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ウララ

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第4章 世界戦争

53話 vsギガントドラゴン

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「くっそ」

ギガントドラゴンの攻撃から暫く。俺とコハクでモンスターを行かせまいとしているが、既に沢山のモンスターが俺達の攻撃を潜り抜けて飛び立っている。もしかしたら既に他の町で被害が出ているかもしれない。

「リュウ後ろ!」

「しまっ───」

油断した。ガタイが良い2体のドラゴンに至近距離まで迫られ、既に拳を振り下ろしていた。もう回避も防御も出来ない。
そんな時『チリン』と鈴の様な音が鳴った。

「「ギャァァァ!!」」

モンスターから悲鳴が上がる。何しろ拳がぶつかる直前にドラゴン達の腕が粉々に砕け散ったのだ。だが回避も儘ならない俺には当然そんな事をする余裕は無い。詰まり第3者による攻撃だ。直ぐ様警戒するがそんな必要は無かった。何しろ俺とモンスターの間には青い髪を靡かせた少女、スズが居たからだ。

「≪鈴音ノ青雷斬すずねのしょうらいざん≫」

又もや『チリン』と鈴の様な音。そしてその直ぐ後に、
「「ギャァァァ!!」」
とモンスターから悲鳴が上がる。

モンスターのお腹には十字の切り傷、その傷を中心に青い雷が体を這う様に流れていく。斬られた傷の痛みと体を流れる電流の痺れで上手く飛べずに落下していく。

「って!何でスズまで来るんだ!」

「何でって。リュウ君がピンチなのに駆けつけなくてどうするの!」

「ぐぅ」

スズにはあまり前線には出て欲しくなかったんだが……。この状況じゃあそうも言ってられない。それに、スズは俺が思っていた以上に強かった。何しろSランクのモンスター2体を相手に圧勝したのだから。

「ちょっとお2人さん。今、戦いの真っ最中なんだけど!」

「悪い」

「ごめんね、華蓮ちゃん」

周りを見れば、スズだけでなく一緒に戦っていた皆も戻って来てくれていた。皆モンスターと戦っている。

「兎に角。これでようやくギガントドラゴンを狙えるわ。今まで攻撃してこなかった事を後悔させてやるわよ」

「ああ」

上空を見れば青い空、ではなくギガントドラゴンが見える。まるでこちらに興味が無いように明後日の方向を見ていた。俺を蹴り飛ばして以降攻撃をしてこなかったのだ。だけど、強さといい称号といい、明らかにギガントドラゴンがモンスター達の親玉に違いない。ギガントドラゴンを倒せれば他のモンスター達も逃げ帰ってくれるかもしれない。皆がモンスター達の相手をしてくれている今がチャンスだ。

「行くぞ!≪ドラゴンサンダーフィスト≫」

「≪シルバーアイスクロー≫」

俺の雷を纏った拳とコハクの凍てつく鋭い爪をギガントドラゴンの腹部に狙って繰り出す。

「ギャァァァ」

ギガントドラゴンから悲鳴が上がる。俺とコハクが攻撃した腹部の鱗は砕かれて、連鎖する様に次々と周りの鱗も砕かれていく。

「≪ドラゴンフレイムカノン≫」

「≪シルバーアイスキャノン≫」

ギガントドラゴンの下を飛び回りながら炎と冷気の光線を幾度も放つ。その度に鱗は砕けギガントドラゴンは悲鳴を上げる。だけどそれだけだ。決定打にはなっていない。

「≪水竜・砲水撃≫」

「『炎の光線』」

水と炎による高出力の砲撃がギガントドラゴンに向かって放たれる。それを行ったのは燃え盛る炎が鳥の姿をした茜と、青く蛇よりは龍に近い姿で伝説の生物リヴァイアサンを連想させる姿をしたクリークだ。
EXランクが4人揃った。これなら勝てる。そう確信した。
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