はじめましてから

瑠渡

文字の大きさ
1 / 1

1

しおりを挟む
僕には好きな人がいる

初めて図書館で見た時は、

雷に打たれたようだった

顔を隠すようにサラサラの前髪を 目の辺りまで長く伸ばし

大きな黒ぶちメガネをかけていたが

肌の透き通るような白さ

横から見える長い睫

スッとした小さな鼻

ぷっくりとした小さな唇

どれを取っても僕の好みだった

勇気をもって近くのテーブルに座り
本を読む

彼女は何か調べているらしく、ブツブツと小さな声で

「これじゃないわ」

「あっ、間違えた」とか言っている声が聞こえた

高くもなく、低くもないその声に、また僕は口元が緩む

(かわいすぎる)

彼女の図書館に来る日は学校の休みの日だと思う

たぶん、学生だろう

名前も全然わからないが、

だからと言って、この雰囲気を壊したくない


今この時を大事にしたい。









私には好きな人がいる


休みの日に行く図書館で、

たまたまチラッと見た瞬間、

恋におちた。

髪は金髪で片耳にピアス

メガネをかけているが、

大きな目の……どことなく可愛い顔

背が高く私好みのスタイルだ

本を読んでる姿は国宝級

彼の持っている静けさの中に

意思の強さを感じる

あぁ、素敵な人。

名前もわからないが、恥ずかしくて聞けない

だから今この時に、

幸せを感じ過ごしている


しょせん、勇気のない私の片想い







彼女が図書館に来なくなった

次の休みに行っても次の休みに行ってもいない。


もう会えないのかもしれないな

名前、聞けば良かったな










試験があり、暫く図書館へ行けなかった

彼はいるだろうか?

やっと行けた図書館

でも、彼はいなかった

次の休みも次の休みも会えなかった

もう会えないのだろうか

バカな私。勇気のない私。

後悔ばかりだ







「ダリアス補佐官」


「はい」

「この後、監査書類を確認ください。
その後は新しい文官数名に言葉を簡単にください」

「はい、わかりました」

「補佐官の下にも1人入りますので、その時に紹介します」

「わかった」






「新しく、ここ王宮で働くことになった文官の皆さん。
試験合格おめでとう
これから配属先に異動してもらい、早く仕事を覚えてもらいたい。
私からは以上だ」




「ダリアス補佐官、失礼いたします

彼女が補佐官の下についてもらう人です

優秀な成績、面接での対応も良かったので補佐官の下でも大丈夫ではないでしょうか

じゃあ、挨拶して」





「はじめまして、ラリアット、ノーセツです

これから、よろしくお願いします」



「あぁ、ダリアスだ。よろしく頼む」

そう言いながら彼女を見た



!!!!!


彼女は?図書館の………

そうか、やっと会えたんだな。


ついてきた者を下がらせ、

僕は声をかけた


「僕の事をわかりますか?
図書館で会ったことがあります。
ずっと、話がしたいと思っていました。
会えなくなった時は、声をかけなかった僕を殴りたかったです。
そして……やっと素顔が見れました。
思ってた通りです。」


「先ほどは、はじめましてと挨拶させてもらいましたが……
私も今日会えてとても嬉しくて。
図書館に行かれなかった時は、この文官の試験勉強でした
学生の頃は普段からあのスタイルで学校へ行っていました。」



「そうですか、まぁ、素顔で学校へ行けば大変になってましたね。

勤め始めた1日目で言われることではないでしょうが………

僕とおつきあいを、して頂いけませんか?」



「はい。喜んで」

私は即答した。

その早さに彼が笑い、私も笑ってしまった。

そのくらい、会えて嬉しかった











「何を笑ってるの?」

「ふふっ、貴方と知り合えて幸せになれたから」

「勤め始めて1年もしないで結婚させられたのに?」

「いいのよ、だって私達の可愛い子供ができたんですもの。」

「ラリア、幸せにするよ
ずーっと一緒だ。
サリーが起きたね。僕が抱っこするよ」


「ありがとう、貴方。幸せよ」








しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

義兄のために私ができること

しゃーりん
恋愛
姉が亡くなった。出産時の失血が原因だった。 しかも、子供は義兄の子ではないと罪の告白をして。 入り婿である義兄はどこまで知っている? 姉の子を跡継ぎにすべきか、自分が跡継ぎになるべきか、義兄を解放すべきか。 伯爵家のために、義兄のために最善の道を考え悩む令嬢のお話です。

この離婚は契約違反です【一話完結】

鏑木 うりこ
恋愛
突然離婚を言い渡されたディーネは静かに消えるのでした。

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

不倫の味

麻実
恋愛
夫に裏切られた妻。彼女は家族を大事にしていて見失っていたものに気付く・・・。

さようなら、初恋

芙月みひろ
恋愛
彼が選んだのは姉だった *表紙写真はガーリードロップ様からお借りしています

【完結】少年の懺悔、少女の願い

干野ワニ
恋愛
伯爵家の嫡男に生まれたフェルナンには、ロズリーヌという幼い頃からの『親友』がいた。「気取ったご令嬢なんかと結婚するくらいならロズがいい」というフェルナンの希望で、二人は一年後に婚約することになったのだが……伯爵夫人となるべく王都での行儀見習いを終えた『親友』は、すっかり別人の『ご令嬢』となっていた。 そんな彼女に置いて行かれたと感じたフェルナンは、思わず「奔放な義妹の方が良い」などと言ってしまい―― なぜあの時、本当の気持ちを伝えておかなかったのか。 後悔しても、もう遅いのだ。 ※本編が全7話で悲恋、後日談が全2話でハッピーエンド予定です。 ※長編のスピンオフですが、単体で読めます。

なくなって気付く愛

戒月冷音
恋愛
生まれて死ぬまで…意味があるのかしら?

処理中です...