しかし、『男』を見てきた一柱の神が『男』を説得しました。そのおかげで、『男』は正気に戻り自らの間違いに気づきました。
正義感の強い『男』は自分と同じような境遇の人間を放って置けない思い、悪い人間から善い人間を救うために人間界へ降りて行きました。
『男』は最初に、とある国へ訪れました。そこで見た光景は『男』を絶句させます。
暮らす国民には階級の制度があり、下の人は上の人の命令にはほとんど従わされ、食べるものがなくなった人々は自身を奴隷に売るような過酷な環境があったのです。
『男』は怒りました。こんな国はあってはいけないと。
『男』はすぐに国を治める人の元へ行き話し合いをしました。
『男』の説得により国を治める人は改心し国の制度をすぐさま撤廃しました。
国を治める人は自身の間違いを正してくれた『男』に自分が持っていた奴隷を渡しました。
『男』はこれで国の制度が正しくなるならと奴隷の少女を譲り受け、育てることにしました。
『男』は国を出ると悪い噂がある国々を周りました。
そこでも同じように話し合いをし、公明で公平な国づくりをしてもらえるようにお願いしました。
そんな中、『男』は国々を支配している国があることに気付きました。
その国を治めている人は国民から『覇王』と呼ばれ畏れ、世界を支配していたのです。
『男』はすぐさま『覇王』が支配する国へ訪れました。
そこで『覇王』に支配した人々を解放するようにお願いしましたが追い返されてしまいます。
怒った『男』は仲間を集め『覇王』を倒すことにしました。
そして、仲間たちとともに『男』は見事『覇王』を倒すことができました。
『男』は世界の平和を取り戻したのです。
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
「——こうして『覇王』を倒した『男』は『勇者』として人々から賞賛され、その栄光はいつまでも語り継がれるようになったのでした。おしまい」
「おーっ!さすが『勇者』様だ!すげーっ!」
ティアばあちゃんの話を聞いていたキヨシは目を輝かせながら大きな拍手をしながら興奮していた。
「俺も『勇者』様みたいに強くなれるかな?」
「ああ、なれるさ」
「『勇者』様みたいに格好良くなれるかな?」
「ああ、今だってキヨシは格好いいわよ」
「ばあちゃん⋯⋯それは身内贔屓ってやつだよ」
ティアばあちゃんの受け答えが適当だとわかったキヨシは少しげんなりしながらも興奮は冷めていなかった。
「俺も『勇者』様みたいになりたいなー」
「⋯⋯いいかい、キヨシ」
「うん?どうしたんだばあちゃん。急に改まって」
「これだけは覚えておきな」
「う、うん。なんだよ、ばあちゃん」
ティアばあちゃんの珍しい真剣な表情にキヨシはたじろいだ。ゴクリ、と生唾がキヨシの喉を通り抜ける。
「いつだって勇者は孤りから始まる」
「勇者は⋯⋯孤りから始まる?」
「ああ、そうだよ。覚えておきな」
「う、うん!覚えておくよ!なるほど、勇者は孤りからか」
キヨシは気に入ったのか何度も復唱しながら二階にある自分の部屋へ上っていった。
「ふぅ⋯⋯。キヨシ、あんたは別に『特別』でなくていいんだよ。『特別』になる必要なんて全然ないんだよ」
一人残されたティアばあちゃんの呟きは静かになった食卓の中に消えていった。
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