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高校編

#1 エージェント

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こんな夢を見た。

地震が起こった。

とても大きく、地面が引き裂かれるぐらいの地震だ。

その中から、一人の男が出てきて…

それ以上は覚えていない。

でも、どこか見覚えがあるのは確かだった…。






この世界には、警察でも対処できない事件を扱い、犯人を捕まえたり、倒したりする職業がある。

それが「エージェント」。

そんな危ない職業を目指そうと思っている俺は…

ソラ!高校二年生。

周りからテンションが高いだの、陽キャだの言われてる。けど、これに関してはまじめになりたいと思っている。

そんな俺には、中学からの友達がいて…

「ソラ!おはよう!」

この女子はネイジー。ノリと勢いで生きてる感じの女子。

「ソラ、ネイジー…ちょっとうるさいから静かにな」

この落ち着いてる男子はラック。

PCとか、モノ作りとかが得意なんだ。

つまり、結構頭がいいってこと。

「ネイジー、ラック、おはよ!今日は進路学習だってさ」

「進路学習?これからどこかお出かけするの?」

「どこも行かねえよ…」

この通り、ネイジーは天然。少し抜けているところがあるんだ。

「進路学習ってのは…高校卒業してから、何をするかってのを決める時間だよ」

「あっ、なるほどね!」

「なるほどねじゃなくて…」ラックは呆れたようにため息をつく。

「まぁいいじゃん、ラック。ちなみに、ネイジーたちは進路どうするつもり?」

「僕は…‘‘ちょっとだけ‘‘エージェントにあこがれてる」ラックはちょっと目をそらした。

「俺は絶対エージェントになるよ!だって俺、生まれた時からそうやって決まってたから!」

「噓つくな…」ラックににべもなく否定された。悲し。

でも俺は、あの危ない職業にどうしてもなりたい理由がある。



…小学校2年生のころ。町がすごいことになってたんだ。

詳しくは覚えてないけど、あたり一面真っ赤で、建物はボロボロで。

そのボロボロの建物が倒れてきて、俺に降ってきたっけ。

その瞬間のことは覚えてる。俺の母さんと父さんがなくなった瞬間だったと思うから。

でも、俺にけがはなかった。

ある人が助けてくれたんだ。

その人は「エージェント」って名乗った。

俺はその「エージェント」って言葉を今でも覚えてる。

だから絶対、俺もエージェントになるって、その日から決めたんだ。
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