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第3章 偽りの平和
37話 vsくもグモ(3)
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「やった、の?」
蜘蛛の密集地帯に2つの風穴が空き、生き残った蜘蛛達も煙となって消えていく。
「外した。核が破壊出来てない」
核が小さい上に動くから外してしまった。
「≪ドラゴンフレイムカノン≫、≪ドラゴンフレイムカノン≫!」
幾度となく炎の光線を放つが核には当たらない。
「落ち着いて竜也。来る」
「っ。分かってる」
くもグモだって防戦一方では無い。俺達の近くまで煙が漂って来る。煙は蜘蛛や刃物の形を取り攻撃してくる。
「≪ドラゴンサンダークロー≫」
「≪シルバーアイスクロー≫」
「『炎の焼殻』」
雷や氷を纏った鋭利な爪で反撃する。茜に関しては自分を覆っている炎の火力を上げ近付くもの全てを燃やしている。
「竜也、核は!」
「まだあの中にある。だけど無理だ。当たらない!」
「大丈夫」
茜は蜘蛛と雲が混じった溜まり場に突っ込んだ。しかも炎の鳥はまだここにいる。詰り生身であれに突っ込んだのだ。
「『炎の纏い・炎虎』」
炎を纏う。それは空を舞う神々しい鳥では無く、地を駆ける獰猛な虎の姿だ。その力強い走りであっという間に核の前まで辿り着く。
茜は上下に伸ばした両手を閉じる様に動かす。すると、それと連動した虎の大きく開いた口も閉じる。くもグモの小さな核にはもう逃げ場がない。
「『炎虎<炎噛火>』」
「ギャァァァ!」
くもグモの甲高い悲鳴が上がる。しかしそれも一瞬。核が割れたと同時に蜘蛛も雲も跡形も無く消え去った。
残ったのは、俺とコハクと茜の3人だけ。空は雲一つ無い晴天だった。
◆ ◆ ◆
「くもを倒しましたか。茜さんには倒せないと思っていましたが、嬉しい誤算ですね」
ガーディアン本部にある部屋の一つ。古木はそこで書類を手に取り何やら事務作業の様なことをしていた。
「これで覚醒していないのは残り3人。確か、その内の2人とはソフィアとアンナがゲーム内で一緒のパーティーになっていましたね。その2人については彼女達に任せましょうか。
あと、もう一人は『鬼姫』の弟でしたね。どうやら自分の弟を危険には晒したくないようですね。ですがEXランクの人間は希少なんですよね。どうにか説得しなければ」
古木はゲーム内で最強にまで登り詰めたEXランクの人間を中心にモンスターに対抗出来る人材を集めていた。
「それに、彼方もそろそろ仕掛けて来るつもり見たいですしね。困った、困った」
天井を見上げながら呟く。
本当に悩んでいるのか、いないのか分からない様子で作業を進める古木だった。
蜘蛛の密集地帯に2つの風穴が空き、生き残った蜘蛛達も煙となって消えていく。
「外した。核が破壊出来てない」
核が小さい上に動くから外してしまった。
「≪ドラゴンフレイムカノン≫、≪ドラゴンフレイムカノン≫!」
幾度となく炎の光線を放つが核には当たらない。
「落ち着いて竜也。来る」
「っ。分かってる」
くもグモだって防戦一方では無い。俺達の近くまで煙が漂って来る。煙は蜘蛛や刃物の形を取り攻撃してくる。
「≪ドラゴンサンダークロー≫」
「≪シルバーアイスクロー≫」
「『炎の焼殻』」
雷や氷を纏った鋭利な爪で反撃する。茜に関しては自分を覆っている炎の火力を上げ近付くもの全てを燃やしている。
「竜也、核は!」
「まだあの中にある。だけど無理だ。当たらない!」
「大丈夫」
茜は蜘蛛と雲が混じった溜まり場に突っ込んだ。しかも炎の鳥はまだここにいる。詰り生身であれに突っ込んだのだ。
「『炎の纏い・炎虎』」
炎を纏う。それは空を舞う神々しい鳥では無く、地を駆ける獰猛な虎の姿だ。その力強い走りであっという間に核の前まで辿り着く。
茜は上下に伸ばした両手を閉じる様に動かす。すると、それと連動した虎の大きく開いた口も閉じる。くもグモの小さな核にはもう逃げ場がない。
「『炎虎<炎噛火>』」
「ギャァァァ!」
くもグモの甲高い悲鳴が上がる。しかしそれも一瞬。核が割れたと同時に蜘蛛も雲も跡形も無く消え去った。
残ったのは、俺とコハクと茜の3人だけ。空は雲一つ無い晴天だった。
◆ ◆ ◆
「くもを倒しましたか。茜さんには倒せないと思っていましたが、嬉しい誤算ですね」
ガーディアン本部にある部屋の一つ。古木はそこで書類を手に取り何やら事務作業の様なことをしていた。
「これで覚醒していないのは残り3人。確か、その内の2人とはソフィアとアンナがゲーム内で一緒のパーティーになっていましたね。その2人については彼女達に任せましょうか。
あと、もう一人は『鬼姫』の弟でしたね。どうやら自分の弟を危険には晒したくないようですね。ですがEXランクの人間は希少なんですよね。どうにか説得しなければ」
古木はゲーム内で最強にまで登り詰めたEXランクの人間を中心にモンスターに対抗出来る人材を集めていた。
「それに、彼方もそろそろ仕掛けて来るつもり見たいですしね。困った、困った」
天井を見上げながら呟く。
本当に悩んでいるのか、いないのか分からない様子で作業を進める古木だった。
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