獣の国~獣人だらけの世界で僕はモフモフする~

雅乃

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予想以上

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酉の村を出て一日。
旅の移動は予想よりはるかに速かった。

初日は酉の獣人に飛行機のように運ばれ、山を越えた。
森林豊かな山脈が、永遠と続いている。
驚いたのは途中何度も急降下のように下った事だ。
嘘とは思っていなかったけど、自分がいた標高の高さを実感して驚いた。

ルーシーさんに村に来る時も運ばれたのか聞いたみると。

「走った方が速い」

酉の獣人さんは苦笑いしていた。
ルーシーさんは戌族の中でも、速力に優れているらしい。

山の麓まで案内された僕らは、大木を彫ったツリーハウスのような宿で一泊。
キツツキになったような気分だった。

日が昇る少し前に朝食を済ませ、ルーシーさんと旅立つ。
ここからは上空の風が強く、普通の酉族では厳しいそうだ。
酉の獣人さんは朝早く羽繕いをしてあげ、既に別れている。

旅立つ方角に目を向けた。
大地は荒野のように乾燥している。
ツリーハウスが境目のように、草木が分かれていた。
そして満月平原ほどではないが、魔物の群れがいくつか見える。
・・・走り抜けるのだろうか?

「精一、今からマナを使うから。」

そういってルーシーさんはポケットから指輪を取り出した。
濁った緑色の透明感の無い石がはめ込まれたシンプルな指輪。
指に嵌め、進む方向に石を向ける。

【留まる事を知らない淀まぬ風 どうか我が道にも流れるように 風道】

呪文のような言葉を唱え終わると、石が輝いた。
そして、風の流れが僅かに変化する。
目には見えない弱い風が、トンネルのような道を造った。

「説明は後でする、行くぞ。」

手を引かれ、風の中を走り抜ける。
何時もより足が軽く、抵抗も無いので走りやすい。

僕は手を引かれるまま、魔物の群れをすり抜けて走った。





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