えっ!?俺が神様になるの? チートで異世界修行物語。

偵察部隊  元リーコン

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2章3部フィナールの街編

21話 再戦

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新種の魔物の対策会議の為にフィナール伯爵の屋敷に来たタケル。会議に出席してるが、人達に新種の魔物の事を説明すると、どよめいていた。ビエントの提案で新種の魔物のゴーレムを作って訓練が可能で有る事を見せる事に。するとフォルティスがゴーレムと対戦したが、手も足も出ずに負けてしまった、会議の出席者が顔を青くしているのに気付いたフォルティスは、次は本気でやると言って再度ゴーレムに向かって行った。

「さあ、第二回戦だ。今度は負けねーぞ!」

フォルティスはそう言うと、爆発的な突進で距離を詰め、剣を切り上げた。当然ゴーレムはそれを避けたが、フォルティスはそれを読んでいたのか、更に距離を詰めて剣を振り下ろした。しかしそれもゴーレムは避けたが、先程よりもギリギリで避けた感じであった。

「まだまだいくぞ!オラァ!」

フォルティスは休むこと無く攻撃を続けては避けられを繰り返していた。

「流石フォルティスだな、あれだけの攻撃を連続で仕掛けているのに全く息が切れていない。」

ビエントがフォルティスの攻撃を見て、その激しい攻撃の連続でも息を切らせていない事に感心していた。その時であった。

「ああ!」

連続して攻撃していたフォルティスの隙を突いて、ゴーレムが前足で攻撃をしてフォルティスが吹き飛ばされた。

「おお、堪えたぞ!」

フォルティスは吹き飛ばされながらもそのまま着々して剣を構えた、どうやらガードしていたようである。するとフォルティスはその場から斬撃を飛ばし、同時に自らも突進してゴーレムに強烈な剣撃を打ち込んだ。斬撃を避けた所にフォルティスの剣撃が初めてゴーレムに当たった。、初めてフォルティスの攻撃が当たった事で戦闘を見ていた人達から歓声が上がった。

「おお!攻撃が当たったぞ!」

フォルティスの攻撃はゴーレムに当りはしたが、大したダメージは与える事は出来なかった、しかしそれでも皆攻撃が当たった事に沸いたていた。

「いいぞ!その調子だ!」

フォルティスはまたも斬撃を飛ばすと同時に剣撃を打ち込んだ、また剣撃が当り、皆が沸いた。その後はフォルティスが斬撃を飛ばすのと同時に剣撃を繰り出すというのを繰り返し、徐々にゴーレムにダメージを与えて行った、しかしゴーレムの攻撃もフォルティスに当たるようにもなり、どちらが倒れてもおかしくない状態で激しい先頭が繰り広げられた。

「恐らく次で決まるな。」

長く繰り広げられた戦闘が一瞬膠着した時にビエントがそう口にした。
 するとフォルティスが先程よりも大きく力を溜めるかのように構えると、剣を振り大きな斬撃を飛ばした。ゴーレムは斬撃を避けたが、弾けた斬撃がゴーレムの体に当り、キズを付け体勢を崩した。それを狙ったかのようにフォルティスが剣を振り下ろし、ゴーレムを両断した。

「おお!フォルティスが勝ったぞ!」

戦闘を見ていた会議の出席者はフォルティスの勝利に沸いていた。タケルはフォルティスに駆け寄り、ヒールを掛けた。フォルティスのキズが消えるとフォルティスはタケルにお礼を言うと、その場に座り込んだ。

「あ~疲れた。こりゃあ本物には今のままじゃ勝てないな。」

フォルティスはそう言って笑っていた、そして座り込んだフォルティスに歩み寄って来たビエントも険しい顔をしていた。

「やはり事態は深刻だな。」

「ああ、ブレスを使われてたら、やられてたのは俺だろうな。」

ビエントはフォルティスが苦戦したのを見て、ブレスや予知を使う本物の魔物には到底敵わないと感じていた。そして実際に戦ったフォルティスも勿論そう感じていた。

「んん~。これはマズイですね。」

タケルがそう言うと、ビエントがタケルに真剣な顔で話し掛けてきた。

「タケル君、お願いが有るんだが・・・」

「なんです?改まって。」

「ここで話すのもちょっとな。少し二人で話したい。」

ビエントは周囲を見渡しそう言った。

「判りました、ではあそこに行きましょう。」

タケルはそう言うと、ビエントと自分に隠匿の魔法を掛けて物陰に移動すると、セーフティゾーンの扉を出現させて、ビエントと共に中に入っていった。

「タケル君、ここは・・・先日と違うようだが・・・」

ビエントは突然木造の小屋の中に移動し驚いていた。以前に行った、あの草原や岩山が点在する異空間だと思っていたからである。

「ああ、こっちは初めてでしたね。ここはあそこと同じく魔法で作ったらセーフティゾーンで、俺達の家でもあります。」

「ここが家・・・」

「どうぞ、座って下さい、今お茶を淹れます。」

タケルはビエントを座らせると、キッチンに行き紅茶を淹れ、ビエントの前に置いた。

「旨いな、これは?」

「紅茶です、パルブス村で栽培が始まってるので、もうすぐ流通すると思いますよ。」

「そうか、君は色々やってるな。」

「ハハハ、確かに。其で話ってなんです?」

「ああ、その事なんだが・・・」

ビエントはそこまで言うと、言いにくそうにしていたが、いきなり頭を下げてお願いしてきた。

「タケル君。お願いだ、君の力を貸してくれ!」

「力を貸すとは?」

「今のままではあの魔物はタケル君、君にしか倒せん。だから選抜した何人かの冒険者だけで構わん、君の力で強くしてやって欲しい。いきなり厚かましいお願いなのは判ってる!しかし、あの魔物が街に来たら街は壊滅してしまう!」 

「良いですよ。」

「もし駄目ならフォルティスだけでも・・・え?今なんと・・・」

「良いですよ、協力しますよ。」

ビエントはタケルがあっさりと了承したことに呆気に取られていた、通常冒険者は自分達の強さの秘密やてのうちは明かさないのが普通だからだ、それ故ビエントはタケルが断るか、渋ると思っていたからであった。

「良いのか?タケル君、君達の強さの秘密がバレるかもしれないんだぞ?」

「まあ、基本的に俺が居ないと出来ない方法なんで別に構わないですよ。」

「それは一体どんな方法で・・・差し支え無ければ教えて貰えないか?」

タケルは少し考えていたが、すぐに了承した。

「まあ、良いですよ、どのみちバレる訳ですからね。」

タケルは【パーティー】の魔法の事を話し、経験値の割り振りが自由に出来る事を説明した。

「まさか、そんな事が・・・・しかし確かにそれなら君達のパーティーが強いのも頷ける。」

「それに加えて皆大精霊と聖獣の加護を受けてますからね。」

「大精霊に聖獣の加護を!!・・・驚いたな。」

ビエントはまたも驚いた、この世界では精霊は希に見る事が出来る者が居るが、大精霊などお伽噺の世界でしか聞いた事が無いからであり、会った事が有る者はおろか、見たことが有るという人物と会う事すら無いと言うのが常識であるからであった。

「ビエントさんが何人か集めて俺がその後は適正を判断します。それでも良ければ。」

「ああ、勿論だ。」

「あ、集める人間は強さは関係無く集めて下さい。そうですね、30人位まででお願い致します。」

「判った、戻ったら至急集めるとしよう。」

「じゃあ、戻りますか。あまり遅くなると詮索されてしまいますからね。」

「ああ、そうだな。」

タケルとビエントは紅茶を飲み干すと扉を通り、フィナール伯爵の屋敷へと戻って行った。
 タケルとビエントが戻ると、会議の出席者達が破壊されたゴーレムとフォルティスを囲み話をしていた。フォルティスに説明を受けたのか、みな一様に真剣な顔付きになり、色々話をしていた。

「おお、ビエント、そこに居たか。お前はどうすれば良いと思う?」

フィナール伯爵がビエントを見つけそう声を掛けてきた。

「ああ、すいません、ちょっとトイレに行ってまして。」
 
そう言ってビエントはフィナール伯爵のに近付くと、さりげなく耳元に顔を寄せ、小声で話を始めた。

「アルフ、その事だがなんとかなりそうだ、今日はお開きにしてくれ、少し話がしたい。」

「判った。」

フィナール伯爵はそれ以上何も聞かず、一言だけ返事をすると、皆に向かって話し始めた。

「皆聞いてくれ!新種の魔物の事は良く判ったと思う。ここでこれ以上話をしても仕方がない、続きはギルドの調査が完了してからとする。これにて解散とする、本日はご苦労であった、気を付けて帰ってくれ。」

フィナール伯爵がそう言うと、皆それぞれフィナール伯爵に挨拶をして帰って行った。フォルティスも帰ろうとしたが、ビエントが声を掛けて残るように言い、残ってもらった。
タケル達は皆が帰ったのを確認すると、先程の円卓に戻り、話をする事にした。

「ビエント、なんとかなりそうだと言ったが、どんな秘策が有るんだ?」

フィナール伯爵がそう言うと、ビエントが話を始めた。

「ああ、二人ともタケル君の強さはあの魔物を通した事から判るな?」

フィナール伯爵とフォルティスが頷くとビエントは話を続けた。

「実はさっきタケル君にお願いをしてな、俺が選んだ人間を強くしてもらえる事になったんだ。」

ビエントの話を聞くと、フィナール伯爵は不思議そうな顔をしてビエントに尋ねた。

「強くしてもらえるって言ったって、タケル君に鍛えて貰ったところで、いきなり強くは慣れないだろう。」

「タケル君のパーティーは全部で9人だが、一人を除いて全員が今日付けでAランクに昇格した。意味が判るか?」

ビエントの話を聞き、フィナール伯爵が驚いた表情をしていた。しかし、そこで静かな口調でフォルティスが口を開いた。

「パワーレベリングか。」

「パワーレベリング?なんだそれは?」

フォルティスが言ったパワーレベリングというワードにフィナール伯爵は意味が解らなかったようで、ビエントに尋ねた。

「パワーレベリングと言うのはな、レベルの高い者が低い物を連れて狩りに行き、魔物を瀕死の状態に持っていき、レベルの低い者にトドメを刺させるという方法だ。」

「なるほど!それなら簡単に強くなる事が出来るな!」

ビエントの説明を聞いて、フィナール伯爵は簡単に強くなれると喜んだ、しかしフォルティスは険しい顔で話し始めた。

「確かに手っ取り早く強くなるにはパワーレベリングは有効だ。しかしリスクも高い。」

「リスクが高い?それはどういう事だ?」

フィナール伯爵がそう言うと、理解してない事にイラついたのか、ビエントは少しイラついた口調でフィナール伯爵に向かい話し始めた。

「アルフ、全くお前って奴は、冒険者を辞めて長いからってそんな事も解らんのか!良いか?早くレベルを上げるには強い魔物を倒させなくてはならん、しかしいくらレベルの高い者が付いて居ようと、低レベルの者を連れて行けば、そいつを守りながら戦わなくてはならん。戦いに集中力しようとするなら護衛が必要だ、危険を減らすために弱い魔物と戦えばなかなかレベルが上がらない。言う程簡単な事ではないんだ!普通はな。」

「成る程、そうか。なかなか上手く行かないものなのだな。」

フィナール伯爵はビエントの話を聞き腕を組みウンウンと頷いていた。

「ようやく理解出来たか。しかしタケル君にお願いしたのは、ただのパワーレベリングじゃない。」

「ビエントさん、それはどういう事だ?詳しく教えて貰えるか?」

フォルティスはビエントが言ったただのパワーレベリングじゃないという言葉に反応し、ビエントに詳しく教えてくれと詰め寄った。

「まてまてフォルティス、慌てるな、私よりも直接タケル君に聞いた方が良いだろう。」

「あ、そうだな。ではタケル君、教えて貰えるか?」

フォルティスはタケルの方に向き直り、そう言って教えて貰うのを待った。

「判りました。」

タケルはそう言って再び【パーティー】の魔法の事、経験値の割り振りの事を説明した。

「・・・タケル君、君は凄いな。その気になれば最強の軍隊も作れるじゃないか。」

フォルティスはタケルの話を聞いて感心したようにそう言った。

「俺はそんな事には興味無いですよ。」

「ハハハ、そうか。その気ならとっくにやってるか。」

フォルティスは笑っていたが、ビエントは少し安堵の表情で口を開いた。

「タケル君が味方で良かったと本当に思うよ。」
     
「確かにそうだな。」

「うむ、全くだ。」

ビエントの言葉にフォルティスとフィナール伯爵も大きく頷きながら同意した。

「え、皆さん俺を何だと思ってるんですか?」

「え?いや。そりゃあなあ・・・」

「え、なあ。」

「ん?うん。まあ・・・」

タケルのその言葉を聞いた3人は、互いに目を合わせて歯切れの悪い言葉と苦笑いで誤魔化した。

「ハイハイ、どうせ規格外とか非常識だとか言いたいんでしょ。」

タケルは腕を組んでふてくされたような表情をしてそっぽを向いた。

「あ、いや、タケル君。そんな変な意味は・・・」

フィナール伯爵がタケルの機嫌を損ねたら大変だと思い、慌ててそう言ってタケルに言い訳を始めた。

「アルフ、なに真剣に受け取ってんだ、今のはタケル君の冗談だろ。」

「え、そ、そうなのか?」

「ええ、アレくらいでヘソ曲げる程小さく無いですよ。」

タケルが笑顔でそう答えると、フィナール伯爵はホッと胸を撫で下ろした。

「そ、そうであったか、安心したぞ。」

「アルフ、話を進めよう。」

「え?ああ、そうだな。そうするとしよう。」

ビエントが話を進めように言うと、フィナール伯爵はそう言うと、タケルによるパワーレベリングの話しに戻し、人選を決めることになった。

「人選はタケル君から俺に一任されている、だからアルフ、お前は10人選んで寄越してくれ、条件はさっき言った通りだ。」

「うむ、分かった。では10日後の朝イチに、こちらで選んだ者をギルドに向かわせよう。」

「ああ、闘技場を開けておく、そこでタケル君に選ばれた者だけが強くなれる、変な奴は寄越すなよ。」

「何だかそう聞くと俺が凄く偉そうですね。」

タケルがそう言って笑うと、ビエントがタケルに話し掛けた。

「そらそうだろう、タケル君。今回の事はタケル君が居てこその話だ、そのタケル君が変な奴は嫌だと言うんだ、そうなるさ。それに私達も邪な心の持ち主には強くなって貰いたくはないからな。」

ビエントもタケルと同様に邪な心を持つ者や、その可能性のある者に、過ぎた力を持たせたくないと考えていた。強い力を持ち自分が偉いと勘違いしたり、傲慢になったり、悪巧みをする奴が居るからだ。ビエント自身も冒険者時代にそうなった者を沢山見てきたからである。

「ところで、俺はどうすればいいんだ?」

「フォルティスさんは冒険者の視点から候補を選んで頂けますか?」

タケルがそう言うと、フォルティスは少しつまらなさそうな顔をした。

「なんだ?選ぶのは面倒か?」

「え?いや。俺は選ぶ側なのかと思ってな。」

ビエントがフォルティスのつまらなそうな顔をミディアム尋ねると、フォルティスはそう答えた。どうやら自分も強くなりたいと思っいたが、人選を任された事で自分は候補から外れたと思ったようである。

「え?フォルティスさんはもう人数に入ってますよ、勿論ミケーレさんとソレーラさんも入ってます。」

「え?そうなのか?」

フォルティスは自分も強くなれると判ると、急に嬉しそうにし、やる気を出した。

「そういう事なら、俺も思い当たる奴が何人か居る、声を掛けておこう。」

「現金なやつだな。」

「そらそうだろう、常に強さを求め、高みを目指す。それが冒険者ってもんだろう。それに俺の強さも頭打ちな感じがしてたからな、強くなれるなら人選くらい喜んでやるさ。」

「はっはっはっ。正直であるな、フォルティスよ、お主にはこの街の冒険者代表としてこれからも頑張って貰いたい、タケル君の元で精進してくれたまえ。」

「はっ。フィナール伯爵、精進致します。」

「それじゃあ、今日はもう遅いので帰りましょう。」

「おお、そうか、なら馬車を用意させよう。」

「あ、いえ。魔法で帰るので大丈夫です。」

タケルは揺れる馬車に乗るのが嫌で、魔法で帰ると言った、するとビエントが少し驚いた表情でタケルに話し掛けてきた。

「タケル君、良いのか?その、見せてしまって。」

「ええ、フィナール伯爵になら構いませんよ。」

「そうか。」

「ん?何がだ?」

フォルティスは二人の会話が理解出来ず、不思議な顔をしていた。

「フォルティスさん、帰りますよ。それではフィナール伯爵、失礼致します。」

タケルはそう言うと、ビエントとフォルティスと共に転移でギルドに戻った、ビエントと別れると、驚くフォルティスと共に深緑の森の泉亭に転移で戻って行った。

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