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ゲームと彼女。再び part1
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「私、そのゲームやってみたい」
部活内で雑談をしている中で部長がそんなことを言い出した。
部長は別に何の脈絡もなくこんなことを言い出したわけではない。
今日の雑談のテーマとして自分の好きなゲームが挙げられ、僕が紹介したゲームを部長がやりたいと言い出しただけだ。
因みに僕が紹介したのは未来から来た彼女と一緒にやっているテレビゲームだ。紹介しただけでやりたいと言い出すところを見るに、彼女は十年の間に性格が大きく変化したわけではないらしい。
まあそんなことはどうでもいいことだ。
「……私もやってみたいです。でも私そのゲームができる機種持ってなくて……」
宮下さんも僕の紹介したゲームをやってみたいらしいがどうやらゲームをするための機種がないらしい。
「私も持ってないんだよね。持ってたら今日にでもどっかのお店でソフトだけ買ってやれるんだけどね~両親に頼んでもそう簡単には買ってくれないだろうし」
部長のその言葉に宮下さんも頷く。
確かに、機種の値段は中々に高い。安くても二万円はする。中古でも一万円ほどするしソフトも中古で買っても三千円はするので高校生が簡単に手を出せるものではない。
しかしまあ、そこは仕方ないだろう。ゲームがしたいというならやはりどうにかして買うしかない。と僕がそんな風に考えていると部長が
「そっか、私達がゲームのできる機種を持ってないなら俊太君の家までやりに行けばいいんじゃない!」
と言い出した。
「え?」
思わず素っ頓狂な声が漏れる。
イヤイヤ、ちょっと待て。なんでそうなる。
女子というのはゲームがしたくてそのゲームをするための環境がなかったらホイホイと男の家に上がるものなのか?いや、そんなことはないだろう。
僕の読むライトノベルですら女子が男子の家に入るシーンはほとんど見ないし、そんな展開があったとしても長い時間をかけて友好関係を気づいた上で、もっと関係を発達させたいという目的の元での自宅訪問だったはずだ。僕と部長は関係を持って一か月もたっていない。そんな状況にも拘わらずそんな僕の家に上がり込もうとしているのはどうなのだろうか?
「部長は男の家に上がり込むのに抵抗ないんですか?」
思わず聞いてしまう。
「まあ、抵抗がないわけじゃないけど、やっぱりゲームしたいし……ダメかな?」
まあ、元々未来から来た彼女から部長が家に来ることは聞いていたので駄目と言うわけではない。ただ、こんなにも早くしかもこんな単純な理由で家に来ることに驚いたから抵抗がないのかと聞いただけだ。
「別に部長が抵抗ないのならいいですよ」
「ほんとにやったー!」
「でもその代わり、いつ来るかとかはちゃんと教えてくださいよ。こっちにも都合があるんで」
都合と言うのは主に未来から来た彼女のことだ。流石に僕の家にこの学校の教師である彼女がいるというのを見られるのは避けたい。
「もちろんだよ。ありがとう!」
大声でお礼を言われ、思わず身を引いてしまう。
だがまあ、後はいつ僕の家に来てもらうかを決めるだけだな。とそう考えていると突然宮下さんが「……私も……山田君の家にお邪魔してもいいですか?」と言ってきた。
「宮下さんも?」
「うん、私もゲームしたいし……なりより、友達の家に行って遊ぶっていうことをしてみたいから……駄目かな……」
「全然いいよ。みんなで一緒にゲームしよう」
別に僕の家に来る女子が一人だろうが二人だろうが家に女子を招待するという事実は変わらないのだから問題ない。
それに、宮下さんの言葉から察するに、宮下さんには気軽に家に行って遊べるほどの友達がいないのだろう。であるならば、僕の家に来ることで彼女のささやかな望みが叶うというのなら僕としても万々歳だ。
「山田君、ありがとう」
宮下さんの言葉に、なんだか宮下さんみたいな人に素直に感謝を述べられるのは恥ずかしいなとふとそんなことを思った。
部活内で雑談をしている中で部長がそんなことを言い出した。
部長は別に何の脈絡もなくこんなことを言い出したわけではない。
今日の雑談のテーマとして自分の好きなゲームが挙げられ、僕が紹介したゲームを部長がやりたいと言い出しただけだ。
因みに僕が紹介したのは未来から来た彼女と一緒にやっているテレビゲームだ。紹介しただけでやりたいと言い出すところを見るに、彼女は十年の間に性格が大きく変化したわけではないらしい。
まあそんなことはどうでもいいことだ。
「……私もやってみたいです。でも私そのゲームができる機種持ってなくて……」
宮下さんも僕の紹介したゲームをやってみたいらしいがどうやらゲームをするための機種がないらしい。
「私も持ってないんだよね。持ってたら今日にでもどっかのお店でソフトだけ買ってやれるんだけどね~両親に頼んでもそう簡単には買ってくれないだろうし」
部長のその言葉に宮下さんも頷く。
確かに、機種の値段は中々に高い。安くても二万円はする。中古でも一万円ほどするしソフトも中古で買っても三千円はするので高校生が簡単に手を出せるものではない。
しかしまあ、そこは仕方ないだろう。ゲームがしたいというならやはりどうにかして買うしかない。と僕がそんな風に考えていると部長が
「そっか、私達がゲームのできる機種を持ってないなら俊太君の家までやりに行けばいいんじゃない!」
と言い出した。
「え?」
思わず素っ頓狂な声が漏れる。
イヤイヤ、ちょっと待て。なんでそうなる。
女子というのはゲームがしたくてそのゲームをするための環境がなかったらホイホイと男の家に上がるものなのか?いや、そんなことはないだろう。
僕の読むライトノベルですら女子が男子の家に入るシーンはほとんど見ないし、そんな展開があったとしても長い時間をかけて友好関係を気づいた上で、もっと関係を発達させたいという目的の元での自宅訪問だったはずだ。僕と部長は関係を持って一か月もたっていない。そんな状況にも拘わらずそんな僕の家に上がり込もうとしているのはどうなのだろうか?
「部長は男の家に上がり込むのに抵抗ないんですか?」
思わず聞いてしまう。
「まあ、抵抗がないわけじゃないけど、やっぱりゲームしたいし……ダメかな?」
まあ、元々未来から来た彼女から部長が家に来ることは聞いていたので駄目と言うわけではない。ただ、こんなにも早くしかもこんな単純な理由で家に来ることに驚いたから抵抗がないのかと聞いただけだ。
「別に部長が抵抗ないのならいいですよ」
「ほんとにやったー!」
「でもその代わり、いつ来るかとかはちゃんと教えてくださいよ。こっちにも都合があるんで」
都合と言うのは主に未来から来た彼女のことだ。流石に僕の家にこの学校の教師である彼女がいるというのを見られるのは避けたい。
「もちろんだよ。ありがとう!」
大声でお礼を言われ、思わず身を引いてしまう。
だがまあ、後はいつ僕の家に来てもらうかを決めるだけだな。とそう考えていると突然宮下さんが「……私も……山田君の家にお邪魔してもいいですか?」と言ってきた。
「宮下さんも?」
「うん、私もゲームしたいし……なりより、友達の家に行って遊ぶっていうことをしてみたいから……駄目かな……」
「全然いいよ。みんなで一緒にゲームしよう」
別に僕の家に来る女子が一人だろうが二人だろうが家に女子を招待するという事実は変わらないのだから問題ない。
それに、宮下さんの言葉から察するに、宮下さんには気軽に家に行って遊べるほどの友達がいないのだろう。であるならば、僕の家に来ることで彼女のささやかな望みが叶うというのなら僕としても万々歳だ。
「山田君、ありがとう」
宮下さんの言葉に、なんだか宮下さんみたいな人に素直に感謝を述べられるのは恥ずかしいなとふとそんなことを思った。
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