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第4章 世界戦争
55話 vsファイトドラゴン
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茜が飛び出してすぐ、俺も後を追った。そしてギガントドラゴンの背中で茜とモンスターが戦っているのを見つけた。モンスターは茜に攻撃しようとしていた。だけど茜はその攻撃を避ける事も防ぐ事もできそうになかった。
「≪ドラゴンフレイムカノン≫」
赤黒い炎の光線がモンスター目掛けて放たれる。モンスターは攻撃が茜に当たる寸前に炎に飲み込まれた。
「大丈夫か茜!」
茜の元に駆け寄り声を掛ける。茜は猿を模した炎、その中心にいた。猿の形は見たことが無かったが、これも茜のスキルだろうという事は容易に想像できた。
「問題、ない」
正確に聞き取れたかどうか怪しい程の小さな呟きだった。でもその顔は決意に溢れていた。
茜が見据える、その先にはモンスター。どうやら俺の攻撃は殆ど効いておらずピンピンしている。その容姿は2本の足で立つドラゴン。でも翼が無い。≪魔眼≫によるとファイトドラゴン、EXランクだ。それにカールという個体名があり『竜王の眷属』だった。
「────」
跳躍。茜とファイトドラゴンの距離は一瞬にして縮まった。
「『炎猿〈大断炎〉』」
炎でできた大剣、それを振り下ろす。ファイトドラゴンも両手でそれを受け止めるが、その体制は辛く上から体重もかけている茜の方が優勢だ。
「───ッ!」
「───ァァ!」
互いの力は拮抗し膠着状態に突入すると思われた。が、先に茜が動いた。
纏っている炎から飛び出したのだ。腕を上げて無防備になっていた腹を目掛けて。
「『爆炎烈火』!!」
茜はファイトドラゴンに触れるとスキルを発動させる。ファイトドラゴンの体が一気に膨らむ。まるで風船のように。
「ギャアァァァ」
ファイトドラゴンが悲鳴を上げる。体中にひびが入り、そこから炎が勢い良く漏れ出ていつ爆発してもおかしくない状態だ。
「――――」
そして叫び声が途切れる。と、同時に爆発した。爆発は噴煙と轟音をまき散らす。視界が遮られて何も見えない。
だけどそれもほんの十数秒。煙が晴れ、そこには茜が1人立っていた。
顔を上げ、空を見つめたまま。
茜の視線、その先に居たのは白いドラゴンだった。
その姿には見覚えがある。忘れもしない。ゲーム『クリエイトオンライン』の都市防衛戦イベントで登場した、ランク不明の最強モンスターだ。後に『白竜』と名付けられたそれはあくまでゲームのキャラクターだった。偶々なのか元々のモデルになったモンスターなのかは分からないが、ゲームの時と同じならかなりヤバい。
≪魔眼≫スキルを使いドラゴンの情報取得を試みる。だけどあの時と同じく名前も種族もランクも、何も分からない。だけど1つだけ得られた情報がある。『竜王』だ。
眷属では無い。竜の王。その張本人のご登場だ。
「ギャアァァァ!」
その竜王が雄叫びを上げ茜に向かって突撃する。
「───ッ!」
だけどさっきの戦いで消耗しているのか茜はまともに動けていない。
「茜!!」
咄嗟に茜を庇うように前に立つ。
「ァァ!?」
それを見た竜王は何を思ったのかピタリと止まり、それ以上迫って来ない。
「大丈夫か茜?」
足下にいる茜に声を掛ける。
「えぇ。なんとか」
と言ってはいるがかなり疲労しているのだろう。その証拠に、さっきまでは立っていたのに手を突いて座り込んでいる。
「≪ドラゴンフレイムカノン≫」
竜王を見れば攻撃を仕掛けてくる様子は無い。その隙に先制攻撃とばかりに炎の光線を放つ。
「ギャァァァァ」
対する竜王も遅れながら、白い光線を放つ。
2つの光線がぶつかり合い、その衝撃で黒煙が立ち込める。
「≪ドラゴンフレイムカノン≫」
赤黒い炎の光線がモンスター目掛けて放たれる。モンスターは攻撃が茜に当たる寸前に炎に飲み込まれた。
「大丈夫か茜!」
茜の元に駆け寄り声を掛ける。茜は猿を模した炎、その中心にいた。猿の形は見たことが無かったが、これも茜のスキルだろうという事は容易に想像できた。
「問題、ない」
正確に聞き取れたかどうか怪しい程の小さな呟きだった。でもその顔は決意に溢れていた。
茜が見据える、その先にはモンスター。どうやら俺の攻撃は殆ど効いておらずピンピンしている。その容姿は2本の足で立つドラゴン。でも翼が無い。≪魔眼≫によるとファイトドラゴン、EXランクだ。それにカールという個体名があり『竜王の眷属』だった。
「────」
跳躍。茜とファイトドラゴンの距離は一瞬にして縮まった。
「『炎猿〈大断炎〉』」
炎でできた大剣、それを振り下ろす。ファイトドラゴンも両手でそれを受け止めるが、その体制は辛く上から体重もかけている茜の方が優勢だ。
「───ッ!」
「───ァァ!」
互いの力は拮抗し膠着状態に突入すると思われた。が、先に茜が動いた。
纏っている炎から飛び出したのだ。腕を上げて無防備になっていた腹を目掛けて。
「『爆炎烈火』!!」
茜はファイトドラゴンに触れるとスキルを発動させる。ファイトドラゴンの体が一気に膨らむ。まるで風船のように。
「ギャアァァァ」
ファイトドラゴンが悲鳴を上げる。体中にひびが入り、そこから炎が勢い良く漏れ出ていつ爆発してもおかしくない状態だ。
「――――」
そして叫び声が途切れる。と、同時に爆発した。爆発は噴煙と轟音をまき散らす。視界が遮られて何も見えない。
だけどそれもほんの十数秒。煙が晴れ、そこには茜が1人立っていた。
顔を上げ、空を見つめたまま。
茜の視線、その先に居たのは白いドラゴンだった。
その姿には見覚えがある。忘れもしない。ゲーム『クリエイトオンライン』の都市防衛戦イベントで登場した、ランク不明の最強モンスターだ。後に『白竜』と名付けられたそれはあくまでゲームのキャラクターだった。偶々なのか元々のモデルになったモンスターなのかは分からないが、ゲームの時と同じならかなりヤバい。
≪魔眼≫スキルを使いドラゴンの情報取得を試みる。だけどあの時と同じく名前も種族もランクも、何も分からない。だけど1つだけ得られた情報がある。『竜王』だ。
眷属では無い。竜の王。その張本人のご登場だ。
「ギャアァァァ!」
その竜王が雄叫びを上げ茜に向かって突撃する。
「───ッ!」
だけどさっきの戦いで消耗しているのか茜はまともに動けていない。
「茜!!」
咄嗟に茜を庇うように前に立つ。
「ァァ!?」
それを見た竜王は何を思ったのかピタリと止まり、それ以上迫って来ない。
「大丈夫か茜?」
足下にいる茜に声を掛ける。
「えぇ。なんとか」
と言ってはいるがかなり疲労しているのだろう。その証拠に、さっきまでは立っていたのに手を突いて座り込んでいる。
「≪ドラゴンフレイムカノン≫」
竜王を見れば攻撃を仕掛けてくる様子は無い。その隙に先制攻撃とばかりに炎の光線を放つ。
「ギャァァァァ」
対する竜王も遅れながら、白い光線を放つ。
2つの光線がぶつかり合い、その衝撃で黒煙が立ち込める。
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