嫌だ。

紫水晶

文字の大きさ
上 下
1 / 1

甘い

しおりを挟む
 「嫌だ。納得いかない。私以外にあなたのことをこんなに思っくれる人はいない。別れるなんて、絶対に嫌だ。」


 なんで分かってくれないの?

 「私以外に誰があなたのことを守るの?誰が登下校中ずっと見守るの?」

 え?登下校中?

 「授業中も。あなたのクラスにカメラ仕掛けてあなたのことをずっとみたり、あなたの移動教室にもカメラ仕掛けて、あなたの筆箱のストラップに盗聴器つけてあなたのことを傷つけてる奴がいないか心配して。何が不満な訳?こんなにあなたのことを大事にしてるのに。」

 え?え?え?内容が全く頭に入ってこない。カメラ?盗聴器?何を言って・・・・

 「あなたのスマホに私の指紋いれて、あなたのメール帳と電話帳全部写真撮って、LINEとInstagram、TwitterあなたがやってるSNS全部チェックしたりしてるんだよ?!」

 「他にも、あなたに近ずいてくる害虫を駆除して、あなたにちかずこうとしてくる虫けらも全部追っ払ってるんだよ?」

 「あなたにあなたのためにこんなに頑張ってるんだよ?なんでなんでそんな事言うの?」

 「私はあなたのために生きてるの。別れるなんてそんなこと言わないで・・・・」

 涙目になりながら、私のことを掴んで私の胸に抱きついて泣く君を私は離すことができない。

 この子は異常だ。この子のやってることは犯罪だ。

でも、でも、

 「お願い・・私を捨てないで・・・・」

そんなこと言われちゃ捨てられないじゃん。そんなに縋られちゃ捨てられないじゃん。

 君と別れたい。けど、君を放っておけない。

なんで私はこんなに甘いんだろう・・・・

しおりを挟む

この作品の感想を投稿する


処理中です...