私より今貴方の隣にいるひとが良いのですか?

瑠渡

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 今日もまた1人で学校へ来た

 前はいつも迎えに来てくれたのに…………

 馬車停に着いて歩いていこうとしたら後ろが騒々しい

 振り返ると私の婚約者が馬車から降りマーガレット王女に手を添えて降りるのを手伝っているところだった。

「キャー」

「素敵なお二人だわ」


 そんな声が私の所にまで聞こえてくる


「あ~あ、またあんな姿見せられちゃったわね」

「アンジェ、おはよう」

「何が良くてこんなのを見せられてるんだか」

「ふふっ」


「ふふっ、じゃないわよ!ロザンナ、貴方の婚約者でしょ!」


「そうなのよね。なんだか遠い記憶になってきたわ」

「まったく、何なのあの男」

「仕方ないわよ。こうなる運命だったのかもね」

 そう、入学1年後に入ってきたマーガレット王女が、
 私の婚約者を見初めてしまい、自分の側に置いてしまった。
 彼も将来は近衛騎士を目指していたこともあり、自分の将来の為に護衛に着くと私に話した。
 それが2年生の時。
 それから私達の接触は閉ざされた。

 邸に帰れば手紙の1つも届いているかと思っていたが………

 それさえもない

 だから、私達は婚約者だったのかも忘れてしまった。

 いえ、もう忘れたい


「アンジェ、ロザンナ、おはよう」

「「おはよう」」

「今日もお熱い姿を見せられちゃったねぇ」

「そうね」

「ロザンナ、もうやめろ。あいつはダメだ」とシンが言った

「そうね」

「「…………」」

「しんみりしてもいられない!
 ねぇ、今日の帰りにカフェに寄って帰らない?」

「うーん、愛しのロザンナの誘いは断れないなぁ」

「私も、断れない!」

「「「あはは」」」

「じゃあ、行こうね!」


 楽しそうに歩いて行く私達の姿をチラッと見てる人がいた。


「マーク、何を見てるの?」

「いえ、何でもありません」

「マークは私だけを見てなきゃダメよ」

「はい」

「もうマークも3年だから、そろそろ私との婚約をしなきゃね」

「………私には婚約者がおります」

「えっ?まだ破棄してなかったの?やだ!早くしなきゃね。ふふふっ」



「マーク、どうしたの?」

「いえ、何でもありません」

「ねぇ、私の影が貴方の行動をいつも見てるんだからね。
 私以外の事を考えちゃダメよ

「ロザンナだったかしら?
 もし気になるなら私が新しい男を紹介するわ。
 だからマークは気にしなくていいわ」

「………」



………………………………



「ロザンナ、ランチに行こう」

「ええ。どこで食べる?」

「今日はお天気も良いから庭園の噴水の場所が良いわね」

「私もそう思ってた!」

「「ふふっ」」


ベンチが空いてたので良かった

さぁ、食べようとしていたら……


「マーク、今日はここが良いわ
あの人達に場所を空けてもらって」



「………ここを空けてほしい。」


「なっ、私達はもう食べ始めてるんです。横暴ですよ
いくら王女でもっ」

「アンジェ」


「王女様がここで食べたいと言っているので」


「「………」」

「マーク、あんたねぇ」

「アンジェ、片付けて行こう」

もうこんな人は知らない!

婚約者じゃない!!

指を立て魔法を使いさっときれいにする。

片付けてマークの横を通りすぎる時、小さな声で「すまない」と聞こえたような気がする



「えっ?」とマークの顔を見ようとしたが、もうマークは王女の方へ向き手をとってベンチへ座らせていた。

「マーク、貴方も隣に座って食べましよう。マークの好きなチキンサンドを用意してもらったわよ」

「ありがとうございます」

「ふふっ、貴方は私の大事な人だもの」


(つっ、)

聞こえたのは気のせいだったのか……

こんな2人を見たかったわけじゃない。

もう嫌だ

もう無理だ

お父様に相談しなくては

「ロザンナ、もうあんな男ダメだよ。」

「わかってる。もう終わりにするわ」


学校が終わってからアンジェとシンと学生で人気のカフェに寄った

3人で今日あった王女とマークの話をした。
シンは怒ってよく考えて早く判断した方がよいと言われた

私は邸に帰り、父の執務室へ行き相談した

父はマークにも事情があるだろうと言いながらも、早めに対処すると言ってくれた。


そして私には、暫く学校を休むように父に言われた


アンジェには心配しないように伝えたが、まさか長く休むようになるとは思わなかった

領地へ急に向かえと言われ、そちらの学校へ暫く通うように言われたのだ

季節が変わり寒くなった頃、新聞でマーガレット王女が婚約した事が載っていた。その相手がノーリック伯爵家の次男と書いてあった。
マークの事だ。

知らない間に私とは婚約破棄になっていたらしい。

もう何もかも終わったんだ


そして、その発表があって暫くした頃、
父から帰ってくるようにと連絡が来た


学校もあと少しで卒業になってしまうので、覚悟を決めて戻った




邸にあと少しで着くところで、
ケーキを買っていこうと考えた

前にアンジェときた店だ

入って買おうとした時、「ロザンナ」と自分を呼ぶ声がした

振り返るとマークが立っていた

何故会ってしまうのだろう?

そう思った瞬間、マークが私の腕を掴み転移した


「何を?」

「ロザリナ、待たせた」

「はっ?」

「色々と辛い思いをさせたが、やっと片付いたよ」


「何を言ってるのかわからないわ。

それに……ここはどこ?」


「ここは、僕達が生活するところさ。
やっと、やっとだ」


「何を言ってるのかわからないわ。
だって、貴方は王女と婚約したんでしょ?」

「ふっ、王女は隣国へ嫁いだよ」

「えっ?だって……わたし、新聞で貴方と王女の婚約記事を読んだわ」

「あぁ、わざと仕組んだ」

「えっ?」

「僕だってずっと辛かった。
あの女、全然離してくれないどころか、影まで使って俺の行動をチェックしてた。
だから、仕組んだのさ」

「君の父上に、王女の影に気がつかれないように魔法書で相談した。
そして、ロザンナを領地へ送り、その後に王女を貶めたいと。

隣国の国王が、この国へ招待されてきたことがあった。
その時に国王は王女を娶りたいと言ったが、こちらの国王は王女を溺愛してるから可哀想だと断った。
そりゃ、30人はいる愛妾の国王なんて。
王女もそれを聞いて焦っていた。
僕が側にいない時、侍女と部屋で策を練ってるのが聞こえてね
僕と関係を持てば僕の子種を腹に入れれば国王もきっと直ぐに婚礼を急ぐだろうと。
僕と茶を飲んで媚薬を使おうとね。
ロザンナじゃない女と何故婚姻なんてしなきゃならないんだ。
だから、隣国の国王が僕に近寄ってきたから策に乗ったのさ
あの国は魔法がたけててね。
国王なんてもう60過ぎてるのに魔法で30代のような容姿をしてきたのさ。


あのデマカセの婚約をわざと新聞に書かせて王女を安心させ、王女が僕が泊まっている客間へ来た日、僕ではない隣国の国王が僕に魔法で化けて部屋にいたのさ。

そして一晩過ごし、侍女がわざと国王に大変だと僕の部屋に向かわせた。
一晩中愛し合って惚けた顔してたのに、国王の後ろに僕の姿を見た王女の顔と侍女の顔。くくくっ
そして自分を抱きしめてる男の顔を見て、驚愕してたよ。
僕はね、ずーっとロザンナといたかった。
せめて邸に帰った時や休みの日くらい一緒にいたかったんだ。
それを1年以上も許さず僕を自分の者にしようとしたことは絶対に許さない。
ロザンナが僕を怖がっても、もうこの策しかなかった。
だから、ぼくを怖がらないで。

王女は、隣国の国王の顔を見て泣き叫んでたけど、全然僕は何とも思わなかった。
だって、僕を騙してロザンナと婚姻させないようにしようと企んだ。
国王も、マーガレット王女が自分で部屋に入って来たと隣国の国王に言われたら、もう手の施しようもない。
直ぐに隣国へ旅立たせたよ。

ロザンナ?」

「私、私、もう諦めるしかないと思ってたの。だから、怖くないわ。
貴方のしたこと、怖くない」

「ありがとう。ロザンナ、愛してる」

「私も貴方を愛してる」


私達は学園を卒業後、直ぐに結婚した

マークは我が邸の騎士としてゆくゆくは私の領主としての片腕として領地を守ることになった。

そして私達に愛しい我が子を三人も恵まれることになる。




そうそう、あのマーガレット王女は……


あんなに王女を娶りたがった国王たが、あまりの我が儘な王女に霹靂し、お飾りのような愛妾になったらしい。
数年後、国王が亡くなり、宮にいられなくなった王女は、国に帰りたいと言ってきたが、現国王はそれを許さず、隣国の家臣の後妻になったらしい。
だが、それでやっとマーガレット王女も普通の幸せを味わったと聞いた。

私はそれを聞いて少しホッとした。


終わり


誤字脱字、直したはずが訂正できていなくて失礼いたしました。
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