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1章 転生~幼年期
13話 お風呂
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ひとしきり魔法の練習の練習を終えた尊流はリビングのソファーで食事を摂りながらくつろいでいた、と言ってもキッチンを使うことが出来ない為、そのまま食べられるパンやハムをかじっているだけである。
「んん~、何とかキッチン使えないかな、椅子に乗ってやるって手も有るけど、治療魔法が有るとは言え、ちと危ないかなあ、椅子の乗り降りも面倒だし、木材加工の部屋も有ったし、台を作るって手も有るな、まあ、おいおい考えるとしますか。」
食事を摂りながら、どうにかキッチンが使えないか考えていた尊流だが、取り敢えずは現状維持を選択した、それよりも今は魔法の事で、頭がイッパイなのであった。
「それにしても、魔法ってのは凄いな~、こんなに便利だったら、そりゃ科学は発展しないよな、クリーンが有れば下水道要らないし、電気やガスだって魔石で賄えるし。こっちは生活自体が有る意味チートだな。」
食事を終えた尊流は、今日1日魔法の練習を通して、魔法の有用性をしみじみと感じていた。
暫く魔法の事に考えを廻らせた武瑠は、ふと思い立ち、ソファーから立ち上がった。
「よし、お風呂に入ろう。」
そう言って尊流はお風呂に向かった。
「えっと、石鹸はあるけどシャンプーは無いのか、アカスリは…無いか、このタワシ見たいので洗うのかな?何か便所ブラシの親戚みたいで嫌だな。」
ナイロンが発明されていないので、アカスリなど有る筈も無く、タワシのような物を使うしかないかと諦め、浴槽にお湯を貯めていた。
「これでよし。さて、異世界初のお風呂に入りますか、俺しか居ないから掛け湯も要らないよね。」
そう言うと尊流は湯船に飛び込んだ。
「あぶっ!グボボボッ ブハッ!!あ、危ねー、4歳児なのを忘れてた、溺れる死ぬ所だった、く、クリーン」
自分の体が小さいことを忘れ、浴槽になみなみとお湯を貯めており、そのまま浴槽に飛び込んだ尊流は、足が付かず溺れそうになってしまった、そして慌ててクリーンの魔石を触り、お湯を一旦消したのだった。
「あー、ビックリした。来て早々死ぬところだったよ。」
浴槽の中の一段高い所に腰掛け、気持ちを落ち着かせていた。
「こっちから入れば良かったのか、でも気持ち良くなって寝たら危ないな、そういえば本に湯量も調節出来るって書いてあったな。」
そう言って再び浴槽に湯を貯め始めた尊流だが、在ることに気付いた。
「体や髪が濡れてない…そうか、クリーンか、こういった使い方も出来るんだな、でも本には書いてなかったぞ?」
クリーンの新たな使用法を見つけた武瑠は、今度は丁度良い湯量の湯船に浸かって今日1日の疲れを癒していた。
「あ~~。気持ち良い。」
中身はおっさんの尊流、4歳児とは思えない風体でお湯に浸かっていた、すると武瑠はあることに気が付いた。
「なんだ?この出っ張り。」
浴槽は床に穴を開けた感じで、浴槽と壁の間は少し間が空いていたのだが、何か出っ張りが有るのに気付いた尊流はソレを近くで良く見てみた。
「ふむ、色は茶色いけど、金属なのか。鉄では無さそうだな、金具みたいだけど、ん?動くぞ?」
尊流が金物を動かすと、ガコンっと音がして、浴槽側の壁が少しズレた。
「ん?もしかして、あ、壁も動くぞ。」
浴槽から出て壁を触るとゆっくりと大きな跳ね上げ式の蓋のように壁が持ち上がって行った。
「おおお~!!露天風呂風になるのか!おお、さっきは気付かなかったけど、月が大小2つ有る!スゲー!お陰で景色もスゲー綺麗だ。」
風呂場の小粋な細工に心の中で女神に感謝する尊流であった。
「ふ~。気持ち良かった。」
風呂から上がった尊流は、クリーンで濡れた体を乾かし、裸のままソファーの上でくつろいでいた。
「地球では何となく全裸は気が引けたけど、ここは誰も居ないし、4歳児だから良いよね。」
そう言いながら、今度は寝そべっていた。
「んん~っと。子供が服を着たがらない理由が何となく解ったよ。」
ふと窓を見ると、小さい方の月が窓から見えた、そして月明かりに照らされたソファーの一部が窓に写り込んでいた。
「ああ、本当綺麗だな~・・・・・あっ!!」
何かに気付いたのか、武瑠は慌ててソファーから飛び起き、椅子を窓辺に持って行き、そして椅子の上に上がり、窓をいろんな角度から覗くように見ていた。
「おお、そうだよ、何で気付かなかったんだろ、自分の容姿の事気付かなかったよ。」
尊流は窓を見ていたのでも、外を見ていたのでも無く、外が暗くなり窓ガスに室内の物が写り込むのを利用して、自身の容姿を確認していたのである。
「うわ~、顔も4歳児っぽいな、髪は黒か、目も黒目だな、い~っ。歯はやっぱりまだ乳歯か。ふむ、俺の子供の頃と違う顔だな、将来イケメンに成りそうだな♪」
自分の容姿を判る範囲で隅々まで確認して満足したのか、ローテーブルの上の食事跡をクリーンで綺麗にして、寝る事にしたのか、寝室へ入っていった。
「んん~、何とかキッチン使えないかな、椅子に乗ってやるって手も有るけど、治療魔法が有るとは言え、ちと危ないかなあ、椅子の乗り降りも面倒だし、木材加工の部屋も有ったし、台を作るって手も有るな、まあ、おいおい考えるとしますか。」
食事を摂りながら、どうにかキッチンが使えないか考えていた尊流だが、取り敢えずは現状維持を選択した、それよりも今は魔法の事で、頭がイッパイなのであった。
「それにしても、魔法ってのは凄いな~、こんなに便利だったら、そりゃ科学は発展しないよな、クリーンが有れば下水道要らないし、電気やガスだって魔石で賄えるし。こっちは生活自体が有る意味チートだな。」
食事を終えた尊流は、今日1日魔法の練習を通して、魔法の有用性をしみじみと感じていた。
暫く魔法の事に考えを廻らせた武瑠は、ふと思い立ち、ソファーから立ち上がった。
「よし、お風呂に入ろう。」
そう言って尊流はお風呂に向かった。
「えっと、石鹸はあるけどシャンプーは無いのか、アカスリは…無いか、このタワシ見たいので洗うのかな?何か便所ブラシの親戚みたいで嫌だな。」
ナイロンが発明されていないので、アカスリなど有る筈も無く、タワシのような物を使うしかないかと諦め、浴槽にお湯を貯めていた。
「これでよし。さて、異世界初のお風呂に入りますか、俺しか居ないから掛け湯も要らないよね。」
そう言うと尊流は湯船に飛び込んだ。
「あぶっ!グボボボッ ブハッ!!あ、危ねー、4歳児なのを忘れてた、溺れる死ぬ所だった、く、クリーン」
自分の体が小さいことを忘れ、浴槽になみなみとお湯を貯めており、そのまま浴槽に飛び込んだ尊流は、足が付かず溺れそうになってしまった、そして慌ててクリーンの魔石を触り、お湯を一旦消したのだった。
「あー、ビックリした。来て早々死ぬところだったよ。」
浴槽の中の一段高い所に腰掛け、気持ちを落ち着かせていた。
「こっちから入れば良かったのか、でも気持ち良くなって寝たら危ないな、そういえば本に湯量も調節出来るって書いてあったな。」
そう言って再び浴槽に湯を貯め始めた尊流だが、在ることに気付いた。
「体や髪が濡れてない…そうか、クリーンか、こういった使い方も出来るんだな、でも本には書いてなかったぞ?」
クリーンの新たな使用法を見つけた武瑠は、今度は丁度良い湯量の湯船に浸かって今日1日の疲れを癒していた。
「あ~~。気持ち良い。」
中身はおっさんの尊流、4歳児とは思えない風体でお湯に浸かっていた、すると武瑠はあることに気が付いた。
「なんだ?この出っ張り。」
浴槽は床に穴を開けた感じで、浴槽と壁の間は少し間が空いていたのだが、何か出っ張りが有るのに気付いた尊流はソレを近くで良く見てみた。
「ふむ、色は茶色いけど、金属なのか。鉄では無さそうだな、金具みたいだけど、ん?動くぞ?」
尊流が金物を動かすと、ガコンっと音がして、浴槽側の壁が少しズレた。
「ん?もしかして、あ、壁も動くぞ。」
浴槽から出て壁を触るとゆっくりと大きな跳ね上げ式の蓋のように壁が持ち上がって行った。
「おおお~!!露天風呂風になるのか!おお、さっきは気付かなかったけど、月が大小2つ有る!スゲー!お陰で景色もスゲー綺麗だ。」
風呂場の小粋な細工に心の中で女神に感謝する尊流であった。
「ふ~。気持ち良かった。」
風呂から上がった尊流は、クリーンで濡れた体を乾かし、裸のままソファーの上でくつろいでいた。
「地球では何となく全裸は気が引けたけど、ここは誰も居ないし、4歳児だから良いよね。」
そう言いながら、今度は寝そべっていた。
「んん~っと。子供が服を着たがらない理由が何となく解ったよ。」
ふと窓を見ると、小さい方の月が窓から見えた、そして月明かりに照らされたソファーの一部が窓に写り込んでいた。
「ああ、本当綺麗だな~・・・・・あっ!!」
何かに気付いたのか、武瑠は慌ててソファーから飛び起き、椅子を窓辺に持って行き、そして椅子の上に上がり、窓をいろんな角度から覗くように見ていた。
「おお、そうだよ、何で気付かなかったんだろ、自分の容姿の事気付かなかったよ。」
尊流は窓を見ていたのでも、外を見ていたのでも無く、外が暗くなり窓ガスに室内の物が写り込むのを利用して、自身の容姿を確認していたのである。
「うわ~、顔も4歳児っぽいな、髪は黒か、目も黒目だな、い~っ。歯はやっぱりまだ乳歯か。ふむ、俺の子供の頃と違う顔だな、将来イケメンに成りそうだな♪」
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