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辺境伯クロードのひとりごと・4
「……まさか、フィリシアに全てを話すとは思わなかった」
「そうか?」
ケロッとしやがって。
私はとてつもなく面白くなかった。
まさか、ジョージが自分の出生を、フィリシアに全て告白するとは思っていなかった。
別にジョージの話を秘密にしていた訳ではない。
どうせ屋敷の使用人達は皆知っている。
だけど、フィリシアはジョージに興味がなさそうだったし、興味を持って欲しくなかったから、私の口からは言わない様にしていたのに!
「ジョージはフィリシアを良く思ってなかったじゃないか。それなのに、急にどうしたんだよ」
「んー。彼女を見ていて、僕の考えが変わっただけさ。彼女の善意は本物だと思ったから」
1番大きな要因は、私の仮面を作ったことか。
私がずっと悩んでいた事をフィリシアが解決して、私の心も軽くしてくれたから。
「彼女が本気でクロードを誑かすつもりがあれば、何があろうとしたたかにお前にしがみついていたはずだろう?」
「だから、私はフィリシアに誑かされてなんていない!」
「分かってるよ」
あははとジョージは笑う。
「フィリシアを知って僕の心の中も、つかえていた物が解けた気がする。不思議だな、フィリシアは」
確かにフィリシアは不思議だ。
不思議というか、なんだろう。
知れば知るほど、フィリシアが愛おしい。
フィリシアは耳も良いんだな。
私はジョージが近づいてきた事に全く気が付かなかったのに、近付いて来た者が誰か分からない時から、必死に私を守ろうとしてくれた。
口が悪いところも可愛いと思ってしまった。
「何をニヤけているんだよ」
ジョージが白い目で私を見る。
「あ、いや、その。フィリシアが可愛すぎて、な」
「……あんな口の悪い女、どこが可愛いんだ!僕がここに近づいた時に、めっちゃ口調も声も荒かったじゃないかッ!」
そう言いながらも、ジョージは耳が少し赤くなっている。
「た、確かに、性格は悪くないし、顔も確かに綺麗だし」
アタフタしながらジョージは続けた。
マズい。
ジョージもフィリシアに魅了されてしまったのか?
違う。
私やジョージだけじゃない!
使用人達も、皆んなフィリシアを気に入っている。
「……フィリシアは誰に対しても優しいんだ。私だけじゃなく」
「僕にはまだ冷たいけどな」
ふふふ。
まだ私の勝ちだ。
「それにしても、こんな所で2人で会うのは、とてもじゃないか良いことだとは言えないな。僕じゃなくて、もしエリーズだったらどうするつもりだった?」
「エリーズがこんな森のような場所に1人で来るとも思えないけどね」
「エリーズの侍女がそろそろ来るんだろ?その者たちに見られでもしたら」
言われなくても分かっている。
でももう、フィリシアからも、ここで2人で会う事はハッキリ断られた。
それでも私は、私は……。
「分かっている!でも私はフィリシアに会いたい。別にフィリシアとどうなりたいとか、そんなわがままは言わない。ただ、フィリシアの笑顔を近くで見たい」
そうさ、全て分かっている。
私はこの家の跡継ぎだ。
エリーズがこのまま本気で私と結婚すると言うなら、結婚を白紙に戻せない事も、白紙に戻したからと言って、フィリシアと結ばれることがない事も。
それでも私は、この数年間の暗闇の中に光をくれたフィリシアが愛おしくて仕方ない。
「そんなにフィリシアに会いたいなら、フィリシアを僕の館の侍女にすれば良い」
「え?」
ジョージの?
何故そうなる?
「僕の住む館なら、エリーズもエリーズの侍女も絶対にやって来れないだろう」
それはそうだが。
でも、ジョージの所で侍女と言うのも……。
「フィリシアと会いたい時は、僕のところに来れば良い」
……確かに、それはそうなんだが。
「何だよ、その目はッ!」
ん?
私の目がどうした?
「何を疑っているんだ?」
べ、別に、疑っている訳では。
でも目に出ていたか?
「僕がフィリシアに何かする訳ないだろう!」
真っ赤な顔して説得力ゼロで、それは言い切れてないだろ?
フィリシアがジョージの側にいたら、ジョージだって何かの拍子に……。
フィリシアだって、ジョージを知って行って気持ちが変わって…‥。
私だってフィリシアと、その、キスしたりとか、その……。
「どうするんだよ!今までの生活じゃ、エリーズの目があって、フィリシアと会うことができないだろ」
ううう。
確かに。
これは、どうすれば良い?
どっちが正解なんだ?
「フィリシアに癒されたいんだろッ!」
ううう。
背に腹は変えられない。
「……フィリシアをエリーズから守ってくれるか?」
仕方ないが、フィリシアの為にもジョージに託すしかないか。
「え?」
「エリーズはフィリシアを良く思っていない」
ああ。と、ジョージも納得した顔をする。
「そうだね。自分の身代わりにさせるぐらいだからね。まあ、フィリシアもかなりエリーズに対して敵意がある様だけどさ」
「確かにフィリシアも気の強い所はあるが、エリーズを見れば分かるだろ?原因はエリーズだと!」
「フィリシアが気が強いのはクロードも認める訳だ」
ジョージのニヤニヤ顔に、私はついムッとしてしまった。
「だけど立場的にはフィリシアの方が弱者だ。私はもう、フィリシアがエリーズに傷つけられることがない様にしたいんだ」
ジョージは私の言う事に納得したのか、フーッと息を吐いた。
「それなら尚更、僕が預かった方が良いよね」
本当なら私が側で守りたい。
でも、エリーズが心変わりした今、私はフィリシアを表立って守れない。
私がフィリシアを溺愛すればするほど、苦しむのはフィリシアだから。
「フィリシアを守るのを協力してくれるのか?」
「もちろん」
悔しいが、そう自信満々に言い切る、キランと光るジョージの瞳を、私は信じるしかないと思った。
「そうか?」
ケロッとしやがって。
私はとてつもなく面白くなかった。
まさか、ジョージが自分の出生を、フィリシアに全て告白するとは思っていなかった。
別にジョージの話を秘密にしていた訳ではない。
どうせ屋敷の使用人達は皆知っている。
だけど、フィリシアはジョージに興味がなさそうだったし、興味を持って欲しくなかったから、私の口からは言わない様にしていたのに!
「ジョージはフィリシアを良く思ってなかったじゃないか。それなのに、急にどうしたんだよ」
「んー。彼女を見ていて、僕の考えが変わっただけさ。彼女の善意は本物だと思ったから」
1番大きな要因は、私の仮面を作ったことか。
私がずっと悩んでいた事をフィリシアが解決して、私の心も軽くしてくれたから。
「彼女が本気でクロードを誑かすつもりがあれば、何があろうとしたたかにお前にしがみついていたはずだろう?」
「だから、私はフィリシアに誑かされてなんていない!」
「分かってるよ」
あははとジョージは笑う。
「フィリシアを知って僕の心の中も、つかえていた物が解けた気がする。不思議だな、フィリシアは」
確かにフィリシアは不思議だ。
不思議というか、なんだろう。
知れば知るほど、フィリシアが愛おしい。
フィリシアは耳も良いんだな。
私はジョージが近づいてきた事に全く気が付かなかったのに、近付いて来た者が誰か分からない時から、必死に私を守ろうとしてくれた。
口が悪いところも可愛いと思ってしまった。
「何をニヤけているんだよ」
ジョージが白い目で私を見る。
「あ、いや、その。フィリシアが可愛すぎて、な」
「……あんな口の悪い女、どこが可愛いんだ!僕がここに近づいた時に、めっちゃ口調も声も荒かったじゃないかッ!」
そう言いながらも、ジョージは耳が少し赤くなっている。
「た、確かに、性格は悪くないし、顔も確かに綺麗だし」
アタフタしながらジョージは続けた。
マズい。
ジョージもフィリシアに魅了されてしまったのか?
違う。
私やジョージだけじゃない!
使用人達も、皆んなフィリシアを気に入っている。
「……フィリシアは誰に対しても優しいんだ。私だけじゃなく」
「僕にはまだ冷たいけどな」
ふふふ。
まだ私の勝ちだ。
「それにしても、こんな所で2人で会うのは、とてもじゃないか良いことだとは言えないな。僕じゃなくて、もしエリーズだったらどうするつもりだった?」
「エリーズがこんな森のような場所に1人で来るとも思えないけどね」
「エリーズの侍女がそろそろ来るんだろ?その者たちに見られでもしたら」
言われなくても分かっている。
でももう、フィリシアからも、ここで2人で会う事はハッキリ断られた。
それでも私は、私は……。
「分かっている!でも私はフィリシアに会いたい。別にフィリシアとどうなりたいとか、そんなわがままは言わない。ただ、フィリシアの笑顔を近くで見たい」
そうさ、全て分かっている。
私はこの家の跡継ぎだ。
エリーズがこのまま本気で私と結婚すると言うなら、結婚を白紙に戻せない事も、白紙に戻したからと言って、フィリシアと結ばれることがない事も。
それでも私は、この数年間の暗闇の中に光をくれたフィリシアが愛おしくて仕方ない。
「そんなにフィリシアに会いたいなら、フィリシアを僕の館の侍女にすれば良い」
「え?」
ジョージの?
何故そうなる?
「僕の住む館なら、エリーズもエリーズの侍女も絶対にやって来れないだろう」
それはそうだが。
でも、ジョージの所で侍女と言うのも……。
「フィリシアと会いたい時は、僕のところに来れば良い」
……確かに、それはそうなんだが。
「何だよ、その目はッ!」
ん?
私の目がどうした?
「何を疑っているんだ?」
べ、別に、疑っている訳では。
でも目に出ていたか?
「僕がフィリシアに何かする訳ないだろう!」
真っ赤な顔して説得力ゼロで、それは言い切れてないだろ?
フィリシアがジョージの側にいたら、ジョージだって何かの拍子に……。
フィリシアだって、ジョージを知って行って気持ちが変わって…‥。
私だってフィリシアと、その、キスしたりとか、その……。
「どうするんだよ!今までの生活じゃ、エリーズの目があって、フィリシアと会うことができないだろ」
ううう。
確かに。
これは、どうすれば良い?
どっちが正解なんだ?
「フィリシアに癒されたいんだろッ!」
ううう。
背に腹は変えられない。
「……フィリシアをエリーズから守ってくれるか?」
仕方ないが、フィリシアの為にもジョージに託すしかないか。
「え?」
「エリーズはフィリシアを良く思っていない」
ああ。と、ジョージも納得した顔をする。
「そうだね。自分の身代わりにさせるぐらいだからね。まあ、フィリシアもかなりエリーズに対して敵意がある様だけどさ」
「確かにフィリシアも気の強い所はあるが、エリーズを見れば分かるだろ?原因はエリーズだと!」
「フィリシアが気が強いのはクロードも認める訳だ」
ジョージのニヤニヤ顔に、私はついムッとしてしまった。
「だけど立場的にはフィリシアの方が弱者だ。私はもう、フィリシアがエリーズに傷つけられることがない様にしたいんだ」
ジョージは私の言う事に納得したのか、フーッと息を吐いた。
「それなら尚更、僕が預かった方が良いよね」
本当なら私が側で守りたい。
でも、エリーズが心変わりした今、私はフィリシアを表立って守れない。
私がフィリシアを溺愛すればするほど、苦しむのはフィリシアだから。
「フィリシアを守るのを協力してくれるのか?」
「もちろん」
悔しいが、そう自信満々に言い切る、キランと光るジョージの瞳を、私は信じるしかないと思った。
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