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三人がつなぐ、昔の友へ
友達は今ここに
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「もうこれ以上、悪さはしないでくれ。
じゃないと、君と僕は離れ離れになる。もう一生、会えなくなるかもしれない。」
彼女は、かなとさんの方へと向き直し、
「わかったよ。かなとさんといるだけで、私。いいや。」
三人は二人の邪魔をしないように、息を殺して、見ていた。
先程までの、バクの怒りは無となっていた。それも、かなとさんのおかげだった。
「ごめんね。皆さん。」
何分かの静寂の後、彼女は三人の方へ振り返った。
「私。間違っていた。人を恨むのは、違うことだって気がついた。
心の中でどこか、かなとさんといる事を、求めていたかもしれない。だからかなとさんがいなくなった時、人への恨みがあったのかもしれない。
でも、もうやめる。
次生まれ変わったら、かなとさんと、皆さんと仲良く遊びたい。」
源気、蓮斗、そしてせいま。三人が、かなとさんと“令”との橋渡しとなっていた事は、改めて気がついた。
「もちろん。良いよ。今までは、奏斗を連れ去って、君を恨んでいた僕達も居た。
だけど、君は僕達怨む事は違うと気づいた。行動を起こす前に気がついたんだ。それでいい。
漠、いや令ちゃんも反省したなら、少なくとも僕は許す。あの世でも、二人で元気で。」
せいまは、彼女を許した。
「僕も許す。」
源気も、彼女を許した。
「…俺も、良いかな。許したい。」
素直になれない蓮斗は、そう答えた。蓮斗も、彼女を許した。
「ありがとうな。お前達。」
かなとさんは、お礼を言った。彼女は、ペコっとお辞儀をした。
「記憶は、元通りにしておきます。」
「あの。事件の事なんだけど、あれは、」
せいまは、聞いた。これだけは、聞いておきたかった。
「あれは、犯人の意思だよ。私は何も操ってない。
記憶はないのは、その時だけの記憶を私が消したからであって、犯人は自分の意思で行ったもの。」
あ~。三人は納得がいった。
また、人の恐ろしいものを痛感した。やっぱり、人は私達の生活の中で一番恐い存在(生き物)だったわけだ。
かなとさんは、もう一度こう言う。
「今回を引き起こしたのは、この子が人からの悪影響を受けたことが原因です。
多分戦時後、人は恐ろしい者だと、戦争などを引き起こす嫌な者だと、人々が伝えた事で、この子にもそういうふうに、影響されてしまったのだと思います。
あなた方も、そんなふうな生き方はしないでくださいね。自分勝手な意見で、他人も振り回されることもありますし。
人は、人に影響されて生きている事を忘れないでください。それが、悪でも正義でも、人は大きな影響を受ける事もありますから。
では、また会いましょう。本当に、ありがとうございました」
かなとさんは、手を振った。また彼女はペコっと小さなお辞儀をした。
今は思える、かわいいやつだった…と。
彼らは、霧の中へと消えた。そして、その世界では二度と姿は見せなかった。
どれだけ時間が経っただろう。風が強くてビュービューと鳴っている。
その音に気がついて、三人は小屋の中で目を覚ました。もう暗くなってきていた。
しかし、まだ全て解決してない事に、三人は気がついた。
「奏斗!!」
すぐさま、外へ出た。すると…
「奏斗。聞こえるか」
崖の上に奏斗が立っていた。だが、まだボーッとしている。意識が朦朧としているみたい。
小屋から見ると、すぐそこに彼はいるのだが、崖があってすぐには迎えに行く事が出来なかった。
「あ、」
足を滑らした。その時、彼は我に返ったように、叫び声をあげた。
すると、一瞬。ほんの一瞬で彼の姿は無くなっていた。
すると、
「おい、奏斗。」
奏斗が、三人の目の前で立っていた。
「え?なにかに、両手を掴まれた気がしたんだけど。」
奏斗は不思議そうに言った。
三人は、こう言った、
「令と、かなとさんだ。」
彼は、
「かなと?僕の事?」
と、寝ぼけたことを言った。まぁ、無理もないよね。令との記憶はないのだから。
~~その後の、記憶はしっかりある。
ゆっくりと奏斗を担いで、山を降りたこと。すぐに車に乗り、病院へと走ったこと。奏斗は、あの女はどこへ行ったのかと、一生懸命に聞いてきたこと。
だが、三人は決して、口を開かなかった。その事については。三人と、かなとさんと、令だけの秘密。
警察にも事情聴取された事などは、もう伝えきれないので、もういいだろう。
学校生活は、普通に送ることが今は出来ている。
もうすぐで、卒業。この事は、学校生活一番の面白く、青春溢れる、出来事であった。
奏斗は全くそうではなかった、みたいだが…
あの小説は今、せいまの神社に大事に奉納されている。彼女とかなとさんの縁のあるものだから。
じゃないと、君と僕は離れ離れになる。もう一生、会えなくなるかもしれない。」
彼女は、かなとさんの方へと向き直し、
「わかったよ。かなとさんといるだけで、私。いいや。」
三人は二人の邪魔をしないように、息を殺して、見ていた。
先程までの、バクの怒りは無となっていた。それも、かなとさんのおかげだった。
「ごめんね。皆さん。」
何分かの静寂の後、彼女は三人の方へ振り返った。
「私。間違っていた。人を恨むのは、違うことだって気がついた。
心の中でどこか、かなとさんといる事を、求めていたかもしれない。だからかなとさんがいなくなった時、人への恨みがあったのかもしれない。
でも、もうやめる。
次生まれ変わったら、かなとさんと、皆さんと仲良く遊びたい。」
源気、蓮斗、そしてせいま。三人が、かなとさんと“令”との橋渡しとなっていた事は、改めて気がついた。
「もちろん。良いよ。今までは、奏斗を連れ去って、君を恨んでいた僕達も居た。
だけど、君は僕達怨む事は違うと気づいた。行動を起こす前に気がついたんだ。それでいい。
漠、いや令ちゃんも反省したなら、少なくとも僕は許す。あの世でも、二人で元気で。」
せいまは、彼女を許した。
「僕も許す。」
源気も、彼女を許した。
「…俺も、良いかな。許したい。」
素直になれない蓮斗は、そう答えた。蓮斗も、彼女を許した。
「ありがとうな。お前達。」
かなとさんは、お礼を言った。彼女は、ペコっとお辞儀をした。
「記憶は、元通りにしておきます。」
「あの。事件の事なんだけど、あれは、」
せいまは、聞いた。これだけは、聞いておきたかった。
「あれは、犯人の意思だよ。私は何も操ってない。
記憶はないのは、その時だけの記憶を私が消したからであって、犯人は自分の意思で行ったもの。」
あ~。三人は納得がいった。
また、人の恐ろしいものを痛感した。やっぱり、人は私達の生活の中で一番恐い存在(生き物)だったわけだ。
かなとさんは、もう一度こう言う。
「今回を引き起こしたのは、この子が人からの悪影響を受けたことが原因です。
多分戦時後、人は恐ろしい者だと、戦争などを引き起こす嫌な者だと、人々が伝えた事で、この子にもそういうふうに、影響されてしまったのだと思います。
あなた方も、そんなふうな生き方はしないでくださいね。自分勝手な意見で、他人も振り回されることもありますし。
人は、人に影響されて生きている事を忘れないでください。それが、悪でも正義でも、人は大きな影響を受ける事もありますから。
では、また会いましょう。本当に、ありがとうございました」
かなとさんは、手を振った。また彼女はペコっと小さなお辞儀をした。
今は思える、かわいいやつだった…と。
彼らは、霧の中へと消えた。そして、その世界では二度と姿は見せなかった。
どれだけ時間が経っただろう。風が強くてビュービューと鳴っている。
その音に気がついて、三人は小屋の中で目を覚ました。もう暗くなってきていた。
しかし、まだ全て解決してない事に、三人は気がついた。
「奏斗!!」
すぐさま、外へ出た。すると…
「奏斗。聞こえるか」
崖の上に奏斗が立っていた。だが、まだボーッとしている。意識が朦朧としているみたい。
小屋から見ると、すぐそこに彼はいるのだが、崖があってすぐには迎えに行く事が出来なかった。
「あ、」
足を滑らした。その時、彼は我に返ったように、叫び声をあげた。
すると、一瞬。ほんの一瞬で彼の姿は無くなっていた。
すると、
「おい、奏斗。」
奏斗が、三人の目の前で立っていた。
「え?なにかに、両手を掴まれた気がしたんだけど。」
奏斗は不思議そうに言った。
三人は、こう言った、
「令と、かなとさんだ。」
彼は、
「かなと?僕の事?」
と、寝ぼけたことを言った。まぁ、無理もないよね。令との記憶はないのだから。
~~その後の、記憶はしっかりある。
ゆっくりと奏斗を担いで、山を降りたこと。すぐに車に乗り、病院へと走ったこと。奏斗は、あの女はどこへ行ったのかと、一生懸命に聞いてきたこと。
だが、三人は決して、口を開かなかった。その事については。三人と、かなとさんと、令だけの秘密。
警察にも事情聴取された事などは、もう伝えきれないので、もういいだろう。
学校生活は、普通に送ることが今は出来ている。
もうすぐで、卒業。この事は、学校生活一番の面白く、青春溢れる、出来事であった。
奏斗は全くそうではなかった、みたいだが…
あの小説は今、せいまの神社に大事に奉納されている。彼女とかなとさんの縁のあるものだから。
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