the She

ハヤミ

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その21~25

その23

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「じゃーん! アナタ用に鋏シャツを持ってきたわ!」
「なんやこれ…いやホンマになんやこれ…」
「あー、それか。家用に着る分には普通のシャツなんだけどな。外では着れねぇ」
「なぜ!? 私は着ているのに!」
「ワイシャツ開けんな。見せんで良い」
「こんなんどこで売ってるん? よう見付けられんなぁ」
「自作よ」
「アホなんか!?」
「コイツにとってはお菓子作りみたいなもんだと思えばいいぞ」
「そんならお菓子作ればええやん! いやダメやん! ゼッタイ鋏の形になる!」
「鋏型のクッキーも作って来たわ」
「末期や!」
「クッキーよ」
「そうやない!」
「いただきまーす」
「普通に受け入れとる!」
「はい、アナタもどうぞ」
「あむっ。ウマい! なんでか腹立つ!」
「次は飴でも作ってみようかしら」
「この間のストラップみたいな感じになりそうだな」
「自分らのケータイに付いてるそれも自作なんかい!」
「もう一つ食べる?」
「いただくわ! なんでこんなウマいねん!」
「鋏型なだけで普通のクッキーだもんな。コイツ、手先器用だし」
「気持ち鉄分多めよ?」
「気持ち鋏要素は求めとらんわ!」
 デカいのが、ウチのプレゼントされたシャツに目を移す。
「…やっぱり一着だけか」
「はっ? なんや、自分は二着貰ったん?」
「あー…いや、何でもねぇ…」
 口を滑らせてしまったのか、やや曇った表情を見せる。
「なんやなんや! 一着しか貰えん程度の仲良し度ですかーとでも言うつもりか!」
「いいえ、違うわ」
 カチャッ、と鋏っ子が数本の鋏を取り出した。
「ひぃっ…!」
 デカいのから小さな悲鳴が聞こえる。
「アレが原因よ」
「アレってなんや…?」
 鋏っ子の視線を辿ると、2つの大きな山にぶつかった。
 歩くだけでもたゆんと音を立てて揺れる山々に。
「………」
「………」
「おい…馬鹿…やめろ…まさか2人揃って…!」
 鋏っ子にアイコンタクトを送る。
「「切って捨てる!!」」
「やめろおぉぉぉぉぉっ!!」

 デカいのをくっつけたデカいののデカい悲鳴が響き渡った。
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