人生のやり直しを夢見た私は異世界で人生のやり直しを始めた

来実

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89.原因

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「この街は開発が進み、この協会の周りにも高層建造物がいくつも建てられました」

「街の人は街の進展と開発に熱心で、この教会にも、土地を明け渡すように。というお話が来たのですが、こちらのクリスタルを移動することは不可能ですので、お断りし続けたのですが……」

シスターの顔色はどんどん曇っていく

「建造物の建築計画は進む一方で、結果、この周辺に教会を囲むように高層建造物がいくつも建てられました」

「その頃からです。これまでこちらに礼拝に来ていた人も、少なくなり、クリスタルは輝きをどんどん失っていきました。そして、ある噂が広まり始めました」

「その噂ってもしかして?」
ルイ君が合いの手を入れた

「……はい。この教会は黒魔術を行っている。というものです」

「で?それは本当のことなの?」
ルカ君が話の続きを求めた

「いいえっ!!!決してそのようなことはっっ!!!」
シスターは勢いよく否定した

カイリ殿下は、ステンドグラスを見上げた
一切の光は届かず、クリスタルは薄黒く濁りを貯めている
「届かない……か……」

カイリ殿下はシスターに向き直ると、
「クリスタルについて、どのように伝え聞いている?」
と問う

「こちらのクリスタルに祈ることで、負の魔力を浄化し、心を清く保てる。と。」

「そうか。では、なぜ教会の窓がクリスタルに光を集めるように作られているか知っているか?」

「いえ……。」
シスターは申し訳なさそうに答えた

確かに、私のいる教会のクリスタルも、日中は陽の光を浴びてキラキラと輝き、夜は月の光を集めて神秘的な輝きを見せる

綺麗だな~くらいにしか思ってなかったけど、何か意味がある気がする
多分、ユミさんは私に説明してくれたんだろうけど、ふ~んって右から左に聞き流しちゃってた……気がします。はい。

「クリスタルにとって、光は浄化の手助けとなる。その光が届かなくては、溜まった魔力の穢れを浄化しきれずに、こうして溜まる一方だ」

あ~~確かに。なんか似たような事聞いた気がする。

祈ることを忘れ、信仰は薄らぎ、人々の心が荒んでいく
消化しきれない負の感情は争いを産み、魔力はどんどん汚れる……負の連鎖だ

でも、クリスタルを通して、私が浄化してるってことは、このクリスタルを私が浄化できる……はずなのでは?

でも、それが出来ないからこんなことになってるの?

うーーん。自分のポンコツさにも呆れてしまう

どぅにかできないかな。と、私はクリスタルに歩みよった

頭痛の原因って、もしかしてこの亀裂?!
気になって、クリスタルの亀裂に触れる

すると……

「「「「危ないっ!!!!」」」」

え?


キーーン!という耳鳴りと共に
パリーンっと大きな音を立てて、クリスタルが砕けた

と、同時に、私も頭が割れるような頭痛に襲われ意識を失った
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