【本編完結】本当の私は無くなった

誰かのおとしもの

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第二章

初めての入院



 入院は病院にお泊まりする事らしい。さっきの説明では、家に帰れないだとか、心配だとか、お化けが出る噂があるとか何とか・・・など。

 ファリンスは泊まって欲しくなさそうだったけれど、ショナーさんがあんなにお願いしてたし、焦って居たから良い事よね?

 もう一度診察と言うか、検査をされた後にファリンスと二人きりになった。私が診察されている時は何故か悲しそうな顔をしていて、とても心配だった。

 そういえば・・・スベスベしていて気持ちいい。自分が着ているスカートが肌に触れて思う。ていうかいつの間に服を変えたの?昨日のご飯の時には・・・変わってた!なんで今まで気づかなかったの?恥ずかしいわ!


「・・・服、ありがとうございます・・・。」

「どういたしまして、シャーロット。」


 扉のドアノブを意味無く見つめる。


「シャーロット、寝ても良いんだよ。」

「寝なくても別に・・・」

「・・・体を休める為に寝よう。」

「はい・・・。」


 寝かされて布団をかけられる。あー、なでなでされたい・・・。って!私なんでそんな事思っているの?そんな事頼める訳ないじゃない!

 自分で頭を撫でる。ファリンスが心配そうに見ているけど貴方のせいなんだから。


「シャーロット、何をしているの?」


 戸惑いながら聞かれても言いたくないわ。だって撫でてなんて言ったら──────


「教えてくれたら嬉しいな。お願いだ、シャーロット。何をしているんだい?」

「・・・ねぇ、言っても私の事・・・殺さない?」

「っ当たり前だろう?!そんな事、絶対にしない!シャーロット、なんて事言うんだ!」


 突然の大きな声に体がビクリと跳ねた。初めて怒っている所を見た。私は悪い事を・・・!許して貰える様に起き上がって必死に謝る。ファリンスに、嫌われたくない。もっと・・・もっと謝らないと───

 ───ポンッと肩に手が置かれる

「俺こそすまない、シャーロット。びっくりしたよな?でも俺はシャーロットを殺すなんて事、絶対・・にしない。」

「ぁ、ありがとうございます・・・私も悪い事・・・」

「ほら、寝て?」


 許して貰えたのだろうか。分からない。なんて事言うんだ、なんて言われてしまった。けれど最後には優しい声なのに目には力が宿っていて何かを決意する様に言われてしまった。

 眠くなってしまった。瞼が重くて、開けることが出来ない。次、もし目を開けたらファリンスが居なくてひとりぼっちかもしれない。お父様達が居るかもしれない。そんな事がないなんて必ず等と言えない。

 そんな事を考えて逆らえない位重い瞼を閉じた。

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