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第3章 偽りの平和
39話 first day~革命の日~
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「なんだあれ?」
「何処のクラス?」
「スゲーな、ホログラムか」
突如として上空僅か数百メートルの地点に黒い渦が発生しモンスターが出現した。だがモンスターの事を何も知らない一般人は文化祭の出し物と勘違いしている。
「嘘だろ」思わず悪態を付いてしまうが仕方が無い。
そもそもモンスターが出現するのは遥か上空か人々が寝静まった夜遅くだけの筈。少なくとも今まではそう云われていた。
そうこうしている内にモンスターは黒い渦から出てくるが飛べないのか凄まじい速さで落下し地面に着地する。着地した瞬間の振動は凄まじく地震のようだ。
「ギャァァァァァァ!!」
耳を劈く様な大音量の雄叫びを上げるモンスター。≪魔眼≫から得られた情報はEXランク。九つの尾を持つ狐、『九尾』。個体名は『スカーレット』。そして『陸王の眷属』だ。
「何だ!」
「地震!?」
「ま、まさかあれのせいか!」
「ホログラムじゃない!」
「逃げろ!!」
九尾が起こした地震は人々に自分は本物だ!と知らせ恐怖を植え付けた。
運動場に居た全員が一斉にその場を離れようと走り出す。
「何してるのリュウ君!」
この危機的状況でただ突っ立っている俺を見兼ねたのかスズは手を引き逃げる様に促す。
「あ、ああ」
そのままスズに引っ張られる形で人混みの中を流れに沿って進む。
周りを見れば皆顔を青ざめ、必死の血相で逃げる。俺がこの1ヶ月モンスターを倒していたのは誰にもこの顔を、恐怖を感じさせない為だ。
そう思うと自然と足が止まる。
「リュウ君?」
いきなり止まった俺に気付き振り向く。
「悪いスズ」
その一言だけを告げスズの手を引き離す。そして後ろを向き走り出す。さっきとは逆。人の流れに逆らい走る。ついには逃げ出す人々の最後尾を追い抜き、人が居なくなる。九尾と一対一だ。
「周り何て気にしてられるか!九尾!俺が相手だ!」
「ギャァァァァァァァ!!」
俺の言葉に反応したのか、それともただの偶然か雄たけびを上げる九尾。
「≪竜化:100%≫」
九尾は両前足を振り下ろし俺を押し潰そうとするが、黒い竜に変身しその腕を掴み阻止する。
「≪サンダーフット≫」
その状態で雷を纏った足で九尾の腹を蹴る。その勢いで九尾は後ろに倒れる。
「ギュルルル」
殆どダメージは無くすぐに起き上がり、警戒したように俺を睨む。竜になった事で俺と九尾の体格差はほぼ同じになった。九尾からすれば自分より小さくて弱いアリのようだった人間が、いきなり自分と同じ大きさと強さを持つドラゴンになったのだから、警戒しない訳がない。
さて、どうしたものか。
俺と九尾が立っているだけで運動場を殆ど占拠している。運動場からは全員避難したが、この手狭な運動場だけで戦うのはかなり難しい。それに周りに被害が起きない様に気を付ける必要もある。
「ギャァァァ!」
俺の心配を他所に九尾はその鋭い爪で斬りかかってくる。
「≪ドラゴンサンダークロー≫」
それに対し雷を纏った竜の爪で応戦する。
だが気付いていなかった。巨大生物2体の衝突は人間のそれとは違う事を。爪と爪がぶつかり合った瞬間、物凄い衝撃波が生まれ、威力が衰える事無く辺り一帯にまで放たれた。校舎を始め近くの建物全ての窓ガラスが割れ、木々が揺れ、外に居た人の中には飛ばされた人もいた。
「何処のクラス?」
「スゲーな、ホログラムか」
突如として上空僅か数百メートルの地点に黒い渦が発生しモンスターが出現した。だがモンスターの事を何も知らない一般人は文化祭の出し物と勘違いしている。
「嘘だろ」思わず悪態を付いてしまうが仕方が無い。
そもそもモンスターが出現するのは遥か上空か人々が寝静まった夜遅くだけの筈。少なくとも今まではそう云われていた。
そうこうしている内にモンスターは黒い渦から出てくるが飛べないのか凄まじい速さで落下し地面に着地する。着地した瞬間の振動は凄まじく地震のようだ。
「ギャァァァァァァ!!」
耳を劈く様な大音量の雄叫びを上げるモンスター。≪魔眼≫から得られた情報はEXランク。九つの尾を持つ狐、『九尾』。個体名は『スカーレット』。そして『陸王の眷属』だ。
「何だ!」
「地震!?」
「ま、まさかあれのせいか!」
「ホログラムじゃない!」
「逃げろ!!」
九尾が起こした地震は人々に自分は本物だ!と知らせ恐怖を植え付けた。
運動場に居た全員が一斉にその場を離れようと走り出す。
「何してるのリュウ君!」
この危機的状況でただ突っ立っている俺を見兼ねたのかスズは手を引き逃げる様に促す。
「あ、ああ」
そのままスズに引っ張られる形で人混みの中を流れに沿って進む。
周りを見れば皆顔を青ざめ、必死の血相で逃げる。俺がこの1ヶ月モンスターを倒していたのは誰にもこの顔を、恐怖を感じさせない為だ。
そう思うと自然と足が止まる。
「リュウ君?」
いきなり止まった俺に気付き振り向く。
「悪いスズ」
その一言だけを告げスズの手を引き離す。そして後ろを向き走り出す。さっきとは逆。人の流れに逆らい走る。ついには逃げ出す人々の最後尾を追い抜き、人が居なくなる。九尾と一対一だ。
「周り何て気にしてられるか!九尾!俺が相手だ!」
「ギャァァァァァァァ!!」
俺の言葉に反応したのか、それともただの偶然か雄たけびを上げる九尾。
「≪竜化:100%≫」
九尾は両前足を振り下ろし俺を押し潰そうとするが、黒い竜に変身しその腕を掴み阻止する。
「≪サンダーフット≫」
その状態で雷を纏った足で九尾の腹を蹴る。その勢いで九尾は後ろに倒れる。
「ギュルルル」
殆どダメージは無くすぐに起き上がり、警戒したように俺を睨む。竜になった事で俺と九尾の体格差はほぼ同じになった。九尾からすれば自分より小さくて弱いアリのようだった人間が、いきなり自分と同じ大きさと強さを持つドラゴンになったのだから、警戒しない訳がない。
さて、どうしたものか。
俺と九尾が立っているだけで運動場を殆ど占拠している。運動場からは全員避難したが、この手狭な運動場だけで戦うのはかなり難しい。それに周りに被害が起きない様に気を付ける必要もある。
「ギャァァァ!」
俺の心配を他所に九尾はその鋭い爪で斬りかかってくる。
「≪ドラゴンサンダークロー≫」
それに対し雷を纏った竜の爪で応戦する。
だが気付いていなかった。巨大生物2体の衝突は人間のそれとは違う事を。爪と爪がぶつかり合った瞬間、物凄い衝撃波が生まれ、威力が衰える事無く辺り一帯にまで放たれた。校舎を始め近くの建物全ての窓ガラスが割れ、木々が揺れ、外に居た人の中には飛ばされた人もいた。
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