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ウララ

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第2章 現実世界

17話 非日常

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日も暮れた午後8時。
夜食用のおやつを買いにコンビニに行く道中、俺はゴブリンと対峙していた。

もう一度言おう。と対峙していた。

ゲームでは有名なゴブリンだがここはだ。仮想世界ではない。にも関わらず何故存在するのだろう。
リアルな着ぐるみか人形なのか?それとも誰かが仕掛けたホログラムなのか?等々思案しながら、手を伸ばせば届く程の距離まで近付く。

「ギシャァァァ!」
するとゴブリンは甲高い鳴き声と共に棍棒を振り下ろしてきた。

咄嗟に腕でガードするが、

「っぁぁぁああああ!」

その威力は半端ではない。

あまりの痛さにどうにかなってしまいそうだ。
腕を見れば赤く腫れ上がっている。
そんな筈はない。これは夢だ。じゃなきゃ知らぬ間に仮想世界にフルダイブしていたんだ。そうだよ。それしか無い!
小説でも良くあるじゃないか。気が付いたら仮想世界に閉じ込められている話。

そうやって現実から目をそらすが痛みは引かない。

「ギシャァァァ」

「あ」

これは死んだな。ゴブリンが棍棒を振り下ろしているのを見て悟る。

『諦めてはダメ』
突如、女の人の声が聞こえた。
それと同時に自分の中の何かが変わったような気がした。
そのせいかは解らないが無意識に回避をしていた。

「シャァァ?」
ゴブリンは攻撃の手応えが無く不思議がっている。

「何なんだこの力」
冷静になると自分の変化がよく分かった。力が溢れんばかりに漲る。と言うかこの感じはまるで・・・

「ギシャァァァ!」

ゴブリンが俺を見つけ迫ってくる。だというのに恐怖が無い。腕の痛みもいつの間にか引いている。

「≪サンダーフィスト≫」
雷を纏った拳。ゲームでは慣れ親しんだスキル。それがゴブリンに命中する。

「ギャァァァァ」
断末魔を上げゴブリンは消滅、しない。

「え?」
倒れてはいるがゲームのように消えない。
そう。そもそも根本的に違うのだ。これはゲームでは無い。現実だ。ゴブリンが出てきて、スキルが使えた。でも現実なのだ。
詰まり今目の前にある倒れたゴブリンは死体なのだ。

「ぅ。うぇぇぇ」
それに気が付くと思わず吐き出してしまう。
でもこれは本当に現実なのだろうか。
もう何がなんだか解らない。

「意味わかんねー」

「意味が分からないのは私の方」

「え?」

顔を上げるとそこには女の子が立っていた。

名前は永島 茜ながしま あかね(アカネ)
年は18で俺の一個上
ランクはEX 
所持スキルは≪炎≫1つだけ

≪魔眼≫が発動し彼女の情報を取得する。

その中でも一番目を引いたのは称号が「ホーリーフェニックス」だという事だ。
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