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第Ⅳ章 歪度70%・甘イチャ70%
brocen 44 嘘のつき方 ♥
「や、ん……や、ぁ……だ。ね……」
気持ちばかり彼の髪を手で引っ張った。でも痺れるような多幸感に手が緩み、目元が蕩け口がだらしなく開いて喘ぎ声が漏れるばかりだ。
もうだめだ、すき。大好き。
体をもじもじとくねらせて、股を擦らせた。熱い悦楽がみるみる重なり、愛おしい触れ方に体が悦んでいる。
ディアンシャが体のどこをどう触れても気持ちよく、悪い毒に昂り溺れていく。
彼は双丘の肉を柔らかく揉んで、脇に冷たい指先を滑らせた。腰の骨を挟むように撫で、太腿の内側へするすると降りていく。甘やかな鳥肌が伝っていき、全身がびくん震える。ショーツに触れ、二本指が腰の紐を挟みそのあいだを摩った。
唇を舐めて口を開かせ、わたしの舌を引っ張って甘噛みする。じゅると唾液が口の端から零れ、何度も舌を繋いでは巻きつける。
柔らかな指の腹がショーツをなぞっていく。直接は触ってくれない。濡れそぼった秘園の上をやわやわと摩り、掻くように刺激を与えてはさらにショーツを濡らした。肉裂を上を中指が通って側面の花唇を焦らし摩る。突起のあたりをちゅくちゅくと撫でては外し、今度は中心部を避けるように二本指が上下する。
「ぁ……は。んっ、んぁ……あ、ぁ」
じれじれと快楽が高まっていき、ディアンシャの服を引っ張った。一部が濡れていただけのショーツが粘液で浮いてきて、太腿の隙間へ垂れていく。
触ってほしい、もっと……ちゃんと、触って。お願い。
彼は弄っていた手を止めた。少し体を浮かせ、青眼で見下ろす。
「まだやんの?」
え? は……? なんで、今聞くの。本当に意地悪だ。
「ん、ん……や……ひどい」
「何が?」
白々しく笑う。
「してほしいならお願いして」
「やだ……し、ない」
「お前も謝ってよ? 最低って、天使が言っていいの?」
「なっ……なんで」
「俺も傷ついたんだけど?」
絶対嘘だ。
飄々とした顔で腰に指を滑らせ、ショーツのぐちゅぐちゅに湿った部分を軽く擦った。
「ぁ……は、やッ……んん、ぁ……」
でもすぐに手を離してしまう。もどかしい気持ちに肉裂がひくひくと疼く。
もう、やだ。意地悪だ。ディアンシャのばか。
たまに触っては煽るだけ煽り、じわじわと快楽の波が打ちよせては引いていく。
「っは、ぁ……んぁ……。ディアンシャ……いじわる、しない、で」
じゅくじゅくと愛液が溜まっていく。少し触られるだけでもイってしまいそうで、焦らすように表面をなぞり弄って遊ばれる。
「や、ぁ……や。ね、ぇ。おね、がい」
「お前がするなって言ったからやめたんだけど」
彼の首に手を回した。
「ごめ……ん……ごめんなさい。ごめ、んね。酷いこと、言って……ごめ、ん。ごめん」
「俺が今日意地悪したの、許してくれる?」
潤んだ視界でこくこくと首を下ろした。
「ゆるす。もう、いいよ。いい。許すから……おねがい…………つづき、して。して、よ」
ディアンシャは優しく笑って額に口付けた。
「いいよ」
雫を落としたような、ざらつきのない透明な声音。甘い波紋が胸に広がっていく。
柔らかな声色にほっとして、ぎゅうと縋りついた。
「だいすき……ディアンシャ、すき。すき」
「調子のいいやつ」
くつくつと笑い、ディアンシャは長くした爪でショーツを切った。すぅと空気が秘所に触れ、びくりと粒がひくつく。ディアンシャの指が溶けきった蜜壷に埋まった。
「あぁッ! は、ぁ」
求めていた触感に体が悦び、こぽりと愛液が溢れだした。中心部を数回彼が擦ると、焦らされていた悦楽がどっと押しよせ体がびくびくと痙攣した。
「やっ、は。あッ────!」
声を出す間もなく果て、荒い息に肩が上下する。
「はや」
からかうような声に体の奥が鷲掴みにされた。
恥ずかしい、ディアンシャのせいなのに。嫌だ。ばか。
わたしが体を起こそうとすると肩を押された。
「まだでしょ」
イったばかりのそこへくちゅくちゅと媚蜜と指を絡め、混ぜこむように花弁を触る。だめ、だめ……今は、触っちゃ、だめ。
「い、ま、イった……。だめ、」
「知ってる」
「や……ぁ、ね……は。ぁ……」
抵抗虚しく、早くも湿った吐息が漏れはじる。心地よい悦を欲しがるように秘壺がどくどくと脈打った。
中心の突起の両側だけをなぞり、柔らかく擦って快を集めていく。粘ついた液を掬うと膨れた肉芽にちゅんと撫でつけた。
「ぁ……やあ……」
摩るように粒を転がし、上下へやわやわと擦る。たまに入口の近くを指の腹が滑るたびにびくんと腰が跳ね、そこからまた蜜が溶けだして蜜壷にどろりとしたうるみを被せていく。
「ディアン、ひゃ。ぁ……ッ。きもち……んぁ……ん。あッ」
まだ足りない、もっと……もっとほしい。足を布団に擦らせ、せがむように腰を持ちあげる。
ぐちゅぐちゅに溶けた奥へ、ずぷりと指が入った。胎の裏側をなぞるように指が曲がり、イイところを擦り撫であげる。と思えばすうと抜かれて入口を摩り、くちゅくちゅと抜き差しされる。別の指が愛粒を弾き、等間隔で左右に擦りはじめた。
「ぁッ……、は! ぁあ、ん……」
ディアンシャは何度も角度を変えてキスをし、冷たい唾液を飲みこませた。舌をきゅうと歯で潰され、塩梅のいい疼痛が送られる。喘ぐ声を塞ぎ奥まで舌で弄び、溢れていく快感を閉じこめてしまう。
体をよじり悦から逃れようとすると、ディアンシャは体重をかけて体を抑え、さらに細かく粒を弾いた。
じりじりと焦がれるような淫猥な倒錯感が重なっていき、秘園の奥まで馴染み刷りこまれていく。
「っは……ん。ぁあッ、や、ぁ」
行き場のない快感が集まり、虐めるように愛涎を塗りこんでくちゅくちゅと擦る。
刺激が刻まれるたびに白い瞬きがちかちかと行き来して、ついに洪大な快感が弾けた。
「っあ、んんんん────ッ!」
はぁ、はぁ、と肩で息をするわたしを見下ろして、彼が青い視線を歪める。甘いキスを落とし、まだ敏感なそこにもう一度指を埋めた。
「な。だ。め……も……もう、いい。だいじょ、ぶ」
「こんなんでいいの?」
「へ? いい、いい。にかい、も、イ、った」
低い声で嗤った。
「だめに決まってんだろ」
彼がくぃと肉粒を撫でれば、びくりと足先が震えた。
なんで。もういいって言ったじゃん。ねぇ、だめ。
力の出ない手で腕を抑えても、笑ったまま粘液を周りに重ねていく。くちゅくちゅと卑猥な水音を立て、粒には微かな刺激だけを与えて逃げてしまう。
「っは、ぁ……や。あ……は、はっ……」
肉孔に指を沿わせると、つぷりとナカへ入れ、ぐにぐにと襞壁を擦った。ひくひくと開く穴が吸いつくように彼の指を咥え、甘い悦楽を絶え間なく求めつづけた。
ときおり花芽を別の指が弾くと甘い声が漏れて、するとディアンシャはぺろりと唇を舐め、たまに首筋や耳朶を食んだ。奥を弄っている指がもどかしい淫楽を重ねていき、ぐぃと指の腹が押した瞬間体が仰け反った。
「っっあ、あァッ!」
雷のような快感が一気に襲い、下腹部がじんじんと疼いた。愛液がさらに溶けて太腿を垂れていく。
「ねぁ……も、や……。だいじょ、ぶ……」
涙目で彼を見上げ、必死に声を繋げる。
「まだだめ」
「やぁ、だ。ね……え、やん、ぁ……」
彼は体を起こすと、股を開いて秘部を舌で舐めあげた。洪水のような淫猥が一気に駆けあがり、腰がびくびくと震える。閉じようとする脚を無理やりこじ開け、愛液をかきだすように舌を動かした。少し尖らせた舌が裂け目をなぞり、押しつけるように擦り、媚肉の口へ差し入れる。
出し入れされるたびにひくついた肉襞が絡みつき、その奥を執拗に虐める。粒をちろちろと舐められ、指が奥を弾き、さっきよりもずっと早く悦に突き落とされた。
「は、あッ……や、やん、ぁッ……!」
白い刺激が膣内で瞬く。倦怠感でどっと体が重くなる一方で、熱を帯びた肉欲が体じゅうに回っている。
ディアンシャはそのまま指や口を使って、あと三回、いや四回はイかせた。
最後はあまりの気持ちよさに涙が零れて、ディアンシャの体に縋りながら果てた。酔ったような頭は考える力を失い、びくびく痙攣する淫穴は、もう彼が触っていなくても熱く疼きつづけた。
「おねが。い。もぉ、だめ。きもち、い。から……ぁ」
舌足らずな話し方で彼の胸を叩き、涙に濡れた顔を擦りつける。
「もぉ、いい、いい。ディアンシャ。おかしく、なっちゃ、う」
「泣いてんの?」
ディアンシャは涙を指で拭うと、瞳に舌を沿わせた。まるで涙を食べるみたいに両目を舐め、ぞくぞくといやらしい快美が背中を這っていく。
「それ……や、だ……。きもち、い」
「お前の眼綺麗だから。食べちゃいたい」
「……だめ、だよ」
ディアンシャはぎゅうと抱きしめてくれた。硬い腕は体を潰すくらいに強く回って、高鳴っている動悸をとんとんとあやしてくれる。
「セラエル」
「ん、ん。ディアン、シャ、だいすき」
髪を指が撫でていく。さらさらと指に通して流した。
「俺もだいすき。一生離したくない」
「ディアン、しゃ」
いつも言わないのに。きっと嘘ってすぐわかるから、ずっと言ってなかったのに。
背中をさらに強く抱いた。ディアンシャのざらついた翼に指で触れる。
「だいすき……なの?」
「こんなにお前に執着してんのに、大好きじゃだめ?」
だめじゃない。嬉しい。それでもいい。
ディアンシャがわたしのこと考えてくれてるなら、もうなんでもいい。だいすき。
彼は首筋にまたキスをして、そっと頭を撫でた。
何度もイって動悸のおかしくなった体を、ディアンシャは優しく撫でていたわってくれた。
優しいときと意地悪をするときのギャップが大きすぎて、本当に同一人物かと疑うくらいだ。
「いみわかんない……。ディアンシャのばか」
「いいの、天使が馬鹿とか言って」
ぎゅうと胸に縋りつく。
「ディアンシャには、いいの。ディアンシャは悪い子だから」
笑って髪を掬い、指のあいだからするすると落としている。
穏やかで甘い時間、すごく幸せで、大好きで、夢のようなひとときだった。
「意地悪するのに、最後まではしないんだね」
「していいならヤるけど」
「だめだよ!?」
彼はくつりと笑う。
でもそうじゃなくて……ディアンシャならもっと、上手いこと言って乗せようとしてくるだろうに、と思った。
「どうしてちゃんとやめてくれるの?」
「煽ってんの? 本当は堕としてほしいわけ?」
ディアンシャは冗談でわたしの体を倒し、襲うような素振りをする。慌てて首を振った。
「ちが、違う。なんか……それだけは守ってくれるから……ディアンシャのイメージと違くて」
もう一度腕枕をしなおしてくれる。キツく抱きしめた。
「堕天させようとしたら確実にお前は離れるだろ。初めから壊れるってわかってんのに、やらねえよ」
「じゃあ、今日人にわたしを触らせたのは……」
「こんなんで離れるならいらねえよ。悪魔が好きって言うなら、俺のすべてを愛してよ」
「ディアンシャのすべてって。意地悪、するのも許してってこと?」
「そう。代わりにデートしてあげてるだろ。お前のしてほしいこともしてる」
たしかに昼間のデートは完璧だった。
今だって……。さっきもずっと気持ちよかったし、最初は無理やりキスされたとはいえ……ディアンシャに抱いてほしかったのは事実だ。
体を離すと、彼が頬にするすると指を滑らせた。甘い視線が辿っていく。
「セラエルがいちばん嫌がることはしない。だから俺から離れたらだめだよ」
こく、と首を下ろした。そういう声に弱かった。
酷い悪魔なくせに、愛らしくお願いすることもできるんだから。ディアンシャに甘い自分も自分だ。
「今までもこういうこと……してる子、いなかったの? なんていうか……朝みたいに変なの飲ませるとか……」
痛かったガラスの破片を思い出し、喉の辺りを潰した。怪我はとっくに治っているけど、痛いものは痛い。
「人間が俺を好きになるのはふつうだろ。顔もいいし、口も上手いし、相手の望むことなんでもやってあげるんだから」
自分で言うなよ、じとっと目を細めた。頬を摘まれる。
「ディアンシャ、酷い人だから、きっと人間でも嫌われるよ」
「意地悪しなきゃいいんだろ? 大丈夫、そっちもできるから」
むすっと唇を尖らせた。
「だが天使は話す機会すらない。天使のお前が俺に堕ちてるのは面白いから遊んでんの。だから心配しなくてもお前くらいしかいないよ」
「別に心配とか……じゃないし……」
少しして、おそるおそる彼にまた尋ねた。
「朝わたしのこと、もう興味ないって言ってなかった? 成功……したから」
「あー、言ったね」
軽く笑い、とんとんと背中を叩いている。
「俺は傷つけるためにも嘘つくし、優しくするためにも嘘ついてんの」
「じゃあ朝のは……嘘?」
「さあ? どっちでしょう?」
首を傾げ、奇妙な微笑を貼りつける。
「教えてよ……!」腕を揺する。
「今度ね」ちゅうと額に口付ける。「今日はもう寝る? 風呂は入んなくていいの?」
「あれは……ただの趣味だから」
天使の衣を胸元まで引っ張り、ディアンシャの腕の奥へ入る。
「明日……一緒にお風呂入ってくれる?」
「俺と?」わしゃわしゃと髪を乱した。「かわいいな。いいよ。入ってあげる」
「明日もデートしてくれる……?」
「お前がいい子にしてたらな」
背中をぎゅうと抱きしめる。
この〝いい子〟ってつまり、またディアンシャの無理なお願いを聞くって話だよね。
溜息をつく。またわたしが泣くようなことつもりなのかな。
でもわたしがディアンシャにデートしてもらっているように、ディアンシャはわたしに嫌がることをするのが好きなんだから、お互いしたいことをするという意味では……対等なのかもしれない。
少なくともそのあいだはディアンシャを独り占めできる。
彼にずっと優しくしてほしいとは思わなかった。
その優しさはただの気遣いで、わたしへの愛じゃない。
ディアンシャがわたしに感情を向けるのは、わたしが泣いているときだけだ。わたしだけが好意を持っているくらいなら、少しぐらい我慢して、ディアンシャにもわたしを思ってほしかった。
それが例え……どんなに歪んだ感情だとしても。
──────────────
ここまで読んでくださった方へ。
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同じ性癖の方に届けたいという夢があるので、ぜひ応援いただけると嬉しいです⟡.·
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気持ちばかり彼の髪を手で引っ張った。でも痺れるような多幸感に手が緩み、目元が蕩け口がだらしなく開いて喘ぎ声が漏れるばかりだ。
もうだめだ、すき。大好き。
体をもじもじとくねらせて、股を擦らせた。熱い悦楽がみるみる重なり、愛おしい触れ方に体が悦んでいる。
ディアンシャが体のどこをどう触れても気持ちよく、悪い毒に昂り溺れていく。
彼は双丘の肉を柔らかく揉んで、脇に冷たい指先を滑らせた。腰の骨を挟むように撫で、太腿の内側へするすると降りていく。甘やかな鳥肌が伝っていき、全身がびくん震える。ショーツに触れ、二本指が腰の紐を挟みそのあいだを摩った。
唇を舐めて口を開かせ、わたしの舌を引っ張って甘噛みする。じゅると唾液が口の端から零れ、何度も舌を繋いでは巻きつける。
柔らかな指の腹がショーツをなぞっていく。直接は触ってくれない。濡れそぼった秘園の上をやわやわと摩り、掻くように刺激を与えてはさらにショーツを濡らした。肉裂を上を中指が通って側面の花唇を焦らし摩る。突起のあたりをちゅくちゅくと撫でては外し、今度は中心部を避けるように二本指が上下する。
「ぁ……は。んっ、んぁ……あ、ぁ」
じれじれと快楽が高まっていき、ディアンシャの服を引っ張った。一部が濡れていただけのショーツが粘液で浮いてきて、太腿の隙間へ垂れていく。
触ってほしい、もっと……ちゃんと、触って。お願い。
彼は弄っていた手を止めた。少し体を浮かせ、青眼で見下ろす。
「まだやんの?」
え? は……? なんで、今聞くの。本当に意地悪だ。
「ん、ん……や……ひどい」
「何が?」
白々しく笑う。
「してほしいならお願いして」
「やだ……し、ない」
「お前も謝ってよ? 最低って、天使が言っていいの?」
「なっ……なんで」
「俺も傷ついたんだけど?」
絶対嘘だ。
飄々とした顔で腰に指を滑らせ、ショーツのぐちゅぐちゅに湿った部分を軽く擦った。
「ぁ……は、やッ……んん、ぁ……」
でもすぐに手を離してしまう。もどかしい気持ちに肉裂がひくひくと疼く。
もう、やだ。意地悪だ。ディアンシャのばか。
たまに触っては煽るだけ煽り、じわじわと快楽の波が打ちよせては引いていく。
「っは、ぁ……んぁ……。ディアンシャ……いじわる、しない、で」
じゅくじゅくと愛液が溜まっていく。少し触られるだけでもイってしまいそうで、焦らすように表面をなぞり弄って遊ばれる。
「や、ぁ……や。ね、ぇ。おね、がい」
「お前がするなって言ったからやめたんだけど」
彼の首に手を回した。
「ごめ……ん……ごめんなさい。ごめ、んね。酷いこと、言って……ごめ、ん。ごめん」
「俺が今日意地悪したの、許してくれる?」
潤んだ視界でこくこくと首を下ろした。
「ゆるす。もう、いいよ。いい。許すから……おねがい…………つづき、して。して、よ」
ディアンシャは優しく笑って額に口付けた。
「いいよ」
雫を落としたような、ざらつきのない透明な声音。甘い波紋が胸に広がっていく。
柔らかな声色にほっとして、ぎゅうと縋りついた。
「だいすき……ディアンシャ、すき。すき」
「調子のいいやつ」
くつくつと笑い、ディアンシャは長くした爪でショーツを切った。すぅと空気が秘所に触れ、びくりと粒がひくつく。ディアンシャの指が溶けきった蜜壷に埋まった。
「あぁッ! は、ぁ」
求めていた触感に体が悦び、こぽりと愛液が溢れだした。中心部を数回彼が擦ると、焦らされていた悦楽がどっと押しよせ体がびくびくと痙攣した。
「やっ、は。あッ────!」
声を出す間もなく果て、荒い息に肩が上下する。
「はや」
からかうような声に体の奥が鷲掴みにされた。
恥ずかしい、ディアンシャのせいなのに。嫌だ。ばか。
わたしが体を起こそうとすると肩を押された。
「まだでしょ」
イったばかりのそこへくちゅくちゅと媚蜜と指を絡め、混ぜこむように花弁を触る。だめ、だめ……今は、触っちゃ、だめ。
「い、ま、イった……。だめ、」
「知ってる」
「や……ぁ、ね……は。ぁ……」
抵抗虚しく、早くも湿った吐息が漏れはじる。心地よい悦を欲しがるように秘壺がどくどくと脈打った。
中心の突起の両側だけをなぞり、柔らかく擦って快を集めていく。粘ついた液を掬うと膨れた肉芽にちゅんと撫でつけた。
「ぁ……やあ……」
摩るように粒を転がし、上下へやわやわと擦る。たまに入口の近くを指の腹が滑るたびにびくんと腰が跳ね、そこからまた蜜が溶けだして蜜壷にどろりとしたうるみを被せていく。
「ディアン、ひゃ。ぁ……ッ。きもち……んぁ……ん。あッ」
まだ足りない、もっと……もっとほしい。足を布団に擦らせ、せがむように腰を持ちあげる。
ぐちゅぐちゅに溶けた奥へ、ずぷりと指が入った。胎の裏側をなぞるように指が曲がり、イイところを擦り撫であげる。と思えばすうと抜かれて入口を摩り、くちゅくちゅと抜き差しされる。別の指が愛粒を弾き、等間隔で左右に擦りはじめた。
「ぁッ……、は! ぁあ、ん……」
ディアンシャは何度も角度を変えてキスをし、冷たい唾液を飲みこませた。舌をきゅうと歯で潰され、塩梅のいい疼痛が送られる。喘ぐ声を塞ぎ奥まで舌で弄び、溢れていく快感を閉じこめてしまう。
体をよじり悦から逃れようとすると、ディアンシャは体重をかけて体を抑え、さらに細かく粒を弾いた。
じりじりと焦がれるような淫猥な倒錯感が重なっていき、秘園の奥まで馴染み刷りこまれていく。
「っは……ん。ぁあッ、や、ぁ」
行き場のない快感が集まり、虐めるように愛涎を塗りこんでくちゅくちゅと擦る。
刺激が刻まれるたびに白い瞬きがちかちかと行き来して、ついに洪大な快感が弾けた。
「っあ、んんんん────ッ!」
はぁ、はぁ、と肩で息をするわたしを見下ろして、彼が青い視線を歪める。甘いキスを落とし、まだ敏感なそこにもう一度指を埋めた。
「な。だ。め……も……もう、いい。だいじょ、ぶ」
「こんなんでいいの?」
「へ? いい、いい。にかい、も、イ、った」
低い声で嗤った。
「だめに決まってんだろ」
彼がくぃと肉粒を撫でれば、びくりと足先が震えた。
なんで。もういいって言ったじゃん。ねぇ、だめ。
力の出ない手で腕を抑えても、笑ったまま粘液を周りに重ねていく。くちゅくちゅと卑猥な水音を立て、粒には微かな刺激だけを与えて逃げてしまう。
「っは、ぁ……や。あ……は、はっ……」
肉孔に指を沿わせると、つぷりとナカへ入れ、ぐにぐにと襞壁を擦った。ひくひくと開く穴が吸いつくように彼の指を咥え、甘い悦楽を絶え間なく求めつづけた。
ときおり花芽を別の指が弾くと甘い声が漏れて、するとディアンシャはぺろりと唇を舐め、たまに首筋や耳朶を食んだ。奥を弄っている指がもどかしい淫楽を重ねていき、ぐぃと指の腹が押した瞬間体が仰け反った。
「っっあ、あァッ!」
雷のような快感が一気に襲い、下腹部がじんじんと疼いた。愛液がさらに溶けて太腿を垂れていく。
「ねぁ……も、や……。だいじょ、ぶ……」
涙目で彼を見上げ、必死に声を繋げる。
「まだだめ」
「やぁ、だ。ね……え、やん、ぁ……」
彼は体を起こすと、股を開いて秘部を舌で舐めあげた。洪水のような淫猥が一気に駆けあがり、腰がびくびくと震える。閉じようとする脚を無理やりこじ開け、愛液をかきだすように舌を動かした。少し尖らせた舌が裂け目をなぞり、押しつけるように擦り、媚肉の口へ差し入れる。
出し入れされるたびにひくついた肉襞が絡みつき、その奥を執拗に虐める。粒をちろちろと舐められ、指が奥を弾き、さっきよりもずっと早く悦に突き落とされた。
「は、あッ……や、やん、ぁッ……!」
白い刺激が膣内で瞬く。倦怠感でどっと体が重くなる一方で、熱を帯びた肉欲が体じゅうに回っている。
ディアンシャはそのまま指や口を使って、あと三回、いや四回はイかせた。
最後はあまりの気持ちよさに涙が零れて、ディアンシャの体に縋りながら果てた。酔ったような頭は考える力を失い、びくびく痙攣する淫穴は、もう彼が触っていなくても熱く疼きつづけた。
「おねが。い。もぉ、だめ。きもち、い。から……ぁ」
舌足らずな話し方で彼の胸を叩き、涙に濡れた顔を擦りつける。
「もぉ、いい、いい。ディアンシャ。おかしく、なっちゃ、う」
「泣いてんの?」
ディアンシャは涙を指で拭うと、瞳に舌を沿わせた。まるで涙を食べるみたいに両目を舐め、ぞくぞくといやらしい快美が背中を這っていく。
「それ……や、だ……。きもち、い」
「お前の眼綺麗だから。食べちゃいたい」
「……だめ、だよ」
ディアンシャはぎゅうと抱きしめてくれた。硬い腕は体を潰すくらいに強く回って、高鳴っている動悸をとんとんとあやしてくれる。
「セラエル」
「ん、ん。ディアン、シャ、だいすき」
髪を指が撫でていく。さらさらと指に通して流した。
「俺もだいすき。一生離したくない」
「ディアン、しゃ」
いつも言わないのに。きっと嘘ってすぐわかるから、ずっと言ってなかったのに。
背中をさらに強く抱いた。ディアンシャのざらついた翼に指で触れる。
「だいすき……なの?」
「こんなにお前に執着してんのに、大好きじゃだめ?」
だめじゃない。嬉しい。それでもいい。
ディアンシャがわたしのこと考えてくれてるなら、もうなんでもいい。だいすき。
彼は首筋にまたキスをして、そっと頭を撫でた。
何度もイって動悸のおかしくなった体を、ディアンシャは優しく撫でていたわってくれた。
優しいときと意地悪をするときのギャップが大きすぎて、本当に同一人物かと疑うくらいだ。
「いみわかんない……。ディアンシャのばか」
「いいの、天使が馬鹿とか言って」
ぎゅうと胸に縋りつく。
「ディアンシャには、いいの。ディアンシャは悪い子だから」
笑って髪を掬い、指のあいだからするすると落としている。
穏やかで甘い時間、すごく幸せで、大好きで、夢のようなひとときだった。
「意地悪するのに、最後まではしないんだね」
「していいならヤるけど」
「だめだよ!?」
彼はくつりと笑う。
でもそうじゃなくて……ディアンシャならもっと、上手いこと言って乗せようとしてくるだろうに、と思った。
「どうしてちゃんとやめてくれるの?」
「煽ってんの? 本当は堕としてほしいわけ?」
ディアンシャは冗談でわたしの体を倒し、襲うような素振りをする。慌てて首を振った。
「ちが、違う。なんか……それだけは守ってくれるから……ディアンシャのイメージと違くて」
もう一度腕枕をしなおしてくれる。キツく抱きしめた。
「堕天させようとしたら確実にお前は離れるだろ。初めから壊れるってわかってんのに、やらねえよ」
「じゃあ、今日人にわたしを触らせたのは……」
「こんなんで離れるならいらねえよ。悪魔が好きって言うなら、俺のすべてを愛してよ」
「ディアンシャのすべてって。意地悪、するのも許してってこと?」
「そう。代わりにデートしてあげてるだろ。お前のしてほしいこともしてる」
たしかに昼間のデートは完璧だった。
今だって……。さっきもずっと気持ちよかったし、最初は無理やりキスされたとはいえ……ディアンシャに抱いてほしかったのは事実だ。
体を離すと、彼が頬にするすると指を滑らせた。甘い視線が辿っていく。
「セラエルがいちばん嫌がることはしない。だから俺から離れたらだめだよ」
こく、と首を下ろした。そういう声に弱かった。
酷い悪魔なくせに、愛らしくお願いすることもできるんだから。ディアンシャに甘い自分も自分だ。
「今までもこういうこと……してる子、いなかったの? なんていうか……朝みたいに変なの飲ませるとか……」
痛かったガラスの破片を思い出し、喉の辺りを潰した。怪我はとっくに治っているけど、痛いものは痛い。
「人間が俺を好きになるのはふつうだろ。顔もいいし、口も上手いし、相手の望むことなんでもやってあげるんだから」
自分で言うなよ、じとっと目を細めた。頬を摘まれる。
「ディアンシャ、酷い人だから、きっと人間でも嫌われるよ」
「意地悪しなきゃいいんだろ? 大丈夫、そっちもできるから」
むすっと唇を尖らせた。
「だが天使は話す機会すらない。天使のお前が俺に堕ちてるのは面白いから遊んでんの。だから心配しなくてもお前くらいしかいないよ」
「別に心配とか……じゃないし……」
少しして、おそるおそる彼にまた尋ねた。
「朝わたしのこと、もう興味ないって言ってなかった? 成功……したから」
「あー、言ったね」
軽く笑い、とんとんと背中を叩いている。
「俺は傷つけるためにも嘘つくし、優しくするためにも嘘ついてんの」
「じゃあ朝のは……嘘?」
「さあ? どっちでしょう?」
首を傾げ、奇妙な微笑を貼りつける。
「教えてよ……!」腕を揺する。
「今度ね」ちゅうと額に口付ける。「今日はもう寝る? 風呂は入んなくていいの?」
「あれは……ただの趣味だから」
天使の衣を胸元まで引っ張り、ディアンシャの腕の奥へ入る。
「明日……一緒にお風呂入ってくれる?」
「俺と?」わしゃわしゃと髪を乱した。「かわいいな。いいよ。入ってあげる」
「明日もデートしてくれる……?」
「お前がいい子にしてたらな」
背中をぎゅうと抱きしめる。
この〝いい子〟ってつまり、またディアンシャの無理なお願いを聞くって話だよね。
溜息をつく。またわたしが泣くようなことつもりなのかな。
でもわたしがディアンシャにデートしてもらっているように、ディアンシャはわたしに嫌がることをするのが好きなんだから、お互いしたいことをするという意味では……対等なのかもしれない。
少なくともそのあいだはディアンシャを独り占めできる。
彼にずっと優しくしてほしいとは思わなかった。
その優しさはただの気遣いで、わたしへの愛じゃない。
ディアンシャがわたしに感情を向けるのは、わたしが泣いているときだけだ。わたしだけが好意を持っているくらいなら、少しぐらい我慢して、ディアンシャにもわたしを思ってほしかった。
それが例え……どんなに歪んだ感情だとしても。
──────────────
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