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ファンレター
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俺に一通のファンレターが届いた。
内容は、俺が描いている小説への熱烈なファンレターだった。いままでに10冊の小説を書いたが、医療ものや刑事ものとジャンルをあまり決めていない。
しかし、そのファンレターには細部にまで言及し、そのメッセージには、俺の作品を熟読し理解していることが伝わってきた。書いた本人も忘れているようなこと、例えば刑事の主人公は冒頭に椅子に座る時は脚を組んでいるのに後半からは腕を組んでいるように書いてますなど細かすぎて思わず微笑んでしまう。
「N子さん、ありがとう。」
最初は数少ないファンからの手紙に俺は喜んでいた。
しかし、次第にそのファンレターは不気味なものへと変わっていった。
ある日俺がSNSに近所の街の景色。あまり特定されないように空8割の写真を載せた日には、
「あなたの家、○○町の近くにありますよね?」とコメントが来た。
その一文に、俺のスマホをタップする指が止まる。
家?近く?過去にプライベート用のSNSで一度、自分が住んでいる町の風景を撮影して投稿したことがある。しかし、それは、特に意味もなく、自分の好きな風景をシェアしただけだった。
だが、ファンレターの送り主であるN子は、その風景から彼の住んでいる場所を突き止めていたのだ。俺は、その時から少し警戒し始めるが、すぐにそれをただの偶然だと思うことにした。
しかし、さらに日が経つと、N子からのメッセージは次第に恐ろしい内容へと変わっていった。
「今、あなたの近くにいるよ。あなたの顔が見たい」
そのメッセージに恐怖を感じた俺は、SNSをチェックし、N子のプロフィールを調べ始めたが、そこにはほとんど情報がなかった。ただ、彼女が色々な小説の作者にコメントしていることがわかるだけだった。
ある晩、深夜11時。
玄関に一通の手紙が差し込まれていることに気づく。手紙には、ただ一行だけが書かれていた。
「次はあなたの顔を見せてもらうね。」
その日を境に、俺の周囲で奇妙な出来事が頻発するようになる。
ドアのノブが何度も勝手に動く音、窓を叩く風の音、そして何かが
俺を見ているような感覚。それらが全て、俺の精神を蝕んでいった。
俺は思い切って、N子にメッセージを送る。
「もうやめてくれ。僕の生活に干渉しないでくれ」
返信はすぐに届いた。
「もう遅いよ、二郎。あなたの全てが、私の作品の一部だから。」
その瞬間、二郎は背後に何かが迫っている気配を感じた。
振り向くと、窓の外に、ぼんやりと人影が見えた。彼女の影だろうか…?
その夜、二郎は窓を閉めて、しっかりとカーテンを引いた。だが、カーテンの隙間から、ひとつの顔がじっとこちらを見ているのが見えた。暗闇の中で、その目が、次第に二郎を見るそして、彼女の者らしき唇が動いた。
「見つけた」
内容は、俺が描いている小説への熱烈なファンレターだった。いままでに10冊の小説を書いたが、医療ものや刑事ものとジャンルをあまり決めていない。
しかし、そのファンレターには細部にまで言及し、そのメッセージには、俺の作品を熟読し理解していることが伝わってきた。書いた本人も忘れているようなこと、例えば刑事の主人公は冒頭に椅子に座る時は脚を組んでいるのに後半からは腕を組んでいるように書いてますなど細かすぎて思わず微笑んでしまう。
「N子さん、ありがとう。」
最初は数少ないファンからの手紙に俺は喜んでいた。
しかし、次第にそのファンレターは不気味なものへと変わっていった。
ある日俺がSNSに近所の街の景色。あまり特定されないように空8割の写真を載せた日には、
「あなたの家、○○町の近くにありますよね?」とコメントが来た。
その一文に、俺のスマホをタップする指が止まる。
家?近く?過去にプライベート用のSNSで一度、自分が住んでいる町の風景を撮影して投稿したことがある。しかし、それは、特に意味もなく、自分の好きな風景をシェアしただけだった。
だが、ファンレターの送り主であるN子は、その風景から彼の住んでいる場所を突き止めていたのだ。俺は、その時から少し警戒し始めるが、すぐにそれをただの偶然だと思うことにした。
しかし、さらに日が経つと、N子からのメッセージは次第に恐ろしい内容へと変わっていった。
「今、あなたの近くにいるよ。あなたの顔が見たい」
そのメッセージに恐怖を感じた俺は、SNSをチェックし、N子のプロフィールを調べ始めたが、そこにはほとんど情報がなかった。ただ、彼女が色々な小説の作者にコメントしていることがわかるだけだった。
ある晩、深夜11時。
玄関に一通の手紙が差し込まれていることに気づく。手紙には、ただ一行だけが書かれていた。
「次はあなたの顔を見せてもらうね。」
その日を境に、俺の周囲で奇妙な出来事が頻発するようになる。
ドアのノブが何度も勝手に動く音、窓を叩く風の音、そして何かが
俺を見ているような感覚。それらが全て、俺の精神を蝕んでいった。
俺は思い切って、N子にメッセージを送る。
「もうやめてくれ。僕の生活に干渉しないでくれ」
返信はすぐに届いた。
「もう遅いよ、二郎。あなたの全てが、私の作品の一部だから。」
その瞬間、二郎は背後に何かが迫っている気配を感じた。
振り向くと、窓の外に、ぼんやりと人影が見えた。彼女の影だろうか…?
その夜、二郎は窓を閉めて、しっかりとカーテンを引いた。だが、カーテンの隙間から、ひとつの顔がじっとこちらを見ているのが見えた。暗闇の中で、その目が、次第に二郎を見るそして、彼女の者らしき唇が動いた。
「見つけた」
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