19 / 24
16.ゴブリン討伐
しおりを挟む
それからさらに数週間、ギルド活動を続けた。
ギルドを設立してから間もないということもあり、いまだに『夜の騎士団』に持ち込まれる依頼は、掃除やペット探しなどの雑務系が多かった。
ただ、ときどき、低位ではあるが魔物討伐の依頼が持ち込まれることも出てきている。
もちろん、俺とユナの実力で魔物討伐を失敗することはなかったので、今のところ一度も失敗することなく迅速な魔物討伐をすることができていた。
その成果もあってか、
少しずつではあるが、『夜の騎士団』の名前は世間に広がり始めてきていた。
今ではようやく国にも認知され、国からの依頼も回ってくるようになってきている。
しかし、まだ大物の依頼が回ってこないのは確かだ。
近頃、超高額な報酬金のかかった黒龍討伐依頼が出回っていたという噂を聞いたが、うちにはそんな依頼きていない。
やはりそういったデカい依頼はもっと有名なギルドにしか出回らないのだろう。
はやくそのレベルまで登り詰めたいところだ。
というわけで今日も頑張りますか。
「今日の依頼は二件あるわね」
と、ユナが二枚の依頼書を見ながら言った。
二件か。
ちょうどいい数だ。俺とユナの二人でこなせば一日で片付けられるだろう。
「依頼内容は?」
「薬草採集と、ゴブリン退治よ」
お、魔物の討伐依頼きてるじゃん。
ユナはさらに依頼書を読んで内容をまとめてくれた。
「薬草採集は西の森での仕事で、ゴブリン退治は北の森での仕事みたい。
今回の依頼は別々の場所での作業になるから、手分けして一人一つの依頼をこなした方がよさそうね」
お、別行動か。
なんか久々の別行動だな。
ちょっと寂しい……。
仕方ないことだけど……。
「……わかった。俺はどっちの依頼でもいいけどユナはどっちの依頼を受けたい?」
「私もどっちでもいい。じゃんけんで決めましょ」
そして話し合いの末、じゃんけんで勝った方がゴブリン討伐の方を受けることになった。
結果。
じゃんけんには俺が勝った。
よって、俺がゴブリン討伐。ユナが薬草採集という割り振りになる。
「……よし、じゃあ行きますか」
「うん。そんなに大した魔物じゃないけど、気をつけてねハルト」
ユナが俺のこと心配してくれてる……。
めちゃくちゃ嬉しい……。
最近ユナのデレが増えてきてて俺は嬉しいよ。
「ユナこそ一応森に入るんだし気をつけてな」
「私は大丈夫よ」
まあ確かに、ユナほどの実力があれば森の魔物くらいなんてことはないか。
けど心配なもんは心配だ。
俺はユナの背中が見えなくなるまで彼女を見送った。
この頃ずっと一緒に行動してたから一人になるとやはり寂しさを感じる。
……さっさと依頼を終わらせよう。
こうして俺は北の森へ、ユナは西の森へ向かった。
***
ゴブリンはEランクの魔物だ。
山籠もりをする前に、俺も一度倒したことがある。
つまりそんなに強くない魔物ということだ。
ちなみに魔物のランク区分はこのようになっている。
S :複数の国にまたがる脅威となる力を持つ魔物。訓練された兵士がいくらいても勝てない力を持つ。
A :街一つを滅ぼす力を持つ魔物。よく訓練された兵士1000人に匹敵する力を持つ。
B :よく訓練された兵士100人に匹敵する力を持つ。
C :よく訓練された兵士10人に匹敵する力を持つ。
D :パーティーで戦うことが望ましいレベルの魔物。
E :剣術の訓練を受けた者であれば倒せるレベルの魔物。
F :一般人でも勝てる可能性があるレベルの魔物。
あくまで参考程度のランクではあるが。
ゴブリンはEランクの魔物なので今の俺ならどんなことがあっても負けやしないだろう。
俺はゴブリンを探しながら森を歩く。
「さて、ゴブリンはどこだ……」
しばらく歩いているがまだゴブリンは見つからない。
今回の依頼のノルマはゴブリン五体以上となっている。
はやいとこゴブリン見つけてユナのもとへ帰りたい。
ゴブリンどこだ、ゴブリン……。
「ゴブリンかぁ……」
俺はゴブリンという言葉で、あるひとりの人物を思い出していた。
アイリーンである。
アイリーンに振られる前日、俺はゴブリンを倒したことをアイリーンに褒められた覚えがある。
「……はぁ」
俺はいまさら何を思い出しているのだろうか。
もうアイリーンのことなど忘れたかった。
彼女のことを思い出すたびに胸が痛くなる。
別に未練があるとかじゃない。
ただ嫌な思い出として、心から彼女が消えないのだ。
だめだ。
一人になると、あのトラウマがどうしても頭の中に蘇ってしまう。
そういう時に俺は決まってユナのことを考えるようにしている。
ユナの顔を頭に思い浮かべると、心がスッと楽になるのだ。
もうこれ軽いドラッグだろ。
近いうちにユナが危険薬物に指定されてもおかしくないな……。
「よし、もう大丈夫だ」
俺は心の中でユナに感謝しつつ再び歩き出す。
あ、そうだ。
俺は首にかけていた赤い宝石のペンダントを手に取る。
アイリーンに誕生日プレゼントとして貰ったペンダントだ。
「…………」
捨てるに捨てられず、なんだかんだずっと持ったままにしていた。
けどもう今の俺には必要無い。
俺はそのペンダントを首から取って捨てた。
気持ちを切り替え、再び森を歩き出す。
「はやいとこ終わらせるぞー!」
***
「はやいとこ終わらせないとね」
アイリーンは馬車に揺られながらそう言った。
現在、アイリーンたち『月の騎士団』一行は馬車に乗って黒龍のもとへと向かっていた。
黒龍が最後に確認されたのは『ユーテリア王国』の付近であった。
よって、アイリーン達はいったん『ユーテリア王国』へと馬車を走らせている。
『ユーテリア王国』。
それは現在ハルトがいる国でもあった。
「そうだな。……このままでは世界中に被害が広がってしまう」
深刻な面持ちでそう言ったのは、アイリーンの隣に座っていた『月の騎士団』副団長ターニャだ。
ちょうど今、黒龍の被害が凄まじい勢いで拡大しているとの知らせが『月の騎士団』に届いたところだった。
「今回、ユーテリア王国に向かってるのは、私たちと『雪の騎士団』だけなんだね」
アイリーン達のもとにはさらに、『花の騎士団』が諸事情により今回の黒龍討伐には参加できないとの知らせも届いていた。
三大ギルドのうちのひとつが欠けるということは、非常に大きな戦力を失うということだ。
今回の黒龍は、世界がひとつになって対処しなければならない、というレベルの敵である。
『花の騎士団』不在の知らせに不安を覚えたメンバーもいるだろう。
「まあ私たちと『雪の騎士団』がいれば十分であろう。それに、ギルドに所属していない剣聖たちも黒龍討伐に乗り出しているらしいしな」
とターニャは呟く。
その通りだ。むしろ多すぎるぐらいの戦力だろう。とアイリーンは思った。
心配することは何もない。
アイリーンは目を瞑り、黒龍との戦闘に備えて精神統一を行った。
『月の騎士団』が『ユーテリア王国』に到着するまで、残り二日。
ギルドを設立してから間もないということもあり、いまだに『夜の騎士団』に持ち込まれる依頼は、掃除やペット探しなどの雑務系が多かった。
ただ、ときどき、低位ではあるが魔物討伐の依頼が持ち込まれることも出てきている。
もちろん、俺とユナの実力で魔物討伐を失敗することはなかったので、今のところ一度も失敗することなく迅速な魔物討伐をすることができていた。
その成果もあってか、
少しずつではあるが、『夜の騎士団』の名前は世間に広がり始めてきていた。
今ではようやく国にも認知され、国からの依頼も回ってくるようになってきている。
しかし、まだ大物の依頼が回ってこないのは確かだ。
近頃、超高額な報酬金のかかった黒龍討伐依頼が出回っていたという噂を聞いたが、うちにはそんな依頼きていない。
やはりそういったデカい依頼はもっと有名なギルドにしか出回らないのだろう。
はやくそのレベルまで登り詰めたいところだ。
というわけで今日も頑張りますか。
「今日の依頼は二件あるわね」
と、ユナが二枚の依頼書を見ながら言った。
二件か。
ちょうどいい数だ。俺とユナの二人でこなせば一日で片付けられるだろう。
「依頼内容は?」
「薬草採集と、ゴブリン退治よ」
お、魔物の討伐依頼きてるじゃん。
ユナはさらに依頼書を読んで内容をまとめてくれた。
「薬草採集は西の森での仕事で、ゴブリン退治は北の森での仕事みたい。
今回の依頼は別々の場所での作業になるから、手分けして一人一つの依頼をこなした方がよさそうね」
お、別行動か。
なんか久々の別行動だな。
ちょっと寂しい……。
仕方ないことだけど……。
「……わかった。俺はどっちの依頼でもいいけどユナはどっちの依頼を受けたい?」
「私もどっちでもいい。じゃんけんで決めましょ」
そして話し合いの末、じゃんけんで勝った方がゴブリン討伐の方を受けることになった。
結果。
じゃんけんには俺が勝った。
よって、俺がゴブリン討伐。ユナが薬草採集という割り振りになる。
「……よし、じゃあ行きますか」
「うん。そんなに大した魔物じゃないけど、気をつけてねハルト」
ユナが俺のこと心配してくれてる……。
めちゃくちゃ嬉しい……。
最近ユナのデレが増えてきてて俺は嬉しいよ。
「ユナこそ一応森に入るんだし気をつけてな」
「私は大丈夫よ」
まあ確かに、ユナほどの実力があれば森の魔物くらいなんてことはないか。
けど心配なもんは心配だ。
俺はユナの背中が見えなくなるまで彼女を見送った。
この頃ずっと一緒に行動してたから一人になるとやはり寂しさを感じる。
……さっさと依頼を終わらせよう。
こうして俺は北の森へ、ユナは西の森へ向かった。
***
ゴブリンはEランクの魔物だ。
山籠もりをする前に、俺も一度倒したことがある。
つまりそんなに強くない魔物ということだ。
ちなみに魔物のランク区分はこのようになっている。
S :複数の国にまたがる脅威となる力を持つ魔物。訓練された兵士がいくらいても勝てない力を持つ。
A :街一つを滅ぼす力を持つ魔物。よく訓練された兵士1000人に匹敵する力を持つ。
B :よく訓練された兵士100人に匹敵する力を持つ。
C :よく訓練された兵士10人に匹敵する力を持つ。
D :パーティーで戦うことが望ましいレベルの魔物。
E :剣術の訓練を受けた者であれば倒せるレベルの魔物。
F :一般人でも勝てる可能性があるレベルの魔物。
あくまで参考程度のランクではあるが。
ゴブリンはEランクの魔物なので今の俺ならどんなことがあっても負けやしないだろう。
俺はゴブリンを探しながら森を歩く。
「さて、ゴブリンはどこだ……」
しばらく歩いているがまだゴブリンは見つからない。
今回の依頼のノルマはゴブリン五体以上となっている。
はやいとこゴブリン見つけてユナのもとへ帰りたい。
ゴブリンどこだ、ゴブリン……。
「ゴブリンかぁ……」
俺はゴブリンという言葉で、あるひとりの人物を思い出していた。
アイリーンである。
アイリーンに振られる前日、俺はゴブリンを倒したことをアイリーンに褒められた覚えがある。
「……はぁ」
俺はいまさら何を思い出しているのだろうか。
もうアイリーンのことなど忘れたかった。
彼女のことを思い出すたびに胸が痛くなる。
別に未練があるとかじゃない。
ただ嫌な思い出として、心から彼女が消えないのだ。
だめだ。
一人になると、あのトラウマがどうしても頭の中に蘇ってしまう。
そういう時に俺は決まってユナのことを考えるようにしている。
ユナの顔を頭に思い浮かべると、心がスッと楽になるのだ。
もうこれ軽いドラッグだろ。
近いうちにユナが危険薬物に指定されてもおかしくないな……。
「よし、もう大丈夫だ」
俺は心の中でユナに感謝しつつ再び歩き出す。
あ、そうだ。
俺は首にかけていた赤い宝石のペンダントを手に取る。
アイリーンに誕生日プレゼントとして貰ったペンダントだ。
「…………」
捨てるに捨てられず、なんだかんだずっと持ったままにしていた。
けどもう今の俺には必要無い。
俺はそのペンダントを首から取って捨てた。
気持ちを切り替え、再び森を歩き出す。
「はやいとこ終わらせるぞー!」
***
「はやいとこ終わらせないとね」
アイリーンは馬車に揺られながらそう言った。
現在、アイリーンたち『月の騎士団』一行は馬車に乗って黒龍のもとへと向かっていた。
黒龍が最後に確認されたのは『ユーテリア王国』の付近であった。
よって、アイリーン達はいったん『ユーテリア王国』へと馬車を走らせている。
『ユーテリア王国』。
それは現在ハルトがいる国でもあった。
「そうだな。……このままでは世界中に被害が広がってしまう」
深刻な面持ちでそう言ったのは、アイリーンの隣に座っていた『月の騎士団』副団長ターニャだ。
ちょうど今、黒龍の被害が凄まじい勢いで拡大しているとの知らせが『月の騎士団』に届いたところだった。
「今回、ユーテリア王国に向かってるのは、私たちと『雪の騎士団』だけなんだね」
アイリーン達のもとにはさらに、『花の騎士団』が諸事情により今回の黒龍討伐には参加できないとの知らせも届いていた。
三大ギルドのうちのひとつが欠けるということは、非常に大きな戦力を失うということだ。
今回の黒龍は、世界がひとつになって対処しなければならない、というレベルの敵である。
『花の騎士団』不在の知らせに不安を覚えたメンバーもいるだろう。
「まあ私たちと『雪の騎士団』がいれば十分であろう。それに、ギルドに所属していない剣聖たちも黒龍討伐に乗り出しているらしいしな」
とターニャは呟く。
その通りだ。むしろ多すぎるぐらいの戦力だろう。とアイリーンは思った。
心配することは何もない。
アイリーンは目を瞑り、黒龍との戦闘に備えて精神統一を行った。
『月の騎士団』が『ユーテリア王国』に到着するまで、残り二日。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
外れスキル【畑耕し】で辺境追放された俺、チート能力だったと判明し、スローライフを送っていたら、いつの間にか最強国家の食糧事情を掌握していた件
☆ほしい
ファンタジー
勇者パーティーで「役立たず」と蔑まれ、役立たずスキル【畑耕し】と共に辺境の地へ追放された農夫のアルス。
しかし、そのスキルは一度種をまけば無限に作物が収穫でき、しかも極上の品質になるという規格外のチート能力だった!
辺境でひっそりと自給自足のスローライフを始めたアルスだったが、彼の作る作物はあまりにも美味しく、栄養価も高いため、あっという間に噂が広まってしまう。
飢饉に苦しむ隣国、貴重な薬草を求める冒険者、そしてアルスを追放した勇者パーティーまでもが、彼の元を訪れるように。
「もう誰にも迷惑はかけない」と静かに暮らしたいアルスだったが、彼の作る作物は国家間のバランスをも揺るがし始め、いつしか世界情勢の中心に…!?
元・役立たず農夫の、無自覚な成り上がり譚、開幕!
あなたはダンジョン出禁ですからッ! と言われた最強冒険者 おこちゃまに戻ってシェルパから出直します
サカナタシト
ファンタジー
ダンジョン専門に、魔物を狩って生計を立てる古参のソロ冒険者ジーン。本人はロートルの二流の冒険者だと思っているが、実はダンジョン最強と評価される凄腕だ。だがジーンはある日、同業の若手冒険者から妬まれ、その恋人のギルド受付嬢から嫌がらせを受けダンジョンを出入り禁止にされてしまう。路頭に迷うジーンだったが、そこに現れた魔女に「1年間、別人の姿に変身する薬」をもらう。だが、実際には「1歳の姿に変身する薬」だった。子供の姿になったジーンは仕方なくシェルパとなってダンジョンに潜り込むのだが、そんな時ダンジョンい異変が起こり始めた。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!
ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。
ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!?
「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」
理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。
これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる