クリエイトオンライン

ウララ

文字の大きさ
30 / 68
第3章 偽りの平和

29話 真夜中の戦い

しおりを挟む
「1、2、3、4、5。5つか」

≪遠視≫スキルを使い町中を見渡す。探しているのは黒い渦、モンスターの出現場所だ。町の彼方此方あちらこちらにそれらが現れる。
道路のど真ん中や屋根の上、遥か上空にも現れる。

黒い渦から現れたのはゴブリン5体、フレイムキャット2体、ワイバーン1体だ。
因みに、ゴブリンは1つの渦から2、3体同時に現れている。フレイムキャットは赤毛の猫で炎を操るモンスター、Cランクだ。ワイバーンはその名の通りドラゴンの劣等種でBランクだ。

先ずは道路を占拠するゴブリン共に狙いを定め、ゴブリン共の中心に降り立つ。

「≪スパーク≫」
雷を四方八方に放つ。

「「「ギャァァァ」」」

ゴブリン共の悲鳴。しかしこれで倒せたのは2体。残り3体いる。

「≪サンダーフィスト≫」
反撃しようと迫って来るゴブリンだが3体とも一撃で倒す。

次は屋根の上で寛いでいるフレイムキャット。

「≪フレイムカノン(弱)≫」
力を押さえた炎の光線を片手で空に向かって放つ。

「「にゃぁぁ」」

フレイムキャットが2体とも集まってきた。
何しろフレイムキャットは炎を主食にしている。だから、

「≪フレイムフィスト≫」

両腕を覆った炎を狙って襲いかかるのだ。

「シャァァ!」

「はぁぁ!」

フレイムキャットは俺の攻撃を受け止め、炎を食べ始める。

「っ!」

「にゃああ!」

後方からもう1体!

「でりゃぁ!」

拳に張り付いた猫ごと腕を振り回しもう1体のフレイムキャットに攻撃を繰り出す。
その衝撃で張り付いていた猫も離れた。

「≪竜化:10%≫≪フレイムカノン≫」

10%増強された炎の光線が2体のフレイムキャットを飲み込む。

「後、1体」

地面を蹴り思いっきりジャンプする。
それはもう、瞬く間に上空まで跳んで行く。その道中≪竜化:30%≫を発動させる。

「ギャァァァァァ!」

突如現れた存在に驚いたのか雄叫びを上げ威嚇するワイバーン。

「≪フレイムカノン≫」

「ギャァァァ!」

ワイバーンの炎のブレスと俺の攻撃がぶつかり合う。
一見、互いの力は拮抗しているように見える。
だがワイバーンは炎を拡散的に放っている。対して俺は炎を一点に集中させる事によって威力を上げている。だから、外からは拮抗している様に見えるが内側からはワイバーンの炎を押し退けてどんどんと進んでいる。

そして、

「ギャァァァァ」
光線が見事ワイバーンの顔に直撃する。

まだ終わりじゃない。

「はああぁぁ!」

両腕を振り下ろす。そうすれば現在進行形で発動中の≪フレイムカノン≫も下方向にずれる。詰まりは縦一直線に攻撃が当たりワイバーンの全身に炎の光線が命中する。
全身を焼かれたワイバーンは藻掻き、苦しみ、絶命した。

「ふう」

ワイバーンが絶命したのを確認すると一息着く。

「≪アイテムボックス≫」

落下して行くワイバーンに触れスキルを発動させると一瞬にしてワイバーンが消えた。

≪アイテムボックス≫は異空間に生物以外を収容する事が出来るスキルだ。しかも容量に制限は無いので体長10mもあるワイバーンでも何の問題も無い。

「じゃあ、後片付けしますか」

≪遠視≫スキルを使い他にモンスターが居ない事を確認すると地上に降りモンスターの死骸を片付け始める。


 ◆ ◆ ◆


所変わってここは『ガーディアン』の本部、その一室である。

「古木。話があるの」

「珍しいですね。貴方から話しかけてくるとは。茜さん」

「まぁね。実は思い出した事があったの」

夜も深まって来た午前1時。茜と古木は剣呑な雰囲気で対峙していた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

処理中です...