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第一章 伯爵の策略と子爵の苦悩
プロローグ
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「父さん、また遊んできてもいい?」
お昼ご飯中に父親に声をかけて返事を待つ。
その手には昨日5歳の誕生日にずっと練習で使っていた小型ナイフを持っていた。
「今日のお手伝い分は午前中で終わってるな」
「ぇ、うん!」
「あんま遠くに行くなよ?ほら、行っといで」
「はーいっ」
喜び勇んで飛び上がる。
そのままの足で畑を過ぎて家路に着く、ボクはの名前はマーク。今日から木の枝でも棒でもなく小型ナイフがボクの相棒だ。
晴れた青空が探検を駆り立てる。今日は村の東にある森へ行こうと内緒で考えていた。
「兄ちゃん、どこいくの?」
家に荷物を置いて出かけようとすると弟に声をかけられた。
「東の森へ探検に行くつもりだよ」
ボクはハッキリ答えた。
弟はジェイク。3歳になったばかりなのに会話も出来るし用を足すのもトイレでできている。母親は目を見開いて驚いていたがそれはボクと比べたんだろうな、とは思う。
1歳で歩けるようになって2歳で話せるようになっていたから親としては期待しちゃうよね、よく分かります。
「ついていってもいい?」
「いいよ、大丈夫!一緒に森に入ろ!」
「やった!あのね、行きたいところがあって…」
森は少し歩くけど遠いほどじゃないし遠くまで行かないって約束もしてるからこの小型ナイフで試し切りといこう。
気分は探検家で歩幅を広く大股で歩いていく。
もちろん弟はちゃんとついて来てくれるのでお兄ちゃんをたてることができるよく出来た弟だ。
「それでね、もう少ししたら川が見えるからその手前で止まってほしいんだ~」
「うんうん」
何か考えがあるようなので頷き進むが、はて?この先に川があるのなんで知ってるんだろ??
……親から聞いてたのかな?
はぁ、こんな小さい子に村の外の話をしちゃうとか危ないとか考えないの?全く。
親に対して怒りはあるが自分もその小さい弟を連れて歩いているのだからどっちもどっちか…。
「ぁ、ここで!」
「はいはい」
腕の裾を引っ張られて急に止まった。
「じゃあ、ちょっとココの後ろへ」
木が並んでいる一本を指さしてそこに向かってほしいとせがむ弟。
「この木かな?」
「そうそう、あ!あれ!!」
「ん?」
川上を指さした弟が大きい声を出したから同じ方向を向くと「えいっ」と反対側へ押された気がした。
ドンッ
「うわっ」
尻もちをついてお尻がチクチクした。
「イタタ」
手で地面を触ると石だらけの地面でビックリ。
あれ?森に?あれれ?
周りの風景が一変している。木が生えていない石がゴツゴツ並んでいる崖のようなところだと気づいた。
「うっぁ??」
「よいしょ」
大きな渓谷が目の前に広がる山肌がずっと続いていた。
「兄ちゃん、こっち~」
弟は近所に出かける時のように歩いて遠ざかる。
ボクは慌てて後に続く。
「この辺は地盤が弱くなってるね、もうヒビが」
じばん?ひび?
なんの話をしてるか分からなかったが森ではない場所なので「危ないよ」と言ってみたが大丈夫の一点張り。
どんどん歩き続けて色の違う岩の前で止まった。
「兄ちゃん、そのナイフ貸してほしいんだ」
「ぇ?これ?」
前からボクが親と一緒に使うこの小型ナイフを物珍しそうに見てたもんな。
はいっと渡してみると笑顔で「ありがとう」と言って握って岩に向き直る。
「これで開けられる」
「んしょ」と岩に小型ナイフを差し込んで
…え?刺さっていくの??
村長の家の外にある小屋にかける鍵のように捻っていた。
驚いたのはその後で色が違う岩が周りと同じになったんだ。そうしたら横にゆっくり動いて。
ゴゴゴゴゴゴ
なんか穴が見える。
穴っていうか洞窟の入り口みたい…?
「兄ちゃんごめん、弁償するね」
洞窟の入り口が登場したことに驚いていたが弟は申し訳なさそうにしていた。
「うぅん?大丈夫だよちょっと驚いただけだから」
「ほんと?中はもっと驚くよ~」
軽い。
なんでこんな?…あ!
ボクが探検ごっこで森に来たから?
枝とか草をこの小型ナイフでバシバシ斬ってみたかっただけなのにゴツゴツの山に来てしまった……。
いや、そうだ!森だ!!森にいたのにこんな場所に?
パニックになったボクを置いて弟はどんどん歩いていってしまう。
「ちょ!ちょっと待って!危ないよ!!」
「…大丈夫ぅ!」
うわぁ、遠くから返事がする。
「ボクもいくからちょっと待って~」
少し歩いた先に扉があった。
人ん家じゃない??
コンコンコン
弟はノックする。
えらいな。ちゃんと教育されてる。
違う、そうじゃない。
ここはどこなんだ!!知ってそうな弟君!!
「はぁい、どちら様ですか?」
カチャッと開いた扉から光が漏れる。
「ぁ~……遅くなった、ごめんね」
誰?むしろ向こうからするとこっちが誰?だよね。
ごめんなさい、探検ごっこなんです!!
いや、わけが分からないよー!
内側へと開いていく扉。
白い服を着た白い人が…人?人っぽい人が扉を開けてくれた。
「お久しぶりです、マスター」
「久しぶり~!メイちゃん、こっちは兄ちゃん!」
「兄ちゃん、この子はメイドのメイちゃん」
「初めまして、兄ちゃん様。ワタシは専属メイドのメイと申します」
「・・・へ?」
☆☆☆☆☆
★★★★★
くぅぅ!
どこまでの置いてきぼりなお兄ちゃんは現状を打破できるのか?!待て、次号!
おはこんばんちは!もちた企画と申します。ファンタジー小説『千里の道も一歩から』を書かせていただきます。皆々様からの好評価が生きる糧となります!これから応援よろしくお願いしますm(_ _)m
お昼ご飯中に父親に声をかけて返事を待つ。
その手には昨日5歳の誕生日にずっと練習で使っていた小型ナイフを持っていた。
「今日のお手伝い分は午前中で終わってるな」
「ぇ、うん!」
「あんま遠くに行くなよ?ほら、行っといで」
「はーいっ」
喜び勇んで飛び上がる。
そのままの足で畑を過ぎて家路に着く、ボクはの名前はマーク。今日から木の枝でも棒でもなく小型ナイフがボクの相棒だ。
晴れた青空が探検を駆り立てる。今日は村の東にある森へ行こうと内緒で考えていた。
「兄ちゃん、どこいくの?」
家に荷物を置いて出かけようとすると弟に声をかけられた。
「東の森へ探検に行くつもりだよ」
ボクはハッキリ答えた。
弟はジェイク。3歳になったばかりなのに会話も出来るし用を足すのもトイレでできている。母親は目を見開いて驚いていたがそれはボクと比べたんだろうな、とは思う。
1歳で歩けるようになって2歳で話せるようになっていたから親としては期待しちゃうよね、よく分かります。
「ついていってもいい?」
「いいよ、大丈夫!一緒に森に入ろ!」
「やった!あのね、行きたいところがあって…」
森は少し歩くけど遠いほどじゃないし遠くまで行かないって約束もしてるからこの小型ナイフで試し切りといこう。
気分は探検家で歩幅を広く大股で歩いていく。
もちろん弟はちゃんとついて来てくれるのでお兄ちゃんをたてることができるよく出来た弟だ。
「それでね、もう少ししたら川が見えるからその手前で止まってほしいんだ~」
「うんうん」
何か考えがあるようなので頷き進むが、はて?この先に川があるのなんで知ってるんだろ??
……親から聞いてたのかな?
はぁ、こんな小さい子に村の外の話をしちゃうとか危ないとか考えないの?全く。
親に対して怒りはあるが自分もその小さい弟を連れて歩いているのだからどっちもどっちか…。
「ぁ、ここで!」
「はいはい」
腕の裾を引っ張られて急に止まった。
「じゃあ、ちょっとココの後ろへ」
木が並んでいる一本を指さしてそこに向かってほしいとせがむ弟。
「この木かな?」
「そうそう、あ!あれ!!」
「ん?」
川上を指さした弟が大きい声を出したから同じ方向を向くと「えいっ」と反対側へ押された気がした。
ドンッ
「うわっ」
尻もちをついてお尻がチクチクした。
「イタタ」
手で地面を触ると石だらけの地面でビックリ。
あれ?森に?あれれ?
周りの風景が一変している。木が生えていない石がゴツゴツ並んでいる崖のようなところだと気づいた。
「うっぁ??」
「よいしょ」
大きな渓谷が目の前に広がる山肌がずっと続いていた。
「兄ちゃん、こっち~」
弟は近所に出かける時のように歩いて遠ざかる。
ボクは慌てて後に続く。
「この辺は地盤が弱くなってるね、もうヒビが」
じばん?ひび?
なんの話をしてるか分からなかったが森ではない場所なので「危ないよ」と言ってみたが大丈夫の一点張り。
どんどん歩き続けて色の違う岩の前で止まった。
「兄ちゃん、そのナイフ貸してほしいんだ」
「ぇ?これ?」
前からボクが親と一緒に使うこの小型ナイフを物珍しそうに見てたもんな。
はいっと渡してみると笑顔で「ありがとう」と言って握って岩に向き直る。
「これで開けられる」
「んしょ」と岩に小型ナイフを差し込んで
…え?刺さっていくの??
村長の家の外にある小屋にかける鍵のように捻っていた。
驚いたのはその後で色が違う岩が周りと同じになったんだ。そうしたら横にゆっくり動いて。
ゴゴゴゴゴゴ
なんか穴が見える。
穴っていうか洞窟の入り口みたい…?
「兄ちゃんごめん、弁償するね」
洞窟の入り口が登場したことに驚いていたが弟は申し訳なさそうにしていた。
「うぅん?大丈夫だよちょっと驚いただけだから」
「ほんと?中はもっと驚くよ~」
軽い。
なんでこんな?…あ!
ボクが探検ごっこで森に来たから?
枝とか草をこの小型ナイフでバシバシ斬ってみたかっただけなのにゴツゴツの山に来てしまった……。
いや、そうだ!森だ!!森にいたのにこんな場所に?
パニックになったボクを置いて弟はどんどん歩いていってしまう。
「ちょ!ちょっと待って!危ないよ!!」
「…大丈夫ぅ!」
うわぁ、遠くから返事がする。
「ボクもいくからちょっと待って~」
少し歩いた先に扉があった。
人ん家じゃない??
コンコンコン
弟はノックする。
えらいな。ちゃんと教育されてる。
違う、そうじゃない。
ここはどこなんだ!!知ってそうな弟君!!
「はぁい、どちら様ですか?」
カチャッと開いた扉から光が漏れる。
「ぁ~……遅くなった、ごめんね」
誰?むしろ向こうからするとこっちが誰?だよね。
ごめんなさい、探検ごっこなんです!!
いや、わけが分からないよー!
内側へと開いていく扉。
白い服を着た白い人が…人?人っぽい人が扉を開けてくれた。
「お久しぶりです、マスター」
「久しぶり~!メイちゃん、こっちは兄ちゃん!」
「兄ちゃん、この子はメイドのメイちゃん」
「初めまして、兄ちゃん様。ワタシは専属メイドのメイと申します」
「・・・へ?」
☆☆☆☆☆
★★★★★
くぅぅ!
どこまでの置いてきぼりなお兄ちゃんは現状を打破できるのか?!待て、次号!
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