欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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064冷やかし

拓のテントの内装が完了し、明後日には城を出る事にした。
その為、今日で兵士との訓練は最後となるのだが、何故かサリナ姫と落ち人の勇者3人、他にも魔導士っぽい人が見学に来ている。

「なんで、姫が兵士の訓練を見に来ているんです。」
「そんなの面白そうだからに決まっているじゃない。それに、拓に護衛を頼むなら強さを知っておいた方がいいし。」

こっそりとサリナ姫に聞いてみると、只の冷やかしらしい。
落ち人3人組からも面白そうだからという回答が返って来た。

「拓殿の応援も来ているし、最後の特訓として俺とオリバーが拓殿と組む、お前達は7人で組んで掛かってこい。
 俺達を負かしたチームは美味い物を奢ってやるぞ。」

バラン将軍の言葉に、「お~。」兵士達が盛り上がる。
拓がバラン将軍と組んだのは初めてだったが、動きが速いが何とか付いていけている。
オリバー隊長とは何度も組んでいたのに、今日は動きはいつも以上に切れが有って速い。

「2人とも動きが速すぎませんか?結構辛いんですが。」
「辛くても俺とオリバー2人の動きについて来れるのなら問題ない。次に行くぞ。」

バラン将軍は拓の言葉を笑って流し、次の対戦が始まった。
対戦がおわり、全てに勝って終わりだと思っていると

「次は10人で組め。一休みしたら対戦を始めるぞ。」

この特訓はまだ続くようだった。
10人になると流石に抑えきれず、拓は攻撃を避けながら、サポートを続けた。
この一か月間で探索魔法を駆使した周囲の把握力が一気に上がり、何とか対応できるようになっていた。
しかし3組目になると体力が付いて行かず、打ち込まれて負けてしまう。

「バラン将軍、もう限界です。」

拓は地面に座り込んでしまったが、バラン将軍とオリバー隊長は未だ体力に余裕が有るのか普通に立っている。
拓は魔法で体力強化を行っていて、その反動も出てきている。

「良し、最後に1組と戦って、この訓練は終わりとする。」

拓は唖然としてバラン将軍を見るが、やはり笑顔で応えられてしまった。
最後ならと、拓は気力を振り絞って全力で試合に臨んだ。
体の節々が悲鳴を上げるが、今まで以上の動きで相手に挑みついに最後は勝利で終えられたが、
拓の体は限界で、地面に大の字になって動くことが出来なくなっていた。

「拓殿、流石だな。ここまで戦えるとは思わなかった。この1ヶ月間で随分と力を付けたな。
 どうだ、このまま入隊しないか?歓迎するぞ。」
「無理です。兵士の人達とは遺伝子的に体の作りが違うので。」

筋骨隆々の大柄な兵士達とぽっちゃりした小柄の拓。根本的に違い過ぎる。
拓は椅子へ移動し、他の兵士は訓練を続けることになった。


「拓、凄いじゃない。こんなに戦えるとは思っていなかったわ。」
「俺の力でなく、バラン将軍とオリバーさんのお陰ですよ。」

サリナ姫がタオルで拓の汗をふいてくれていると、視線を感じる。
視線の先には浩司の唖然とした顔。
その顔には、「いつの間にサリナ姫と仲良くなったんだ。」と書いてある。
拓としては姫が女である以上 恋愛感情を抱くこともなく、気にすることは全くないと言ってあげたいが
カミングアウトをする気はない。
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