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第一章
本当の私
いつも通り、あの日に戻る
またか・・・
本当の私なんてもう居ない。
とっくに壊れてしまった。
気付いた頃には既に手遅れだった。
誰も愛してはくれない。
血筋血筋血筋。
ただ一つだけでも本物だったら。
違ったかもしれない。
また駄目だった。
次こそは頑張る。絶対・・・
絶対?
あれ
あれれ
私ってなんの為に頑張って居たの?
どうせ愛してはくれない
どうせ捨てるのに
一体何の為に?
誰の為に?
自分の為に生きた事はあった?
そんな事ない。
次は
自分の為に
やってみようかな。
でも
死にたい死にたい死にたい死にたい。あの声が聞こえる。今は居ないのに。偽者の癖に、汚らわしい、飯が有るだけ有難く思え。沢山の私を嘲笑い貶す声が・・・聞こえてしまう。
ごめんなさいごめんなさい、私が全て悪いんです。何でもやります。許して下さい、お願いします。頭の中でいつも言っていた言葉が渦巻く。
死にたくない死にたくない死にたくない。生きたい。幸せになりたい。皆居なくなれば良いのに。居なくなれば、居なくなれば私は・・・。幸せになれる?そうだ、居なくなれば幸せになれるんだ。殴られないから外にも行けるし、デザートだって食べてみたい。殺せば良いんだ。なんで今まで思い付かなかったのかな。私が居なくならせてあげる。
貴方達が私に何度もした様に。
殺して殺して、私の今までの苦痛を味あわせて苦しめる。ぐちゃぐちゃにして殺す。
私は悪くない。貴方達は何度も何度も私を殺した。私利私欲の為に。だから私もやる。次の人生から。従順なのはこの人生で最後だ。壊れていたと言うことは知って居たけどここまでとはな。自分でも呆れちゃう。
「ふふふっアハハ!アハハ!」
あぁ、次の人生が楽しみだ。今回は飛び降り自殺にしよう。風がとっても気持ち良いから好きなんだ。死に戻りを十回程経験した頃には痛みを感じる事が出来なくなっていた。罪を着せられ処刑された事もあるし、心臓を一突き、娼婦に売り飛ばされた挙句レイプで死亡、首吊り自殺、飛び降り、毒、お風呂で水没、出血多量死など・・・。あらゆる死に方を経験している。一番好きなのは飛び降り。十回以上は死んでるよ。やっぱりあの場所で死のう。
さて・・・今回の人生に終止符を打つとするか。
トントントントン
リズミカルに屋上まで上がる。
がチャリと扉を開ける。
壁の上に立ち靴を脱ぎ並べる。憎たらしい王都を見渡しながら心地よい風を感じる。
「バイバイ、今回の私。」
それを合図の様に頭から真っ逆さまに飛び降りた。
──────
いつもの様に死ぬとあの日に戻る。これで何回目だっけ?多分五十回は超えているよ。もう忘れちゃった。最初の方は取り乱していたけど今は慣れた。
あの日とは孤児院から引き取られて丁度十年が経った頃。十七歳になったばかり。私が謝って折れて許しを乞うのが日常茶飯事である。食事もろくに与えられず体が細い。普通に生活出来る程度だけどね。
今日は公爵の方が応接間で私以外と話すの。世間的には体が弱いって事になっているから。本当はサンドバッグにされて傷だらけだから行けないんだけど。笑っちゃうよね。
さてと・・・自殺用ナイフを三本持って応接間に居ると思うお父様とお兄様とローズを殺しましょう。元凶からやって行くよ。三人揃っているなんてラッキーよね。
「お父様、お兄様、ローズ。誰か分からなくなる位ぐちゃぐちゃにしてあげる。楽しみだねぇ」
私の笑い声が高らかに響いた
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