えっ!?俺が神様になるの? チートで異世界修行物語。

偵察部隊  元リーコン

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2章3部フィナールの街編

23話 奴隷商

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パワーレベリングの話も終えたタケルは、フォルティスと宿に戻り、フォルティスと別れ自室に戻った。既に夕食を済ませた事を聞いたタケルは街を散策する事にした。街を散策していると、売春宿が建ち並ぶ場所を抜け、とある気になった建物に無意識に入ると、そこは奴隷商であった、しかも驚いた事に奴隷商の会頭エドガルドは本来なら知り得ない人材確保の話を知っており、タケルは思わず身構え殺気を込めてしまった。

「タケル様、少し殺気を抑えて頂けますでしょうか?この者達は平気で御座いますが、他の部屋の奴隷達が怯えてしまいます。」

「あっ、すいません、少し驚いて思わず・・・」

「驚かせてしまい申し訳ありません、先ほども申し上げました通り、私共は情報が命です。独自の情報網を持っておりますので、逐一情報が入って来ております。それ故タケル様に相応しいと思う人材を用意致した次第で御座います。」

エドガルドは頭を下げながら丁寧に説明してきた。 

「そうですか・・・それにしてもとんでもない情報網ですね。」

「ええ、有り難う御座います。王国随一を自負しております。」

タケルにそう言われると、エドガルドはそう言って笑顔で頭を下げた。

「それで、タケル様。この者達は如何で御座いましょうか?」

エドガルドは奴隷達を指し示し、タケルにそう聞いてきた。

「いや、そう言われても、ここが奴隷商だなんて知らなかったし・・・」

「タケル様、この者達は必ずタケル様のお役に立つと、我がエドガルド商会の名に賭けてお約束致します。」

エドガルドは真剣な顔付きでタケルにそう言った。タケルは何故かエドガルドの言葉に反論出来ないでいた、何故かエドガルドの言葉には妙な説得力が有ったのだ。

(何だろ、その気になってる自分が怖い・・・・あの人のスキルかな?)

タケルはエドガルドをトレースの内包鑑定で鑑定してみた。しかしこれと言って特別なスキルを持っている訳ではなかった。

(おかしいな、特別なスキルは持ってないな、不思議な人だな。)

エドガルドの言葉は長年の経験と、偽りの無い本心から来ることばである為、説得力があるのだとタケルは思った。

(あの人達は・・・・)

タケルは先程から黙って俯いている奴隷達も鑑定してみる事にした。

(なるほど、全員Bランク相当の実力か。それになかなか面白いな。)

奴隷の五人はそれぞれが違った特色を持ち、面白いスキルや魔法を持っていた。

左の男性から、フィデル 剣士 (男性 種族 人族 )

特筆内容 [スキル] 
【誘導斬】斬撃を敵に誘導して当てる事が出来る。
【トワイスブレード】連続で斬撃を放つと倍々で斬撃を増やして行ける。但し体に掛かる負担も同じように増えていく。

ジラルド 魔操術士  (種族 人族、精霊の血が混じってる。)

魔法使いに似ているが、各属性のうち適正の有るものを操る事が出来る。火の適正であれば、火や炎を操れる、敵の放った魔法でも操れる。


エステル 操鞭士 (種族 人族、)

鞭を武器として使う事は勿論、生き物のように操る事が出来る。鉱物や金属も鞭として操る事が可能。魔力の消費が激しい。


シーラ 魔弓手 (種族 ダークエルフ)

魔法を矢として飛ばす事が出来、矢を必要としない、魔力を込めるほど威力が増す。但し弓の性能により込められる魔力が変わる。



レナーテ 特殊調教師 "テイマー "  (種族 ハーフエルフ)

動物や魔物を調教し従わせる事が出来る。自分より強くても、ある程度は目を見ただけで調教出来る。


タケルは五人の面白い特性を見て、五人とも購入しても良いと思い、エドガルドに値段を聞いてみる事にした。

「因みに、お値段はお幾ら位なんですか?参考までに教えて貰えますか?」

「はい。男性は1人200万ベルク、純金貨2枚で御座います。女性は1人300万ベルク、純金貨3枚で御座います。どの者達をお選び頂いても、決して損はしないとお約束致します。」

エドガルドはタケルに対し金額を教えると、選んでくれとでも言うかのように、奴隷達を指し示した。

「判りました。購入致します。」

「それではどの者をご購入なさいますか?」

エドガルドは再び奴隷達を指し示し、選んでくれというような身振りをした。

「全員買います。」

「全員で御座いますか?」

「ええ、そうです。」

エドガルドは特に驚きもせず、タケルに確認を取ると少しだけ微笑んで、タケルに話し掛けた。

「やはりタケル様は思った通りのお方ですね。この者達のスキルや職業は優秀な筈なのですが、聞いた事が無いスキルや職業な為、普通の方には理解が出来ないのです、しかしタケル様は瞬時にご理解なされた、素晴らしい見識をお持ちですね。」

「何故俺がスキルを理解したと判ったんですか?」

「鑑定のスキルを使いますと、僅かですが目の輝きが変わるのです。私は人を観察するのが得意で御座いまして、それで判ったので御座います。もっとも、普通の人には判別が付かない程の変化ですが。」

エドガルドはタケルが鑑定を使い、スキルを確認した事を目を見ただけで見抜いたと言い、ほんの少しだけドヤ顔をしたように見えた。

「それでは代金の支払い後に、この者達の隷属紋を、タケル様の物に変更致します。宜しいですか?」

エドガルドはそう言うと、綺麗な布で飾り付けられたトレイを差し出した。タケルは五人分の代金、1,300万ベルク、白金貨1枚と純金貨3枚をアイテムボックスから取り出し、トレイの上に乗せた。

「確かに、1,300万ベルク、頂戴致しました。」

エドガルドはそう言うと、指をパチンと鳴らした。すると、入り口からローブを纏った男が入って来た。

「こちらの紋章士によりタケル様へ隷属の紋章を変更致します。」

エドガルドがそう言うと、紋章士は軽く頭を下げると、懐から魔方陣が描かれた紙を取り出した。

「こちらの魔方陣に血を1滴ずつ垂らして下さい。」

紋章士はそう言って魔方陣が描かれた紙をタケルに手渡した。タケルは言われた通り血を垂らし、紋章士に魔方陣が描かれた紙を返した。

「では、奴隷の前へ。」

タケルが奴隷の前に立つと、紋章士は懐から水晶を取り出し、魔方陣の描かれた紙を奴隷の胸元に当て、タケルの方に水晶を差し出した。

「水晶に手を乗せて下さい。」

言われた通りタケルが水晶に手を乗せると、魔方陣の描かれた紙が一瞬で燃え、奴隷の胸元と水晶が淡く光った。紋章士が奴隷の胸から手を話すと、胸元に紋章が光って浮かび上がり、暫くすると光が消えて見えなくなった。
その後紋章士は残りの4人にも同じようにし、隷属の紋章を変更した。

「これで終了です。」

紋章士はそう言うと、青い顔をして膝を付いた。魔力切れを起こしたようである。

「大丈夫ですか?」

タケルが声を掛けると、紋章士はヨロヨロと立ち上がり、力無く頷くとそのまま部屋を出ていった。

「申し訳ありません。お見苦しい所をお見せ致しました。普段は多くても3人なものですから、5人を1人で対応するには少し多かったようで御座います。」

そう言ってエドガルドは頭を下げた。

「あの、それでどうすれば良いんですか?」

「はい、このまま皆を連れてお帰りになられて結構で御座います。」

しかしタケルは奴隷達を見て、どうしようか少し困っていた、貫頭衣はシーツに穴を開けてそこに頭を通し、腰の辺りを紐で縛っただけのもので、このまま連れて歩く訳にはいかないと思ったからである。それに足も裸足であり、首元には鎖の付いた首輪が付けられたままであった。

「えっと、服とか置いてないですか?」

「申し訳御座いません、そういった物は用意して御座いません。」

「そうですか・・・判りました。」

タケルは少し残念そうにすると、アイテムボックスの中身を確認しだした。

(材料足りるかな・・・おっ、まだ結構有るな。)

タケルは【メイクアイテム】を使い、奴隷達の服を作成し始めた。。男性はシャツとパンツ、女性にはいつものディアンドルを作成すると、それぞれに服を渡し着替えるように言うと、奴隷達は服を見て驚いていた。タケルが服を作り出した事では無く、上等な服を渡された事に驚き、戸惑っていた。

「あれ?どうしたの?それに着替えてくれないかな。」

タケルは服を見て戸惑う奴隷達にそう言って、何故すぐに着替えようとしないのか不思議に思っていた。すると、エドガルドがタケルに話し掛けてきた。

「タケル様、この者達は戸惑って居るので御座います。そちらの服はロックウールハウンドのウールで作った服で御座いますね。」

「ええ、そうですけど。」

「それでしたら尚更で御座います、何故ならロックウールハウンドのウールは採集が非常に難しく、大変高値で取引される素材で有るからで御座います。この者達は奴隷ですから、このような上等な服を着ても良いのか判らず、例え着たとしても、汚したり破損したら弁償も出来ずに困るからで御座います。」

タケルはその話を聞くと、少し安心して笑いながら奴隷達に話し掛けた。

「なんだ、そんな事を気にしてたんだね。気にしなくて良いよ、その服はみんなにあげるんだから、汚そうが破損しようが構わないよ。」

「いや、しかし・・・」

奴隷の1人、フィデルが初めて口を開き、そう言ってタケルが渡した服を着るのを躊躇った。

「え?そう言わず着てよ、別にお金取ったりしないし、恩を売るつもりも無いからさ。」

タケルはそう言って服を着替えるよう促したが、やはりみんな着替えるのを躊躇っていた。そんな姿を見たタケルは溜め息を吐くと、語気を強めて奴隷達に言った。

「ハァ、こんなこと言いたく無いが、仕方無い。良いから着るんだ!命令だ。」

タケルがそう言うと、奴隷達は体をビクッとさせたかと思うと、次に急いで服を着替え始めた。貫頭衣の下は全員裸なので、一斉に貫頭衣を脱いだ奴隷達は全員その場で全裸になってしまった。

(あ、いけね。そらそうなるよな。)

タケルはそう思いながら、全裸になった奴隷達の体を観察した。奴隷達の体は、全員大なり小なりキズ痕が多く付いていた。

(なるほど、愛玩奴隷には向かない訳か。)

そうしてると、全員が服を着替え終わり、気を付けの体勢で立っていた。

「うん、良いね、楽にして。」

タケルは着替え終わった奴隷達を見てそう言うと、有ることに気付いた。

「あ、靴忘れた。」

タケルは【メイクアイテム】靴を作り奴隷達にそれぞれ渡した。靴は魔物の革で作った物だが、敢えて作りを雑にしたので今度はすんなりと靴を履いてくれた。

(なんだろ?贅沢しちゃいけない決まりでもあるのかな?)

タケルはそう思い、エドガルドに聞いて見ることにした。

「あの、エドガルドさん。」

「はい、何で御座いましょうか?」

「奴隷の方達って贅沢しちゃいけないとか、何か決まりでも有るんですか?」

タケルがそう質問すると、エドガルドは少し微笑みながら答えた。

「いいえ、特にそのような決まりは御座いません。奴隷達の行動を見て、そう仰られたのかと思いますが、奴隷達はそういうものだと思っているのですよ。当商会へ来る前は皆他の奴隷商におりましたから、尚更で御座いますね。」

「そうなんですか。でもこれからは普通の感覚になって貰いたいですね。」

「奴隷達にで御座いますか?」

タケルの言葉に少し驚いたようにエドガルドが尋ねた。

「ええ、そうですよ。今は奴隷ですけど、すぐに解放するつもりですしね。」

エドガルドは一瞬目を丸くして驚いた。そして少し微笑んでタケルに話し掛けた。

「タケル様はお優しいお方ですね、やはりタケル様にご紹介して良かった。」

「え?いやそんな事ないですよ。あっ、そろそろ戻ろうと思います。」

「左様で御座いますか。表までお見送りさせて頂きます。」

「あっ、その前に首輪を外して貰えますか?」

「首輪をで御座いますか?タケル様、奴隷を縛るのは奴隷紋ですが、普段は服等に隠れてしまうので、一目で奴隷と判るようにわざと目立つ首輪を付けるものなのですが、よろしいので?」

「ええ、お願い致します。」

「畏まりました。」

エドガルドはポケットから鍵を取り出し、首輪を1人ずつ外していった。

「外した首輪はどうなされますか?」

「あ、要らないので処分してください。」

「畏まりました。こちらで処分致します。」

エドガルドはそう言うと、上着のポケットからマジックポーチを取り出し、外した首輪を仕舞うと、タケルと奴隷達を建物の外まで見送りに出てきた。

「皆さん、良い主人が見付かり良かったですね。しっかり仕えるのですよ。」

エドガルドがそう言うと、奴隷達は背筋を伸ばし頭を下げた。

「お世話になりました。」

全員が声を揃えてそう言うと、エドガルドはにこやかに笑っていた。

(奴隷商のイメージが変わったな、みんなエドガルドさんに感謝してるみたいだし。)

「それじゃあ、有り難う御座います、かえりますね。」

タケルがそう言うと、エドガルドは微かに微笑みながら、挨拶をした。

「タケル様、この度は誠に有り難う御座いました。その者達を宜しくお願い致します。またご入り用の際はいつでもお出で下さいませ。」

エドガルドはそう言って頭を深々と下げた。

「ええ、それでは。」


タケルはエドガルドにそう告げると、奴隷達を連れて暫く歩くと、物陰に入り転移で宿の裏の物陰に戻った。

「さて、どうするか。いきなり5人も増えちゃったけど・・・取り敢えず泊まれるか聞いてみるか。」

タケルは宿に話をしに行こうとすると、奴隷達が突然景色が変わった事に驚き辺りをキョロキョロと見回してるのに気がついた。

「あ、そりゃそうだよな。」

タケルは奴隷達に転移の魔法の事を説明し、固く口止めをすると、奴隷達は皆コクコクと頷いていた。

「それじゃあ、宿に泊まれるか聞きに行こう。」

タケルは奴隷達を連れて宿に入ると、メリッサに宿に泊まれるか聞いた。

「あら、タケルさんのお知り合い?」

「ええ、まあ。」

「丁度部屋が空いてるわ、女性は4人部屋で、男性は2人部屋でよろしいかしら?」

「ええ、構いません。」

「ではこちらが2人部屋、こちらが4人部屋の鍵になります。」

「有り難う御座います。」

タケルはメリッサから鍵を受け取ると、剣士のフィデルと操鞭士のエステルに鍵を渡した。

「じゃあ、今日はここに泊まってね。」

タケルはそれぞれの部屋に入りちゃんとベッドに寝るように指示を出し、自室に戻ろうとした時に有ることを思い、奴隷フィデル達の部屋に戻り話し掛けた。

「みんなは夕食は食べた?」

タケルが聞くと、フィデルが恐る恐る答えた。

「た、ご主人様、夕食はまだ食べておりません。」

「そっか、ゴメンゴメン、気が付かなくて。じゃあこれ食べて。あっ、それとご主人様と言うのは禁止ね、タケルで良いから。」

タケルのはアイテムボックスからスープと唐揚げとご飯を出してテーブルに置いた、ナイフとフォークも取り出しテーブルに置くと、ちゃんと席に着いて食べ始めるのを確認して、からエステル達の部屋に行くと、エステル達は服を脱ぎ、全裸でベッドの上に座っていた。

「えっ?なっ、なに?どうしたの?」

タケルが驚いて聞くと、エステルが答えた。

「ご主人様、夜伽の準備をしてお待ちしておりました。」

エステル達はそう言ってベッドの上で座ったまま頭をた。

「いやいや、そんなのしなくて良いから!早く服を来て!」

タケルがそう言うとエステル達は不思議そうな顔をしながら服を着始めた。

「夕食を持って来ただけだからさ、ここに置いておくからちゃんと食べんるだよ、良いね。」

タケルがそう言うと、着替え途中ので手を止めて返事をして頭を下げた。

「あ~、今は返事は良いから早く服を着てね。」

少ししてエステル達は服を着終わると、食事の置かれたテーブルの前に立ち、食事を見下ろして見つめていた。

「やっぱり・・・君達の食事だよ。ちゃんと椅子に座って食べてね。」

タケルがそう言うと、エステル達は恐る恐る椅子に座ると食事を食べ始めた。余程美味しかったのか、お腹が空いていたのか、次第にがっつくように食べ、食器が空になった。

「このような美味しいものは初めて食べました。ご主人様、有り難う御座います。」

エステル達が立ち上がったかと思うと、跪き、頭をを下げ、そう言った。

「あ~、そんなのしなくても良いからね、今日はもうゆっくり休んで、ちゃんとベッドで寝るんだよ。」

タケルはそう言ってエステル達がベッドに入るのを確認し、自室に帰って行った。自分のベッドに寝転がると、溜め息をついたかとおもうと、すぐに寝息をたて、夢の中に旅立って行った。


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ストックが完全に無くなりました、明日以降はもしかしたら更新出来ない日が有るかもしれません。頑張ってストック作れるようにしますので今後も宜しくお願い致します。








    
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