次男坊と言っても末っ子です。

もちた企画

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第1話 教会にて

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第1話
「おーい、封筒どこだっけ?」

「カバンに用意してありますよ」

「あぁそうか、靴はどこだっけかなー」

「もう履いてますよ、主役はゼラなんですから緊張してないで起こしてきてくださいな」

「なんだかもう向かってる奴らがいるぞ」

「はいはい、落ち着いて~」

朝から父親が慌ただしく支度をしていたのを眠気眼で見ていたら「おはよう、朝ごはん食べといで」って急かされちゃった。

「かあさん、おはよー」

「おはよう、よく寝れた?」

「それがなかなか寝れなかったよ、ハルの奴が「誰が一番良い祝福がもらえるか競争しようぜ」なんて言うから考えちゃってさ~」

「あらあら、たしかハロルド君だったかしら?あの子はお父さんがこの街の騎士だから期待もあるんでしょうね」

ふふっと笑う母さんの視線の先には父さんがズボンを手に持ってさっきから玄関前を行ったり来たりしている。

今日は子供であれば誰もが通る<祝福の儀>という教会で行われるイベントだ。健康に育った子供に神様より一つだけ魔法適性の属性が与えられる。

「あなたが使える魔法はこれですよー」を知ることができるのだ。魔法は父さんも母さんも適性があって父さんは風の魔法が一部使える。
扱えるというより微風が一定時間続く程度だ。

母さんは火の魔法が一部使える。
料理や捨てたゴミに種火をつけることができる。継続して種火を続けるとすぐに倒れ込んでしまうので延焼はできない。
あと冬の寒い時期は暖炉の番人として母さんはつけた火を父さんが微風で風を送り込んでいち早く部屋を暖かくできるという最強夫婦だ。
ボクとしては寒さに弱いのでとても助かっているのだが両親は先ほどの話からして魔法適性は低く、商人をやってるアサンの父ちゃんは母さんと同じ火の魔法が使えて手のひらから握り拳大の火の玉を出して野盗や魔物を撃退しているという。
一度見せてほしいと言ったが「危ないから」断られてしまった。

最初に出てきたハルの父ちゃんは街の治安を守っている強い人で水の魔法が使える。
夏は見かけて声をかけるとバケツをひっくり返したような水をかけてくれるので重宝?している。むしろその方法しか知らない。
魔法とは便利なようで使いこなせている人が近くにいないので不便を知らないから不便と感じない生活ができていたりする。むしろ使える人をあまり見たことがない。
完全に魔法を使えない人もボクの周りにちらほらいるので特に興味が湧くことはなかった。

そう、祝福をもらう前までは。

「父さんはズボン履いて。そろそろ行けるよー」

「うぉ!?」

朝食を食べ終わり母さんからもらった大切なガラス玉をポケットに入れて準備万端。

「いってきまーす」

「いってらっしゃい、帰りはみんなと遊んでくるの?」

「うーん、どうだろ?遊べたら??」

「遅くならないでねー」

「はーい」

いざっ!教会に向けて出発!!

「父さん先頭ね、ボク場所わからないから」

…………

木造の教会に入ると父さんと別れ子供たちだけで部屋に集められた。
ハルとアサンは手を振って近づいてくる。

「遅い!」

「「いや、お前が早い」」

アサンと声が揃ってしまう。
ハルって何時からいたんだろう??

集合が10:00-10:25で開始が10:30。
今は10:20だから遅刻はしてないぞ??

「アサンより早かったの??」

「ハルは開錠と共にいたらしいぞ、神父さんと朝食を一緒にしたって言ってた」

「…神父さんに迷惑かけるなよ」

「かけてねーよ!?なんだその目は!朝食一緒にどうですか?って言ったから食べただけだ」

腕を組み睨んでくるがそーゆーとこだぞ。アサンと一緒に大きなため息をして時間を見るとそろそろだ。

「皆さんに今日は主からの祝福がありますので名前を呼ばれたらこちらへきてください」

神父はニコニコと話し始めて大きなガラス玉まで歩いていく。近所に住む子供は最後で貴族のご子息様から祝福をもらうのだが手違いがあったようで何やら騒がしくなった。

「私は伯爵家なのにどうして子爵家よりあとなのだ!教会が無い子爵領では常識も知らんのか!」

「呼ばれたから来ただけのこと、熱くならずどうぞお先に」

「なんという態度か!貴族の礼儀を教えてやる!」

なんだなんだと集まる子供とあわあわし始める教会側。

「順番で何か祝福が変わるの?」

純粋な問いかけが子供側から出たのを皮切りに親御さんもざわざわ。神父さんは「特にないですよ」と軽く答えるカオス。

<では、なんで伯爵家のご子息はあんなに必死なの?>

ここにいる皆の頭が一つの疑問で共有できた時、伯爵家のご子息は「とっとと終わらせるぞ」とガラス玉に歩み寄っていく。
手のひらを乗せたガラス玉が光…らず、変化なし。
これはまさか。場内が静かになった。

「な、なっ!!」

え?何??

「どしたの?」

「祝福をもらう時はそのガラス玉が光って神父さんが読み上げるってさっき説明してたじゃん」

とアサンが大きな声で説明してくれた。
その…ごめんよ。

「そんな!私はカイラン家だぞ…」

肩を落として膝から崩れ落ちる癇癪少年は大人2人に持ち上げられ会場を後にした。





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