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その11~15
その13
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「ごめんなさいね。考えてみれば、家に誰も誘ったことがないのだから、貴女用の布団が無いことくらい当然なのよね」
夜、私のベッドに2人、私と友人は背中合わせに寝転がっている。
「来客用とかねぇの?」
「………今、使っている布団がそうだわ」
「まっ、別に構いやしねぇよ。昔はアニキと一緒に寝てたりしてたからな」
「貴女、お兄さんがいたの。もしかしてその口調って…」
「あん? あー、アニキ譲りだろうな。今はアメリカに帰ってるけど」
「えっ、貴女ってアメリカ生まれなの? いえ、容姿から察するには余りあるけれど…」
「アニキがガキの頃はアメリカに住んでたんだけど、アタシが生まれる頃には日本に移住してて…。実家は向こうにあるって感じだな…」
「衝撃の事実、とは正にこの事ね…」
「そういうアンタは…まあ、ずっと1人だったんだっけか…」
「失礼ね、両親がいるから3人よ。今なら貴女を入れて4人になるわね」
「あーはいはい…良かった良かった…」
くるりと友人はこちらへ寝返り、体を寄せて私のお腹に腕を回す。
「…んじゃあ、おやすみ…」
「えっ? ええ、そ、そうね、おやすみなさい…」
眠れるのだろうか、この状況で私は眠りに付けるのだろうか。
「………」
「くぅ…すぅ…」
照明を落とした部屋の中、ペンケースに入れられた鋏の持ち手を月明かりが照らす。
私の背中で可愛く寝息を立てる友人がプレゼントしてくれた、美しい曲線の持ち手である鋏。
流石に就寝時だけは、鋏を咥えることが出来ない。
緊張に勝ち、睡魔が襲い来るその時まで私は鋏を眺め続けていた。
○
「ごめんなさいね。考えてみれば、家に誰も誘ったことがないのだから、貴女用の布団が無いことくらい当然なのよね」
夜、私のベッドに2人、私と友人は背中合わせに寝転がっている。
「来客用とかねぇの?」
「………今、使っている布団がそうだわ」
「まっ、別に構いやしねぇよ。昔はアニキと一緒に寝てたりしてたからな」
「貴女、お兄さんがいたの。もしかしてその口調って…」
「あん? あー、アニキ譲りだろうな。今はアメリカに帰ってるけど」
「えっ、貴女ってアメリカ生まれなの? いえ、容姿から察するには余りあるけれど…」
「アニキがガキの頃はアメリカに住んでたんだけど、アタシが生まれる頃には日本に移住してて…。実家は向こうにあるって感じだな…」
「衝撃の事実、とは正にこの事ね…」
「そういうアンタは…まあ、ずっと1人だったんだっけか…」
「失礼ね、両親がいるから3人よ。今なら貴女を入れて4人になるわね」
「あーはいはい…良かった良かった…」
くるりと友人はこちらへ寝返り、体を寄せて私のお腹に腕を回す。
「…んじゃあ、おやすみ…」
「えっ? ええ、そ、そうね、おやすみなさい…」
眠れるのだろうか、この状況で私は眠りに付けるのだろうか。
「………」
「くぅ…すぅ…」
照明を落とした部屋の中、ペンケースに入れられた鋏の持ち手を月明かりが照らす。
私の背中で可愛く寝息を立てる友人がプレゼントしてくれた、美しい曲線の持ち手である鋏。
流石に就寝時だけは、鋏を咥えることが出来ない。
緊張に勝ち、睡魔が襲い来るその時まで私は鋏を眺め続けていた。
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