従姉ばかり優先する貴方

瑠渡

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私はいつまでこのシーンを見なくてはいけないのだろうか……

いや、見なくても良いよね

私が見てるだけ。

目で追ってしまうだけ………


こんなにたくさんの人がいるのに

私は貴方を探してしまう

そして……傷つく

そう、貴方の横には可愛らしい彼女がいるから。

いつ見ても一緒にいて、2人で微笑みあっている。

私も貴方に微笑まれたい

微笑んで欲しい


だって、だって、ロイド

私は貴方の婚約者ではないのですか?

私には笑顔ひとつ向けてはくれない

エスコートしてくれても厳しい顔

目があえば、そっぽを向く

話しかければ睨まれる

そして「ロイド」と呼ばれれば行ってしまう

いつまで?いつまで我慢すれば良いですか?


今日は2人を見てるのが辛いな。

夜会が始まったばかりだけど「帰ろう」






「ただいま戻りました」


「アイリスお嬢様、お早かったですね。」

「……ええ。疲れたから早くに帰ってきたのよ」

「ねぇドロシー、私もうやめようと思うの」

「なにをですかぁー?」

「婚約を」

「えっ?何故です?ロイド様は……まさか?今日も?
だって、迎えに来てくれたじゃありませんか!」


「そうね……馬車の中に従姉を乗せてね」

ガシャーン

「あの男!!許さない!!」

「ドロシー、もう良いのよ。
着替えたらお父様のところへ話にいくわ」






コンコンコンッ「お父様、アイリスです」

「アイリスか?入りなさい」


「お父様にお話があります」

「ロイドのことかい?」

「お父様?」

「ふっ、私が知らないとでも?
そろそろもう終わりにしようかね」

「ありがとうございます」

「アイリスは暫く領地へ行っていなさい。私が片付けておくよ。
ふふふっ、私の大事なアイリスをほおっておいて従姉とバカみたいにくっついていやがって……」

「お父様、怖いです」

「ふふふっ、アイリスは心配しなさんな。
だがね、アイリス?ロイドはお前に惚れているんだよ。
何故なら、アイツはいつも俺に言ってくるのだからね」

「?」

「夜会の次の日は必ず、アイリスはとても可愛かったです。
また夜会がある時は誘いたいと思います。ありがとうございます」
とな。


「えっ?じゃあ、何故です?あの態度は?今日なんて、馬車にナタリーが乗っていたんです」

「ふんっ。アイツは臆病なんだ。
だが、もう私も許さん
アイリス、わたしに任せてくれ。」

「はい。」

「あっ、アイリス?お前は奴のことをどう思っているのか?
好きか?一緒になりたいか?」


「今は辛いだけです」

「わかった」









「あぁ、またやってしまった

またナタリーを優先してしまった

昨日は迎えに行く時にナタリーに捕まって、アイリスを迎えに行ってしまった。
そして馬車の中でアイリスは無言だった。
当たり前だ。もうこんなことをしていたら嫌われてしまう。いや、もう嫌われたか………」

俺は慌ててアイリスの家に向かった。

「侯爵、昨日はアイリスと夜会へ行かせてもらいありがとうございます。昨日もアイリスはとても綺麗で眩しかったです。」

「ロイド今日は書いてもらいたいものがある。
ここに署名して欲しい」


「これはっ?婚約無効書類。
嫌です!俺は俺はアイリスと一緒になりたいです」

「じゃあ、何故だ?何故あんな態度を取る?何故に、従姉にばかり優しくするんだ」

「あの……ナタリーは彼と別れたばかりで辛いと。苦しいから一緒にいてくれ。と言われて」


「じゃあ、アイリスは苦しんで良いのだな?そう言うことだろう?」

「お願いです。俺が間違えてばかりで。でも、俺はアイリスが好きなんです。今度はこれからは絶対アイリスを悲しませないのでお願いです。結婚させてください」

「……ロイド、何故お前は素直にならんのだ?アイリスに素直に接すれば良いだろう?そうすればお前だって本当は辛いのだろう?」

「はい。アイリスといると緊張してしまい、うまく話せません。
顔を見ればドキドキしてしまい、顔に力をいれてしまいます。
だから、あんなっ、なんでもない従姉の側に行って、ナタリーの言うことを聞いてしまっていました。
でも、逃げません。俺の大好きなアイリスに嫌われないように緊張しても話しかけます。アイリスから離れません!!」


「だがな。アイリスはもう今は辛いだけですと言っていた。」

「俺がそうさせてしまいました。
昨日も最初から……すみません。
でも、アイリスを愛しているんです」

「ふーん。どうするか………

アイリス~、ロイドがそう言っとるぞ」

「えっ?」


ガチャン

「あっ、アイリス?」

「ロイド様、話は聞きました」

「あっ、アッ、アイリス、俺はおれはアイリスが」

「ロイド様、もう手遅れです」

ガバッ  「すまなかった」

「お願いだ。アイリスが好きなんだ。俺、俺は不器用ですぐ逃げてしまっていた。これからは間違えないから。お願いだ。」




「何を信じれば良いのか……
いまの貴方に何を言ってもらっても信じられません」


「そんなっ」

「では、次の夜会へ行きましょう。
そこで証明してください」


「わ、わかった」





そして……夜会へ



ロイドとダンスを踊って休憩しようとしたら


「ロイドォ~、踊ろう!」

「ナタリー」

「ロイド、踊ってきたら」

「でも」

「夜会ですもの。ダンスは良いわよ」

「じゃあ、ダンスだけ」

「ロイド、早く!!」


そしてダンスが始まり

楽しそうな2人


そしてダンスが終わった


ロイドは……ナタリーに連れられて行ってしまった

それも2人とも笑顔で







「ロイド、さようなら」











「ナタリー、どこへ行くんだよ!

アイリスのところへ行かないと。」


「なんで?いつも義務果たしたらほおってるじゃん。
私といた方が楽しいわよ」


「そんなことはない!
今日から婚約者の側にいることに決めたんだ
もう誘わないで!!」


タタタタッー

「何よ!私の方がロイドに相応しいじゃないの!」






「アイリス?アイリス~

帰った?

あああーっ、アイリス」







アイリスは無事に婚約を解消できた





それから暫くして、私に連絡が来た

その連絡は、

とても辛いものだった








「ロイドさん?何してるの?」


「おはよう~
この花、アイリスなんだ。
君もアイリスだよね?
同じ名前だね」


「そうですね」

「ロイドさん、いま幸せですか?」

「うん。幸せだよ
だって、アイリスがもうじき会いに来るんだ

今日はね、2人でかくれんぼする予定なんだ。

君はアイリスと同じ名前だけど、
大人だからなぁ。
大きくて隠れられないからダメだね」

「そうですね。
今度違う遊びの時に誘ってね」

「うん。わかった
じゃあ、またねっ。」

「はい」



ロイドは私との約束を破ったことで

耐えられない後悔で

子供返りをしてしまった。

私は……そんなロイドと今は過ごしている。

いつか、大人のロイドに戻るのを、会えるのを待っている

なんだかんだ、

私は………ロイドが好きなんだ。






それから3年後…………




「アイリス?僕は?えっ?」





「ロイド、お帰りー」











    
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