the She

ハヤミ

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その11~15

その11

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「いらっしゃい。早かったわね」
「まあ、アンタん家に行く以外することもなかったしな」
 今日は初めて、友人を家に招き入れた。
「んで、見せたい物ってなんだよ。いやまあ、鋏関係であることは容易に想像は着くんだがな…」
「それならばご期待に添えられそうよ」
「期待はしてねえよ…」
「それに見せたい物とは伝えたけれど、実際には着せたい物なの」
「あん? 着せる? アタシに?」
 友人を自室に案内し早速、クローゼットに保管してある衣服を取り出す。
「某なんちゃって聖人漫画からインスピレーションを受けた、鋏模様のシャツよ!」
「うーん…」
 引いているような引いていないような、絶妙に微妙な反応を得る。
「これはシルクスクリーンと言って、好きな模様をシャツにプリントする技術なの。器材を揃えてみると少し高かったわ」
「鋏が無駄にセンスの良いデザインなのが腹立つな…」
「愛の成せる技ね。ちなみにこっちの2着が貴女に着せたい物よ」
 下向きに開いた鋏が胸元に来るようデザインされている点は同じだが、それぞれ鋏の位置を少しだけ変えてある。
「んー? なんで片方のシャツは鋏が下寄りなんだ?」
「それはノーブラ用よ」
「…あっ、鋏の持ち手が妙に小さいと思ったらそういうことか!! ってなんで分かってんだよ!?」
 頬を赤らめテーブルを叩き付ける。
「その反応から察するに合っていたようね。当然もう片方はブラ着用時用だから、ちゃんと使い分けられるでしょう?」
「要らん気遣い!」
「私の分も1着だけ拵えてあるから、ペアルックも完璧ね」
「いや、これでペアルックにはしたくねぇよ…。あん? 1着だけ? アンタの2着目は――」

「それ以上喋ったら、貴女も1着で済むようにするわよ」

「――あー、なんだ、ほら、アレだろアレ」
 友人の視線が、私の顔から20センチほど下がる。
「…アレ?」
「成長期、来なかったんだろ?」
「切って捨てる!!」
「鋏2本構えて片目閉じて誰の真似してるんだよそれ!? うぉっ! こっち来んなっ!」

 全ての皆様は、鋏を振り回したりしないでくださいね。
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