1 / 4
1
しおりを挟む
「あら、今日はとても気持ちの良い風が入ってくるわね」
カロが窓を開けていってくれてたのね
「愛しの奥様、目が覚めたのかい?どう、調子は?」
「ありがとう、貴方。今日の目覚めは最高よ。いつもありがとう」
「そう思うなら、ちゃんと食べて欲しいな。今日は、リナの好きなスープもあるよ。」
「嬉しいわ、頂くわ。でも、少しよ、苦しくなったら嫌だもの」
「ねぇ、私達の想い出、話しませんこと?」
私とカロが知り合ったのは、貴族学園に入学した時ね。私はとても緊張してたの。
それなのに貴方ったら、在学生代表挨拶の素晴らしいことったら。皆の、注目だったわね、それに、その容姿でしょ?もう見惚れてたわよね。
もちろん私もよ。フフッ。
カロは、あっ、あの時挨拶してる時、私は目が合ったような気がしたの。まさかね、あんなに大勢だから違うだろうけどね」
「いや、目があったんだよ。
遠くからでも、あんな大勢でも、リナがわかったのさ。」
「そうなの?ありがとう貴方。
それでね、貴方と初めて話したのは?何だったかしら?
思い出したわ!廊下で、私が迷っていた時よね?図書館を探してた時、
貴方「邪魔」って言ったのよ!!
顔見たら睨んでるし、とても怖かったわ。
でも、あの在校生挨拶してた方よね?こんな人なの!って、ガッカリしたわ。
「ごめんよ。」
私は図書館へ通ったわ。そしたら、いつも貴方に会うじゃない!怖かったわ。また「邪魔」っていわれるのかなぁ?って。
貴方ったら、いつも私の前に座って何も言わないの。毎日私も図書館へ行くけど、貴方まで(笑)
どのくらい経ってからだっけ?
「何を読んでる?」って話しかけられたのは?
私ね、本当はいつも盗み見してたのよ。カッコいいなぁって。
やっと話しかけてくれたって、嬉しかったわ。
それからよね?いつもお互いを意識しながら座って本を読んで。
アンナさんには…………悪いことをしてしまったわ。
「君は悪くないよ。俺が悪かったんだ」
アンナさんから、貴方を奪ってしまった。だから、バチが当たったのね。
アンナさんは、カロの婚約者だった。
小さい時からの取り決めで、政略だった。でも、アンナさんはカロを好きだった。
私達はお互いを意識しすぎていたから、彼女の苦しみをわかってやれず、カロの婚約破棄で終わらせてしまった。
私達の幸せは、彼女の苦しみの上にあるんだと、その時から意識しながら生きてきた。
………………………………………………………
リナ視点
今、私は、病気に犯されている。
もう、きっと長くない。
なんだか、急にガックリしたように、身体が枯渇している。
なぜだかろう?不明だ。
息子は自立したし、もう大丈夫!とわかるけど、カロは?
私が逝ってしまったら、ひとりぼっち。
カロにナイショでアンナさんに連絡した。彼女、今も独身でいる。
それは、アンナさんが、カロを今でも愛しているから。
私は十分、カロに尽くしてもらった。
だから、返そうと思う。
ある日、身体の調子が良くて、「今日は歩けるわ!」って誇らしげにカロにナイショで執務室まで行ったら…………話し声が聞こえたの。それも女の人。そぉーっ覗いた、アンナさんでビックリしたわ。
いつから?まさか?ずっと会ってたの?
離れられなかったのかもしれないわ。
カロの話し声が聞こえてきたの。
「アンナ、愛してるよ」って。
フッ、ビックリだったわよ。
私が動けないと思って、邸まで来てたみたい。カロと執務室逢瀬ってやつよね。
いよいよかな?って思った時、私からアンナさんに連絡したの。
もう少しで私は死ぬわ。
だから、カロをお願いって。
息子にも連絡してあったのよ。
ナイショでね。
私が連絡したら、アンナさんが直ぐに駆けつけてくれたわよね?
カロはアンナさんが来たから相当驚いてたけどね。
私の部屋からカロとアンナさんが出て行ったから、息子がそぉーっとついていったの。
執務室で抱き合って「後少しだ。アンナ」って、言ってたらしいわ。
ほんとっ、裏切りだわね。
いや、最初から私を狙ってたのかしら?
不思議で調べたのよ。カロのこと。
そしたら、わかったことがあった。
私の両親は遠縁から小さな男の子の両親になるよう、決められた。
子供のいない両親は、それは可愛がった。
でも、2年経った時、私が産まれた。
両親は急に男の子を可愛がれなくて、私だけを可愛がった。
そして両親は、男の子を遠縁に戻した。
それから、カロがどうなったか?
足取りがわからなくなっていたが、たらい回しにされていたことがわかった。
カロは、ほんとはダミアンと言う。
最後の養父、養母の家で改名されたらしい。
両親はもう亡くなってこの世にいないから、残ってた私への復讐だったようだ。
息子には、もう私はダメだからカロの思うようにしてやってくれと伝えた。
ここ伯爵家をカロにそのままいさせて、全うして欲しいと。
カロの側に、いや、ダミアンの愛するアンナさんと住んでくれたら良いと思う。
私が一人娘で、家を継がないといけなかったから、カロに残せるわね。
息子には残せないから、いっぱい謝った。
私はね、懺悔の気持ちなのよ。
カロに、ほんとに両親が悪いことしたわ。
私は、カロに手紙を残して逝きます。
………………………………………
リナリア、マートン 45歳
カロと息子に看取られて、この世を去った。
去る、まだ目が見える時、泣いてるカロが見えた。いっぱい泣いてるけど、口元が嬉しそう。
息子よ、母、強かったよね。
父様(カロ)に負けなかったよ。
だから息子よ、貴方も負けないで!
私が死んだら、父様の側には行かないでね。
その方が良いと思うわ。
だって、アンナさんとナイショの子供までいたんだもんね。
………カロ(ダミアン)視点……………
やっと、やっとだ。妻、リナが死んだ。
これで、アンナと一緒になれる
この時を、学園にいた時からだから、相当耐えた。
アンナは俺の昔からの友達。
昔からアンナには話してあった。
学園に、あの女が入ってきたら計画してたように、結婚すると。
うまくいった。
そして、少しずつエネルギーが無くなるように、枯渇薬を料理にいれていた。 長かった!ほんとに、長い年月をリナといた。苦しかった。
愛するアンナと離れて、好きでもない憎らしいリナといて。
これからだ。これから、アンナとアンナと俺の息子で、ここの邸で幸せに暮らすんだ。 だから、早く…リナ、早く逝け!
今日は、リナの葬式だった。
俺とリナの息子と、身内だけの静かな葬式。
身内には、よく看病してくれたとほめられた。
そして、リナの息子は、
「父さん、俺はこれで邸には帰ってこない。父さん、一人で大丈夫?」
「あぁ、父さんは大丈夫だ!お前は一人で頑張れよ。家がないと思って、頑張って生きてくれ」と伝えた。(来られても困るし)
今日から、アンナと暮らす。
ご馳走で旨いワインで乾杯した。
……………………………………………
アンナを迎えた次の日、手紙が届いた。
「えっ?リナ?」うわっ
俺はビックリしながら読んだ
カロ、この手紙、私が死んでから送ってもらうことになってたの。
今まで、私の看病ありがとう。
そうね、学園の時からだから、29年かしら?長いこと、ほんとに、ありがとうございました。
私はね、幸せでした。
好きになった人と知り合えて、なぜか?カロから私の側に来てくれて、好きな人と全うできました。
貴方は?貴方はどうでしたか?
私は貴方を苦しめたかしらね。
カロの思いを、この数ヶ月で知りました。
悲しさを通り越して、笑えたわ。
どうか、貴方は最期まで幸せでいてね。
長いこと、ご苦労様でした。
もう堂々とアンナさんといられますね。
カロ、いえ、ダミアンさんへ
リナリアより。
「えっ?知って…たのか?」
リナリアは、知ってて逝ってくれたのか。
そう思った瞬間、走馬灯のように、リナとの29年がよみがえってきた。
「カロ」「貴方」「いつもありがとう」「愛してるわ」
リナは俺に何をしたのかな?
なぜ、こんなにも、憎んだのだろうか?
ふっ?俺が決めて俺が仕組んだことだ。もう終わったことだ。
リナ、俺を好きになったこと後悔してるだろうな。
俺はこれから、幸せになるよ。
ありがとう、リナ。
カロが窓を開けていってくれてたのね
「愛しの奥様、目が覚めたのかい?どう、調子は?」
「ありがとう、貴方。今日の目覚めは最高よ。いつもありがとう」
「そう思うなら、ちゃんと食べて欲しいな。今日は、リナの好きなスープもあるよ。」
「嬉しいわ、頂くわ。でも、少しよ、苦しくなったら嫌だもの」
「ねぇ、私達の想い出、話しませんこと?」
私とカロが知り合ったのは、貴族学園に入学した時ね。私はとても緊張してたの。
それなのに貴方ったら、在学生代表挨拶の素晴らしいことったら。皆の、注目だったわね、それに、その容姿でしょ?もう見惚れてたわよね。
もちろん私もよ。フフッ。
カロは、あっ、あの時挨拶してる時、私は目が合ったような気がしたの。まさかね、あんなに大勢だから違うだろうけどね」
「いや、目があったんだよ。
遠くからでも、あんな大勢でも、リナがわかったのさ。」
「そうなの?ありがとう貴方。
それでね、貴方と初めて話したのは?何だったかしら?
思い出したわ!廊下で、私が迷っていた時よね?図書館を探してた時、
貴方「邪魔」って言ったのよ!!
顔見たら睨んでるし、とても怖かったわ。
でも、あの在校生挨拶してた方よね?こんな人なの!って、ガッカリしたわ。
「ごめんよ。」
私は図書館へ通ったわ。そしたら、いつも貴方に会うじゃない!怖かったわ。また「邪魔」っていわれるのかなぁ?って。
貴方ったら、いつも私の前に座って何も言わないの。毎日私も図書館へ行くけど、貴方まで(笑)
どのくらい経ってからだっけ?
「何を読んでる?」って話しかけられたのは?
私ね、本当はいつも盗み見してたのよ。カッコいいなぁって。
やっと話しかけてくれたって、嬉しかったわ。
それからよね?いつもお互いを意識しながら座って本を読んで。
アンナさんには…………悪いことをしてしまったわ。
「君は悪くないよ。俺が悪かったんだ」
アンナさんから、貴方を奪ってしまった。だから、バチが当たったのね。
アンナさんは、カロの婚約者だった。
小さい時からの取り決めで、政略だった。でも、アンナさんはカロを好きだった。
私達はお互いを意識しすぎていたから、彼女の苦しみをわかってやれず、カロの婚約破棄で終わらせてしまった。
私達の幸せは、彼女の苦しみの上にあるんだと、その時から意識しながら生きてきた。
………………………………………………………
リナ視点
今、私は、病気に犯されている。
もう、きっと長くない。
なんだか、急にガックリしたように、身体が枯渇している。
なぜだかろう?不明だ。
息子は自立したし、もう大丈夫!とわかるけど、カロは?
私が逝ってしまったら、ひとりぼっち。
カロにナイショでアンナさんに連絡した。彼女、今も独身でいる。
それは、アンナさんが、カロを今でも愛しているから。
私は十分、カロに尽くしてもらった。
だから、返そうと思う。
ある日、身体の調子が良くて、「今日は歩けるわ!」って誇らしげにカロにナイショで執務室まで行ったら…………話し声が聞こえたの。それも女の人。そぉーっ覗いた、アンナさんでビックリしたわ。
いつから?まさか?ずっと会ってたの?
離れられなかったのかもしれないわ。
カロの話し声が聞こえてきたの。
「アンナ、愛してるよ」って。
フッ、ビックリだったわよ。
私が動けないと思って、邸まで来てたみたい。カロと執務室逢瀬ってやつよね。
いよいよかな?って思った時、私からアンナさんに連絡したの。
もう少しで私は死ぬわ。
だから、カロをお願いって。
息子にも連絡してあったのよ。
ナイショでね。
私が連絡したら、アンナさんが直ぐに駆けつけてくれたわよね?
カロはアンナさんが来たから相当驚いてたけどね。
私の部屋からカロとアンナさんが出て行ったから、息子がそぉーっとついていったの。
執務室で抱き合って「後少しだ。アンナ」って、言ってたらしいわ。
ほんとっ、裏切りだわね。
いや、最初から私を狙ってたのかしら?
不思議で調べたのよ。カロのこと。
そしたら、わかったことがあった。
私の両親は遠縁から小さな男の子の両親になるよう、決められた。
子供のいない両親は、それは可愛がった。
でも、2年経った時、私が産まれた。
両親は急に男の子を可愛がれなくて、私だけを可愛がった。
そして両親は、男の子を遠縁に戻した。
それから、カロがどうなったか?
足取りがわからなくなっていたが、たらい回しにされていたことがわかった。
カロは、ほんとはダミアンと言う。
最後の養父、養母の家で改名されたらしい。
両親はもう亡くなってこの世にいないから、残ってた私への復讐だったようだ。
息子には、もう私はダメだからカロの思うようにしてやってくれと伝えた。
ここ伯爵家をカロにそのままいさせて、全うして欲しいと。
カロの側に、いや、ダミアンの愛するアンナさんと住んでくれたら良いと思う。
私が一人娘で、家を継がないといけなかったから、カロに残せるわね。
息子には残せないから、いっぱい謝った。
私はね、懺悔の気持ちなのよ。
カロに、ほんとに両親が悪いことしたわ。
私は、カロに手紙を残して逝きます。
………………………………………
リナリア、マートン 45歳
カロと息子に看取られて、この世を去った。
去る、まだ目が見える時、泣いてるカロが見えた。いっぱい泣いてるけど、口元が嬉しそう。
息子よ、母、強かったよね。
父様(カロ)に負けなかったよ。
だから息子よ、貴方も負けないで!
私が死んだら、父様の側には行かないでね。
その方が良いと思うわ。
だって、アンナさんとナイショの子供までいたんだもんね。
………カロ(ダミアン)視点……………
やっと、やっとだ。妻、リナが死んだ。
これで、アンナと一緒になれる
この時を、学園にいた時からだから、相当耐えた。
アンナは俺の昔からの友達。
昔からアンナには話してあった。
学園に、あの女が入ってきたら計画してたように、結婚すると。
うまくいった。
そして、少しずつエネルギーが無くなるように、枯渇薬を料理にいれていた。 長かった!ほんとに、長い年月をリナといた。苦しかった。
愛するアンナと離れて、好きでもない憎らしいリナといて。
これからだ。これから、アンナとアンナと俺の息子で、ここの邸で幸せに暮らすんだ。 だから、早く…リナ、早く逝け!
今日は、リナの葬式だった。
俺とリナの息子と、身内だけの静かな葬式。
身内には、よく看病してくれたとほめられた。
そして、リナの息子は、
「父さん、俺はこれで邸には帰ってこない。父さん、一人で大丈夫?」
「あぁ、父さんは大丈夫だ!お前は一人で頑張れよ。家がないと思って、頑張って生きてくれ」と伝えた。(来られても困るし)
今日から、アンナと暮らす。
ご馳走で旨いワインで乾杯した。
……………………………………………
アンナを迎えた次の日、手紙が届いた。
「えっ?リナ?」うわっ
俺はビックリしながら読んだ
カロ、この手紙、私が死んでから送ってもらうことになってたの。
今まで、私の看病ありがとう。
そうね、学園の時からだから、29年かしら?長いこと、ほんとに、ありがとうございました。
私はね、幸せでした。
好きになった人と知り合えて、なぜか?カロから私の側に来てくれて、好きな人と全うできました。
貴方は?貴方はどうでしたか?
私は貴方を苦しめたかしらね。
カロの思いを、この数ヶ月で知りました。
悲しさを通り越して、笑えたわ。
どうか、貴方は最期まで幸せでいてね。
長いこと、ご苦労様でした。
もう堂々とアンナさんといられますね。
カロ、いえ、ダミアンさんへ
リナリアより。
「えっ?知って…たのか?」
リナリアは、知ってて逝ってくれたのか。
そう思った瞬間、走馬灯のように、リナとの29年がよみがえってきた。
「カロ」「貴方」「いつもありがとう」「愛してるわ」
リナは俺に何をしたのかな?
なぜ、こんなにも、憎んだのだろうか?
ふっ?俺が決めて俺が仕組んだことだ。もう終わったことだ。
リナ、俺を好きになったこと後悔してるだろうな。
俺はこれから、幸せになるよ。
ありがとう、リナ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる