仮想現実の歩き方

白雪富夕

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第1章第2話 旅は道連れ、世は仮想現実

*1*

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いつもの美味しそうな匂いで私の朝は始まる。

ルイス
「おはよう、詩乃ちゃん!」

キッチンに行くと、ルイスさんがフライパンを持ちながら挨拶してくれる。
その後春一を起こしに行く。
しばらく経ってからよろよろやって来る春一。

春一
「眠ぃ……」

寝ぼけまなこを擦りながら、ダイニングの自分の席へ座る。
私は朝食の準備を手伝う。
いつもと変わらぬ朝。
を、ぶち壊す荒々しく開けられるドアの音。

クロード
「ここは何だ……私は一体……?」

ルイス
「あらおはよう!朝ご飯出来たから座ってちょうだい」

クロードは戸惑いながら、ルイスさんの言う通り空いている私の隣の席へ着いた。

詩乃
「手を合わせて~いただきますっ!」

ルイス
「いただきまぁす!」

春一
「いただきー」

クロード
「……いただき、ます……」

詩乃
「ねぇ、春一ケチャップ取ってー」

春一
「ん」

詩乃
「ありがとー」 

春一
「やっぱ俺お前の目玉焼きにケチャップはよく分かんねぇわぁ」

詩乃
「えー、美味しいよ?」

春一
「俺はもう王道に醤油派だわ、それ以外は断固拒否」

詩乃
「保守的だなぁ春一は~」

春一
「でももっと解せないのはルイスな。
何だよ、マヨネーズって……」

ルイス
「マヨネーズだって合うわよ~!何せ卵同士なんだから」

春一
「卵食ってんだから卵かけなくたって良いだろうよ」

詩乃
「クロードはいつも何かけるの?」

クロード
「えっ……塩、だが?」

春一
「うわぁ、何か通ぶってんなぁ。
どうせお前あれだろ、天ぷらも塩付けて食う派だろ?」

クロード
「一旦このほのぼのとした会話を止めても良いだろうかっ!」

突然の大声に、和やかなムードが終わりを迎えた。

クロード
「ここはどこだ、何故私はここに居るんだ?
船から落ちた後の事がまるで把握出来ていないのだが」

詩乃
「あー、やっぱ気になるよね……」

クロード
「ああ、聞かせてくれないか」

詩乃
「うーんでも、まずどうやって話そうか迷うっていうか……」

春一
「迷う必要なんてあるか?」

腕組みして考えていた私に、春一が言う。
そして笑顔でクロードを向いた。

春一
「まず船から落ちた時、真っ先にお前だけ気絶したんだぜ?」

クロード
「この私が気絶、だと……!?」

あーあー、やっぱりショック受けちゃったよ……。
こういう人って自分の情けない話にかなり弱いから、どう伝えるか考えてたのに。
春一は気にせず続ける。

春一
「で、宿の前に降り立って、ルイスと3人でお前をベッドまで運んでやってー」

クロード
「この私をベッドまで……運んだ……!?」

春一
「で、服脱がして体拭いてやったー」

クロード
「私を、ぬ、脱がした……」

恥ずかしそうにチラッと見られる。

詩乃
「あ、私は見てないし拭いてないからね!」

ルイス
「アタシは見たし拭いたし触ったわ、良い体だった、ごちそうさま」

頬を染めつつ真顔のルイスさん。

クロード
「随分と世話を掛けてしまったな……。最後にひとつだけ頼みがある」

しおらしく頭を下げる。
が。

クロード
「今すぐここで切腹しても構わないだろうかっっ!?」

立ち上がり、抜刀するクロード。

詩乃
「わぁぁぁ!!!ちょっ!し、しまってしまって!!」

春一
「いやぁ!恥ずかしいよなぁ!
高いところから落ちて気絶が1番ダセェ!
俺だったら耐えらんない!!」

何でアンタは火に油を注ぐのよ!!

クロード
「王族専属聖騎士団第一団長としてこれ程の辱めがあるだろうか……。
クロード・ハリントン一生の不覚、今すぐ自らを葬り去りたい!!」

ルイス
「今何の時間だと思ってんだい!?
死ぬなら全部食ってからにしなっ!!」

ルイスさんの怒声に静かになる食卓。
そっと剣をしまい、ストンと椅子に座るクロード。
クロードを止める為に立ち上がっていた私も席に着く。

ルイス
「……塩、いるかい?」

クロード
「……いただきます」

すごい、あのクロードが大人しく言う事を聞くなんて……!
誰の命令にも従わん!って感じなのに。
あと、ルイスさん怒ると怖い。

ルイス
「別にねぇ、恥ずかしがる必要は無いのよ。
聖騎士団の団長さんだからってただの人間だろ?
弱さ見せたって良いじゃない。アタシ、嬉しかったよ?」

クロード
「……嬉しい?」

ルイス
「完璧な人間なんて近寄り難いよ。
だから親近感湧いて嬉しかったの」

そう言ってにっこり笑う。

ルイス
「弱さを無くして強さを求めるって言うんなら別に止めたりしないよ。
でも弱さを受け入れるのも、それまた強さなんじゃないのかい?」

クロード
「私は……!」

何か反論しかけたけど、すぐに落ち着いた。
俯き気味にぽつりと言う。

クロード
「私は……高い所が苦手だ」

春一
「へー、苦手なくせによく船に乗り込んだな」

詩乃
「ホントホント!
しかも落ちてる時だって、私に剣構えて全然余裕な感じに見えたし」

クロード
「あの時は捕まえるのに必死で何も考えていなかった。落ちている最中に我に返って気を失ってしまったが」

恥ずかしそうに話すクロード。

春一
「すげぇな、お前」

クロード
「ん?」

春一
「いくらワーカホリックだからって、苦手な事忘れるくらい集中出来るってなかなか出来る事じゃねぇよ」

クロード
「そ、そうだろうか……?」

詩乃
「そうだよ、すごいよ!苦手な事を集中力でカバー出来ちゃうなんて!」

そう言ってから私は苦笑いする。

詩乃
「私なんてテスト勉強とかすーぐだらけちゃう。
だからその集中力、分けて欲しい!」

クロード
「そ、そうか……」

照れ臭そうにしている。

ルイス
「さらけ出して良かったでしょ?
苦手な事を補える長所があるって事に気付けたんだから!」

クロード
「ああ、何だか少し楽になったような気がする」

微笑を浮かべるクロードの横顔は、心無しか晴れやかなように見えた。

クロード
「私は昔から仕事人間で、今の地位に就いてからは更に身を引き締め、皆の手本になるような団長にならねばと常に気を張っていた。
弱みを見せては足元をすくわれると心を律していた。
こんな穏やかな気持ちになったのは久々だ。礼を言う」

クロードは深々と頭を下げた。

春一
「まあまあ、そんな堅苦しい礼なんていらねぇよ」

詩乃
「そうだよ、そんなお礼なんて!」

クロード
「これで更に強さに磨きが掛かるだろう。
そこで貴様らを捕らえる!」

クロードは立ち上がり剣を抜くと、私達に構えた。
驚く私と春一も立ち上がった。
ルイスさんはパンを持った手を止め、呆れた表情をする。
食事中、また騒いだからだろう。

春一
「待て待て!何でそこでそうなる!?」

詩乃
「誤解は解けたんじゃないの!?」

クロード
「貴様らはあの箱を易々と女に渡した、これは立派な罪だ!」

そうだ、あの時船から放り出されそうになった袋を、私が華麗なアタックで船に戻した。
そして袋を置き去りにしたまま、落ちてしまったんだった。

詩乃
「ご、ごめんなさい!でもあれは袋を守ろうとして!」

クロード
「今手元に無いのなら貴様の行動は無意味だ!」

また正論を~!!

春一
「要は手元にあの箱がありゃあ良いんだろ?」

クロード
「あればこんな事言わん!」

春一
「ほらよ、これで満足かい?」

ニヤリと笑った春一がポケットから出し机にコトンと置いたのは、紛れも無いあの箱だった。

クロード
「な、何故貴様がこれを……!?」

春一
「あのなぁ、あんな不毛な取引にモノホン使う訳無ぇだろ?
袋だけ使って中身はただの箱だよ」

したり顔で言う春一をジットリとした目で見る。

詩乃
「へ~。不毛、なんだ~?」

春一
「バッ、おま、違うって!
別にお前の命を軽んじてたって訳じゃねぇから!
両方守ってやったんだから文句言うなよ」

まあ許してやるか……。
クロードは剣を鞘に納めた。

クロード
「ま、まあここにあるという事で、今回の件は水に流してやる。
さあ、返してもらおうか」

春一
「んー、タダで返すのはちょっと面白くねぇなぁ~」

詩乃
「ちょっと、何言ってんの!?もうその箱必要無いじゃん!」

あの女の人が悪い人だったと分かった今、私達がこの箱を持つ意味は無い。
満面の笑みの春一が言う。

春一
「取引しようぜ」

好きだなー取引。

クロード
「取引だと?……条件は何だ」

クロードはしばらく考えた後、そう聞いてきた。
その反応に春一は機嫌が良くなる。

春一
「お!そう来なくっちゃ!」

喜んだのも束の間、真面目な顔つきで話し出す。

春一
「条件は2つ。その箱、一体どんな価値があるのか説明しろ。
そして俺達の旅に同行しろ、以上だ」

箱の説明が聞きたいのは私も同感。
でも旅に誘うのはよく分からない。

クロード
「旅?」

春一
「俺達は桜舞ヶ丘村へ旅に出る。お前もついて来い。
どうせあの桜舞ヶ丘村の女、捕まえなきゃならねぇんだろ?」

クロード
「それはそうだが、その条件を飲む私の利点は何だ」

春一
「俺らも手伝ってやるよ、あの女捕まえんの。道中のバケモン倒しもな。
全部終わったら箱は返してやる」

ニヤリと笑う春一。

クロード
「なるほど、聖騎士団に手を貸そうという事か」

春一
「聖騎士団が大勢でゾロゾロ行くより、少数精鋭で行った方が都合が良い。
それに街を守るのも聖騎士団だ、街にもちゃんと残らないとな」

クロード
「ふむ、確かに一理あるな。
ただ、貴様らの戦闘力が不安要素なのだが」

春一
「あのなぁ、俺達ゃ冒険者だぞ?充分過ぎる程あるに決まってんだろうが。
しかも、あの船から宿まで辿り着けたのはコイツの力のお陰だぞ?」

そう言って春一は親指で私を指した。

クロード
「この小娘の力だとっ!?」

春一
「そうだよ、コイツが居なけりゃ俺らは全員海の藻屑だった訳だ。
で、戦闘力が不安要素、だったっけか?」

クロード
「いや、先程の言葉は撤回させてくれ」

春一
「つー事は取引成立って事で良いか?」

クロード
「ああ、聖騎士団へのご協力感謝する」

少し微笑むクロード。
2人は机越しに固い握手を交わした。
手の届かない春一は椅子の上に立って握手している。
そんな2人の様子を見て、私は1人冷や汗をかいていた。
やっべぇぞー……私、すごい出来る奴だと思われてる……!
あの指輪がどういう仕組みで発動したのか未だに不明だし、また助けてくれるのか分かんないんだけど。
私の不安げな顔をチラッと春一が見た。
春一、絶対余計な事言うなよって顔してる~!
私は視線を逸らした。
せっかく取引が上手くいったんだもん、私がぶち壊す訳にはいかないよね。
握手を終えたクロードが言う。

クロード
「旅立ちは早い方が良いが、明日以降にさせてもらえないだろうか」

春一
「良いけど、何で?」

クロード
「諸々の手続きや部下への指示書も作らねばならんのだ」

春一
「うへー、めんどくせぇ!団長ってそんなめんどくせぇし大変なのな」

クロード
「大変ではあるが、私はこの立場に誇りを持っている。
それに、規則は守る為にあるのだから仕方あるまい」

春一は椅子から降り、どかっと着席する。

春一
「規則ねぇ。
ま、俺達は自由気ままな冒険者だからな、予定はアンタに合わせるよ」

クロード
「助かる」

クロードは一旦着席すると、残りのご飯を素早く口に詰め込んだ。
口の中が空っぽになると手を合わせ、ごちそうさまでしたと軽く頭を下げた。
そして立ち上がる。

クロード
「では早速行ってくる」

立ち去ろうとしたクロードは1度立ち止まり、振り返る。

クロード
「すまない、名を聞くのを忘れていた」

私達3人は名前を言った。

クロード
「うむ覚えた、宜しく頼む。
それからルイス殿」

急に名前を呼ばれたルイスさんは、少し驚き椅子から立つ。

ルイス
「な、何かしら?」

クロード
「素敵な朝食をありがとう、美味かった」

そう言ってルイスさんに微笑みかけると、マントを翻して去って行った。
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