えっ!?俺が神様になるの? チートで異世界修行物語。

偵察部隊  元リーコン

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2章 少年期 2部 パルブス村編

4話 宴の準備。

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レイナルドに先導され、新しいパルブス村に付き、フェリシアを送り届ける事が出来たタケル達、女性達が家族と感動の再会を果たし、タケルは村長であるカルロスと話をし、自分の危惧は間違いでは無かったと確信する、フェリシア達のお祝いに誘われ、女性達の確認を取り取り、クシーナを連れてカルロスに報告をしに行ったが、葬儀の準備をしているカルロスに浄化をしてあげられる事を伝えたタケルはお祝いの事をすっかり忘れてカルロスの元を離れてしまったタケルは踵を返すとカルロスの元へ戻って行った。

「浄化の話ですっかりお祝いに参加する報告を忘れてたよ。」

「にゃはははは、タケるんも忘れる事有るんだね~。」

「そりゃあね、俺も人間だし。」

タケルは忘れて戻ってしまった事を笑いながらクシーナと話し、カルロスの元へ戻って行った。 

「あ、カルロスさん、すいません。お祝いに参加出来る事を伝えに来たんですが、忘れて戻ってしまいました。」

タケルの話を聞きカルロスは少しキョトンとし、その後笑い始めた。

「ハハハハ!そうか、忘れてたか。タケル君にも普通の少年と変わらないところが有るんだな、ハハハハ。」

カルロスはタケルにも普通の少年と変わらない所が有ると知り笑った、それはタケルの話を聞き、オークのコロニーを潰し、保護した女性達の記憶も消し、聖職者でもないのに浄化が出来る、そしてその大人びた喋りと振る舞い。タケルの事を特別な少年だと感じていたからだ。

「アハハハ。そりゃ忘れる事も有りますよ。」

タケルはにこやかな笑顔で笑っていた。そんなタケルと一緒に笑っていたカルロスがタケルに尋ねた。

「そう言えばタケル君、そちらの美しい女性は?」

「今日のお祝いに出す料理の助っ人として紹介しょうと思いまして。」

「おお、料理の事まで、タケル君、本当に有り難う。」

「食材もある程度提供出来ますんで、言って下さい。」

「食材まで、本当に何から何まで、ありがとう!」

カルロスはタケルの手を握り固く握手をし、タケルに話し掛けた。

「きっとみんな喜ぶよ。それとあとは墓穴を掘り終わったら葬儀を始めるから参列する人は墓地に集合するように伝えておいてくれるかい?」

「判りました。ところで墓穴を掘るのは大丈夫ですか?」

「ああ、それなら鉱山で働いていた住人が居て、掘削のスキル持ちだからすぐに掘れるから問題無いな。」

墓穴を掘るのがもし大変なら土魔法で掘ろうかと思いカルロスに聞いたが、問題は無さそうだったので、そのまま作業を見守る事にし、タケルは葬儀の事を念話でサビオ達に話をした。

『判った。皆に聞いておくの。』

『ええ、お願いします、参列する人が居るならレイナルドさんが迎えに行ってくれるそうなのでお願いします。』

タケルは念話をしながら作業を見守っていると、カルロスが言った通り、みるみるうちに穴を掘っていき、驚く程短い時間で穴が掘り終わった。タケルはその様子を見て感心していた。

(やはりこの世界は便利だな、スキルであれだけ掘れたら重機も開発されないよな。)

スキルの事に感心していると、次にある事に気が付いた。カルロスを始めポツポツと集まって来た村の住人が、胸に小さな花の形をした黒い飾りを着けていたのである、タケルはもしかしてと思いカルロスに聞いてみた。

「カルロスさん、その胸の飾りって・・・」

「ああ、これかい?この地方の風習でね、本当は黒い服装だったんだけど、なかなか黒い服装を用意出来ないからね、簡略化されて葬儀の際はこうやって黒い花飾りを着けるようになったんだよ。」

「やっぱりそういう意味だったんですね。」

「ん?ああ、タケル君達の分は無かったな、でも無くても構わないよ。」

「大丈夫です、用意出来ます。」

タケルはカルロスの胸の飾りを見ながら【メイクアイテム】の魔法を使い、アイテムボックスの中で黒い花飾りを人数分を作った。ちょうどタケルが花飾りを作り終えた頃、村の住人の参列者が揃い葬儀が開始される事になった。少し遅れてサビオ達も葬儀の場にやった来たので、タケルは全員に黒い花飾りを渡して着けてもらった。

「それでは、これよりアマンダとカミラとの葬儀を開始する、縁の有る者は前へ。」

タケル達が花飾りを着け終わった所でカルロスがそう声をあげた、村長であるカルロスが葬儀を仕切り、神父や僧侶の役目もするようだ。
 葬儀はカルロスの仕切りの元、つつがなく執り行われ、埋葬の直前にタケルが浄化をかけ、棺は其々の墓穴に下ろされ、土が被せられた。
 葬儀が終わると、アマンダとカミラの親族に挨拶をされ、感謝された、オークに連れ去られると、遺体すら見付からず、生きてるかどうかも判らず、葬儀すら出来ない事も多いからであった。

「タケル君、お陰で盛大に彼女達を見送ってやる事が出来たよ。」

「いえ、それは俺の力なんかじゃ無く、彼女達一人一人の思いのお陰ですよ。」

保護した女性達は今回埋葬されたアマンダとカミラを知る者は少なかったが、同じような目に遇い、命を落としたアマンダとカミラの死を悲しんだ、もしかしたら今回埋葬されたのは自分であったかも知れないと思い、心から悲しみ葬儀に参列していた。

「タケル君、宴の時間は日没と同時に行う事になった。それまでに提供してくれる食材を集会所の調理場に持っていってくれないか。小さいから早めに準備しないと間に合わないんだ。」

「宴の会場は集会所前の広場ですか?」

「ああ、そうだよ。あそこしかみんなが集まれる所は無いからね。」

集会所の前は村人が全員集まってもまだ余裕が有るほど広い広場であった、行事や集会、避難場所として広く確保してあった。

「カルロスさん、中央の場所をちょっと借りて良いですか?」

タケルは広場を見渡しながらカルロスに尋ねた。

「ん?ああ、構わないが、タケル君達は来賓席に座って貰いたかったんだが、まああそこが良いなら仕方無いか。」

タケルはカルロスの言葉に笑顔で答えるとスタスタと広場の中央に向かって歩いていった、広場の中央に立ち、タケルはぐるりと周囲を確認すると、タケルは【メイクハウス】を使って円形状の調理場とカウンターを作りあげた。
 円の直径は7、8メートル位で、中央には食材を置く為か、大きなテーブルが置かれている、円の内側は外向きに幾つもの調理場が作られており、小屋のキッチンのように魔石を使ったコンロや、水を出せる魔石も付いている。カウンターは食事をする為では無く、調理した物をカウンターに並べる為で、バイキング形式で食事が出来るようにタケルはキッチンを作りあげた。

「タケル君、これは・・・」

突然現れた大きなキッチンに驚いて駆け寄って来たカルロスが目を丸くしてタケルに尋ねた。

「キッチンですよ、ここに料理を並べて、自分で食べたい物を取り分けてテーブルで食べるんです。俺の国でバイキング形式って言われる食事の方法です。給仕が必要無いので人手が少なくて済むんです。」

「なるほど、大人数で食事をする場合には凄く便利だな。」

カルロスはタケルの説明を聞くとウンウンと頷くと、次にキッチンをぐるりと周ってまたウンウンと頷いていた。

「カルロスさん、お酒とか飲み物も自分で注げるようにするんで、予め持ってきて貰えますか?あと料理を担当する人も連れて来て下さい、キッチンの使い方を説明します。」

「あ、ああ。判った。すぐに連れてくる。」

カルロスはそう言うと料理人を呼びに走って行った。

「ほっ、タケル殿、これはまた面白い物を作ったの。」

「タケル様、これは・・・」

「うわ~♪タケるん凄~い!」

予め話を聞いていたサビオ達が様子を見にやって来た。サビオ達も変わった形のキッチンに驚き、確めるようにキッチンを見てまわっていた。

「なるほど、ここに料理を置いて取り分けるんだな、面白いの。」

サビオはすぐに理解し、感心していた。

「タケル様、楽しそうですね。」

アルミスは何だか楽しそうである。

「タケるん、面白い事考えるね~。」

クシーナはタケルの発想に感心していた。
 三人がタケルに感想を述べた時、五人程の人間が荷物も持って広場にやって来た。

「村長に言われて来たんだけど、これは・・・」

カルロスが呼びに行った料理人のようである、変わった形のキッチンに驚いている。

「あ、料理担当の方ですか?今日の宴はこのキッチンで料理を提供します。使い方を説明しますので中へどうぞ。」

タケルは中に住人を案内し、キッチンの使い方を説明した。

「これは凄いですね、魔石をこんなに沢山使ったキッチンは初めて見ましたよ。あ、セリオです、今日はよろしくお願いします。」

セリオが目を輝かせ、手を差し出してきた。

「宜しくお願いします。」

タケルはセリオの手を握り握手をすると、女性の料理担当の者が話しかけてきた。

「こんなキッチンを使えるなて楽しみです。あ、ルナです。」

ルナは明るくそう話し、タケルに頭を下げた。
その後他の三人とも挨拶を交わしたタケルは、中央のテーブルに大量の食材をアイテムボックスから取りだし並べた。

「な、何ですか!この大量の食材は!」

「凄い、こんなに大量に、しかもどれも新鮮だ。」

セリオ達はタケルの出した食材を手に取り、その新鮮さと、珍しさに驚いていた。

「あ、ウチの料理人を紹介するよ、クシーナだ、彼女は料理の腕は一流で、色んな料理を知ってるから今日はクシーナをリーダーにして皆で料理を作って下さい。」

「は~い、クシーナで~す!宜しくね~ん。」

クシーナは手を挙げて挨拶をしていた。

「あ、宜しくお願いします。」

「アハハ、クシーナさん面白い。」

クシーナの挨拶にセリフは真面目に応え、ルナは面白がって笑っており。他の三人は戸惑いながらも挨拶を交わしていた。

「さて、それじゃあクシーナ、宜しく。俺はテーブルと椅子を沢山作って来るね。もし手が足りなそうなら俺とサビオさんとアルミスも作れるからいつでも呼んで。」

タケルはそう言うとキッチンを離れ、【メイクアイテム】でテーブルと丸椅子を大量に作り、広場に並べて歩いた。
 丁度タケルがテーブルと机を並べ終わった頃、カルロスが住人数人と樽を転がして広場へやって来た。

「タケル君、エールと葡萄酒を持って来た・・・凄いな・・・」

「あ、カルロスさん、準備は大体終わりましたよ。おお、それはお酒ですか?それじゃあ、樽をあそこの台の上に載せて貰えますか?」

「あ、ああ。タケル君凄いね。テーブルや椅子まで・・・」

カルロスと住人は広場を見渡し見渡しながら唖然としていた。

「ええ、お祝いと弔いを兼ねて、どうせなら盛大にと思いまして。」

「あ、ああ、そうだな。盛大に弔ってやらないとな。」

カルロスはタケルの言葉を聞いて笑顔になりにこやかに笑った。

「タケル君。こうで良いのかい?少し傾いているし、これじゃあ中の酒を取り出せないぞ。」

「心配ご無用です。俺に考えが有るんです。」

タケルはニヤリと笑うと、【メイクアイテム】で金属製で少し大きなコックを作った、すると今度はコックを樽が乗った台に乗せ、もう一度【メイクアイテム】を使った。するとコックと樽が光り輝くと、樽の下部にコックが取り付けられ、光が収まった。

「タケル君、これは・・・」

カルロスはその光景を見て驚いていたが、それよりもコックが気になったようで、コックに手を伸ばし何気なく捻った。

「うお。エールが漏れた!」

慌てているカルロスをよそに、タケルがキュッとコックを捻った。

「おお!今度は出なくなった。」

「どうですか?これなら簡単に注げるでしょ。」

そう言ってタケルはコップをアイテムボックスから取り出してエールを注いで、カルロスに渡した。

「飲んでみて下さい。」

「え?ああ。別に出し方が変わっただけで味は変わらないだろ?」

カルロスたタケルに渡されたコップに口を付け一口エールを飲んだ。

「な!つ、冷たい!しかも旨い!」

「冷たい?エールが冷たいのか?カルロス、俺にも飲ませろ!」

カルロスと共に樽を運んで来た男性がコップをカルロスから奪い取り、エールを一口飲んだ。

「おお!本当だ!冷たくて旨いぞ!お前も飲んでみろ!」

男性は樽を運んで来た他の男性にコップを渡すと、その男性も一口飲んで驚いていた。

「こりゃあ、今夜の宴が楽しみになって来たぞ、俺は皆に声を掛けてくる!」

そう言うと男性は走っていき、広場から見えなくなった。

「全く、ブルーノの宴好きに拍車が掛かったようだな。」

カルロスが笑いながら呆れていた。

「子供とお酒が飲めない人用にジュースとお茶はこちらで用意しましたから、みんな楽しめると思いますよ。」

「そうだな、じゃあ、俺はランプをかき集めて来るよ。」

そう言って走り出そうとするカルロスをタケルが呼び止めた。

「あ、ランプは必要有りませんよ。灯りも用意します。」

カルロスは立ち止まり、タケルの方を見ると、溜め息をついた。

「ハア~。タケル君、本来君は賓客なんどけどね、これじゃあ君が主宰だよ。でも、有り難う、良い宴になりそうだよ。」

カルロスはまたにこやかに笑っていた。

「アハハハ。そうですね、楽しい宴にしましょう。」

その後、タケルはまた【メイクアイテム】を使い、長い棒の先に魔石を取り付けた物を沢山作り、広場に建てて回った。

「さて、料理はどんな感じかな?」

タケルがキッチンに行くと、セリオとルナ達がから揚げを試食して感動していた。

「おいし~!こんな美味しい料理初めて食べました!」

その様子を見たタケルは微笑み、セリオ達に声を掛けた。

「気に入ってくれたかな?試食が済んだらドンドン作って並べてね。」

タケルはセリオ達にお願いすると、作っておいた大量の皿とスプーンとフォークをテーブルの上に置き、カウンターに分散して置いて行った。

「タケル殿、これは大きな街の祭り並の希望だの。」

「タケル様、とっても楽しみです。」

タケルと共に色々と設置をしていたサビオとアルミスがタケルにそう言って笑っていた。

「アハハハ、ちょっと気合い入れすぎちゃいましたかね。でも良いじゃないですか、みんなが笑顔になってくれれば。」

そこにアルセリオが皆を連れてやって来た。

「おお、ここが宴の会場か、相変わらずタケルはやらかしてるな。」

「ひどいな、アル。盛り上げようと、頑張った結果だよ。」

「アハハハ、まあ、そうむくれるなよ、ちょっと良い話を仕入れたんだ。」

「ん?なになに、いい話って。」

アルセリオがタケルの肩に腕を回し、小さい声で話を始めた。

「ああ、彼女達と話をしていて判ったんだが、あそこの五人は旅芸人で踊り子だったそうだ、今日の宴で躍りを披露してくれるらしいんだが、衣装が無くてな、タケルに作って欲しいんだ。」

保護した女性達の中から五人が前へ出て来て手を振っていた。

「アル。素晴らしいじゃないか!判った、すぐにどんな衣装が良いのか打ち合わせをしよう。」

「おお、たまたまだがな、あと、あっちの三人は楽器を扱えるらしい。」

次に三人の女性がタケルに頭を下げた。

「おお、凄い!じゃあ楽器も作らないとな。」

「よし、じゃあ頼んだぞ、ステージも忘れるなよ。」

アルセリオは皆を呼ぶと席に座らせていった。

「アルって社交性抜群だったんだな・・・」

タケルはアルセリオの意外な一面をみてそう呟いた。そして、日没が近づくとポツポツと住人が集まって来た、広場の光景を目にした住人は驚き唖然とする者、目を輝かせ期待に胸踊らす者等様々であるが、みんな一様に最初は驚いていた。










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